俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

冬の腹

2006年12月16日 | 俳句
 ご近所の南天

『小春日は 生徒舟漕ぎ 閑なり』
(こはるびは せいとふねこぎ しずかなり)

『忘年会 手持ち無沙汰の 時間待ち』
(ぼうねんかい てもちぶさたの じかんまち)

『年の暮 戀もせぬうち 過ぎ行けり』
(としのくれ こいもせぬうち すぎゆけり)

『日の当たる 背は温かく 腹冷たし』
(ひのあたる せはあたたかく はらつめたし)
 
『冬の宵 唄うは風呂で 古き歌』
(ふゆのよい うたうはふろで ふるきうた)

『外見れば 立ち内は出る 冬の腹』
(そとみれば たちうちはでる ふゆのはら)

『数え日の 忘年会の 予定なし』
(かぞえびの ぼうねんかいの よていなし)

『耳に良き 大阪時雨 降るは嫌』
(みみによき おおさかしぐれ ふるはいや)

『閉じし眼の 裏に焼き付く 雪の妹』
(とじしめの うらにやきつく ゆきのいも)

『妹の住む 北国遠く 冬椿』
(いものすむ きたぐにとおく ふゆつばき)

『冬椿 今宵ばかりは 酔わせてよ』
(ふゆつばき こよいばかりは よわせてよ)

『飲むならば 三輪の味酒 雪催』
(のむならば みわのうまざけ ゆきもよい)

『味酒は 七賢人と 冬の夢』
(うまざけは しちけんじんと ふゆのゆめ)

『この愁い 年暮れ行くも 忘れまじ』
(このおもい としくれゆくも わすれまじ)

『時雨るるに 残る木の葉も 散りにけり』
(しぐるるに のこるきのはも ちりにけり)

『冬の雲 緩く来たりて 居座りぬ』
(ふゆのくも ゆるくきたりて いすわりぬ)

『年の暮 過客戻りて 酌み交わす』
(としのくれ かきゃくもどりて くみかわす)

『雲流る 大地を枕 日向ぼこ』
(くもながる だいちをまくら ひなたぼこ)

『冬薔薇 枯れきるまでの 時長く』
(ふゆそうび かれきるまでの ときながく)

『短日や 満たされざるに 時長く』
(たんじつや みたされざるに ときながく)