能BOX開館10周年記念 創作舞「雨ニモマケズ」
配信で鑑賞。
宮沢賢治の作品を素材に
森山開次・大前光市・津村禮次郎の3人が舞い
笛、和太鼓、箏、チェロ、声楽が奏でる。
とても充実した作品で良かった!
すごく好きな作品です。
なんといっても、3人の舞人の存在感が素晴らしい。
そして、全体を通して、舞と音と言葉のバランスがとても良い。
場面ごとに演者の組合せを変えてメリハリをつけていて
舞人の衣装替えも効果的。
和と洋の要素のバランスもいい。
森山開次のダンスも、能舞台に不思議と違和感なく見えるし
謡と声楽との絡みかたも面白かった。
個人的に、「雨ニモマケズ」という詩はそんなに好きではなくて
宮沢賢治の代表作扱いには釈然としないものがあるけど、
今回の「雨ニモマケズ」は今までにない迫力を持ってた。
津村禮次郎の謡を後半からテノールが盛り上げてくるのが
ちょっと意外で、でも決して謡を邪魔してなくて、
そこから更に強い力を発してくるのが大前光市。
はじめて知ったのですが、義足のダンサーとして活躍している人だそうで、
でも途中まで義足だということに全く気づかなかったし
義足だとかどうとか関係なく、舞台に出てきた瞬間から
なにか惹きつけられる存在感でした。
森山開次・大前光市の二人が、真っ白な扇を持って舞う
「永訣の朝」も抑制されたパフォーマンスで印象的でした。
箏の澤村祐司さんも初めて聴いたけど、とてもやさしい音色で、
舞人のシャープさや、チェロの不協和音との対比で
全体のバランスの良さを作り出していたように思います。
椿紅静月×松浪千静×豊澤住静
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