初代高橋竹山師の演奏が使われているというので
ATG映画「津軽じょんがら節」(1973年作品)を観てきました。
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津軽じょんがら節 [DVD] |
斎藤耕一監督 | |
ジェネオン エンタテインメント |
映画のタイトルは「じょんがら節」だけど
冒頭、津軽の荒波の風景とともに流れてきたのは「よされ節」でした。
そうでしょうとも。これは竹山流よされ節がぴったりの場面だと思う。
後半は白川軍八郎の演奏が使われてたのかな??
もの悲しい弥三郎節の唄声も効果的で
民謡っていいなぁと改めて感じたりして。
主演の江波杏子がとにかくキレイ。
色のない津軽の寂れた漁村に真っ赤なコートが印象的。
それに対して男の方は本当にどうしようもない。
いや、でも
こういうどうしようもない男、他でも見たなと思いました。
文楽の新版歌祭文。
この久松もしょうもない男です。
やさしい、というのは美徳でも何でもないと思わせてくれます。
お光がいじらしすぎて、お染久松にまったく肩入れできない。主役なのに。
「津軽じょんがら節」のイサ子も
「新版歌祭文」のお光も
現実をちゃんと見て、ひとりで決意する。
本当は泣きながら、きっぱりと思い切る行動をとって見せる。
強い女。やさしいひと。
ついでにいうと
文楽のもう一演目、「日本振袖始」のスサノオもたいがいでした。笑
稲田姫が大蛇に食われてから登場するとか、遅すぎるし。
結局、姫は自力で大蛇の腹を切って生還して宝剣まで手に入れてるし。
何やねんスサノオ!と醒めた目で見てしまう。
余談ですが
チラシ写真にも載ってる岩長姫の衣装がめっちゃ好みでした。
この演目では悪役だけど、やはり竜好きなのでテンション上がります。