三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

絶世の未来へ。

2021年03月17日 | 鑑賞
林英哲演奏活動50周年記念公演
「独奏の宴-絶世の未来へ」@サントリーホール


なんと実に3年ぶりに林英哲コンサートへ。
3年前は骨折でトークのみの出演だったから
演奏を聴くのは4年ぶりになる。

近頃は、年に1回、新春のピロティホール公演でしか
大阪に来てくれない英哲さん、
しかも今年はピロティホール改修中だからか何なのか
その年に一度の新春公演すらなかった、
もうちょっとファンの気持ちになってくれ、と
恨みに思う気持ちもないではないけど。


「祈り」「厄払い」、
そして「良き未来」のための「ひとり舞台」、
空前絶後、一世一代


こんな言葉を並べられたら、行かずにはいられないでしょうよ。
「ひとり舞台」ですよ、
来年には70歳になる人がたった一人で
太鼓だけでひとつの舞台を作り上げてしまう。
こんなことは、やはり林英哲にしか出来ない。

この、「独奏」で出来る、ということが
すごく大事なことだと私は思っている。
もちろん、和太鼓アンサンブルも、コラボレーションも好きだけど
誰にも頼らずに、他の楽器の力も借りずに、
自分一人だけで、自分の楽器だけで、世界を作れること。
それが真の実力だから。

それだけの演奏をするためには、楽器を知り尽くしていなくてはできない。
ひとつひとつの太鼓の特性、撥の使い分け、
太鼓の面のどこを、どんなふうに叩くか、
音の強弱、タッチ、響きの残し方、
一打ずつが狙いすました音。
超絶技巧に加えて、その表現への探究心。

そして、太鼓を打つ姿の美しさ。
撥の上げ方、左右の振り分け方、静止、
そのすべてが音楽と連動してる。
よく、和太鼓チームで撥の上げ下げを揃えてるところがあるけど
多くの場合、その動きが音楽の流れと合ってなくて
不自然にしか見えない。
英哲さんはビジュアル的にもおそらく計算しつくした打ち方だけど
それが音楽の流れを視覚的にも表している。
多分、衣装の脱ぎ方まで全部計算してるはずだ。(何を見てるんだ。笑)

こんな圧倒的なパフォーマンスを見せられると
まだまだこの先を見続けられるように思えてしまう。
郷土芸能だった太鼓を、「和太鼓」という舞台芸にした先駆者であり、
今もずっとその先頭を走っている林英哲。
何かもう、他の誰にも追いつけない地平を一人走ってる感じ。
やはり最高の舞台でした。


 椿紅静月×松浪千静×豊澤住静
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►演奏予定
 3月31日(水) 三味線三昧@京都・天Q
 詳しくはこちら
►演奏依頼 承ります
 ステージイベント、パーティ、ブライダル、レクチャーコンサート、
 ワークショップなど、三味線出張演奏いたします。
 小さな会場でも、ご予算が少なくても大丈夫。
 ブッキングライブ、コラボレーションなども歓迎。

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