三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

未来のサムライミュージシャンズ発掘コンテスト 優秀賞受賞!

譜面のその先を自分で考える。

2020年02月05日 | 三味線のはなし
今日は地歌のお稽古に。

いや、我ながら
よくこれだけいろんな種類の三味線を
日々とっかえひっかえ弾いていられるものだ。笑

それはさておき。

松浪流では6月14日(日)に
一門の演奏会「華蓮の会」を予定しておりまして、
わたくしは今回、地歌「ゆき」を演奏いたします。

というわけで
今日も「ゆき」のお稽古をしていただいたのですが。

三味線も唄も、譜面に書いてあることはもう出来てるから
自分がここはこう歌いたい、と思うものを出しておいで

という宿題をいただきました。

いや、本当は三味線も唄も、まだまだやることはあるんですけど、
ひとつ進んだ課題をいただいたな、と。

確かに、正確な演奏は大事。
三味線のツボとか、唄のピッチとか、テンポ感とか
はずしてはいけないところは守る。
でも、それだけでは何の面白みもない演奏になってしまう。
聴く方も、演る方も、面白くない。
なのに、ついつい、間違えずに弾けるように、ということばかり
意識がいってしまう。
その先へ。行かなきゃ。

そして、その表現を、自分で考える。
師匠の色づけをコピーするのではなく
自分ならどうしたいかを考えてみなさい、と。
難しいことだけれど、
そのレベルの課題を設定していただけるというのは
ちょっとうれしくもある。
こういうところがきっと、舞台やる人間のMなとこだよね。笑
モチベーション上がります。

6月の会では時間の都合上、
かなりカットして演奏することになりますが、
ひっそり考えていることがあるので、書いておこう。
次の冬には、「ゆき」全曲と創作「雪女」で舞台をやりたい。
・・・言っちゃった😆 


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►演奏予定
 2月7日(金) 本気のグッドミュージック 各地の民謡の巻@西院GATTACA
 2月15日(土) 椿紅静月、津軽三味線の夕@Music Pub Siren
 詳しくはこちら
►演奏依頼 承ります
 ステージイベント、パーティ、ブライダル、レクチャーコンサート、
 ワークショップなど、三味線出張演奏いたします。
 小さな会場でも、ご予算が少なくても大丈夫。
 ブッキングライブ、コラボレーションなども歓迎。
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「音楽の力」ということば。

2020年02月04日 | つれづれ
2月2日の朝日新聞に

「音楽の力」は恥ずべき言葉
「癒やしてやろう」の姿勢 おこがましい

という見出しで、坂本龍一の発言が掲載されており
twitterで賛否両論が起こっている。


とくに東日本大震災以後、
「音楽の力」とか「音楽に何ができるか」といった言説を
よく見かけるようになった。
(あるいは、私自身の意識に変化が起きたせいで
 目につくようになったのかもしれない)

そのたびに、違和感を覚えてきた。
「音楽の力」がないとはいわない。
でも、それはとても個人的なことなんじゃないかと思う。
あるとき、私に力をくれた歌は確かにある。
でも、それは他の誰かと共有できる体験ではないし、
その歌は他の人には何の影響も与えないのかもしれないし
作った人/演奏した人の思いとも関係ないことだ。

 音楽の感動というのは「基本的に個人個人の誤解だ」

という坂本龍一の言葉には、とても共感する。

基本的に、私は自分も音楽を演奏するくせに
「音楽の力」というものには懐疑的だ。
そんな大層なものじゃないだろうと思うし、
ある音楽を聞いて、誰もが同じように感動するなんて有り得ない。


 好きだからやっているだけ。

 極端に言えば、1人きりでもやっている。


これが、いちばんベースにあることなんじゃないのかなぁ。


 感動するかしないかは、勝手なこと。

 音楽を作る側がそういう力を及ぼしてやろうと思って作るのは、
 言語道断でおこがましい


正しいと思う。
今、世の中、音楽に限らず、
たとえばオリンピックに向けて一致団結、みたいな
気持ち悪い感じもあるけど、
そういう感動の押し売りのようなものに
音楽を利用する/利用されることは避けたいと思う。
きっと、坂本龍一は「音楽の力」というものをよくわかっていて
ときに危険なものになりうるからこそ、
強い言葉で語っているのだろうと思う。


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 2月7日(金) 本気のグッドミュージック 各地の民謡の巻@西院GATTACA
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昭和は輝いていた/題名のない音楽会。

2020年02月03日 | 鑑賞
テレビ番組2題。


1月31日放送
「武田鉄矢の昭和は輝いていた 
 津軽三味線・高橋竹山~風雪が生んだ魂の音~」

初代竹山師については、もう相当なマニアなので
ダイジェスト的な番組で紹介される内容は
ほぼ知ってるといってもいい。笑
それでも、聴くたびにハッとする音色。
二代目が「スクイもハジキもひとつひとつがきれいな音なんですよ」と
コメントしてらっしゃったけれど、まさにまさに、そのとおり。

それにしてもさ。
初代も使っておられた三味線を
武田鉄矢にさわらせちゃうのはダメでしょ。絶対ダメでしょ!!
テレビ見ながら叫んでもたわ。

二代目には、もっともっと活躍してほしい。
竹山流をもっと広めていってほしいと思います。
二代目も大好きですから。


2月1日放送
「題名のない音楽会 
 やのとあがつま 民謡を楽しむ音楽会」

矢野顕子×上妻宏光による民謡アレンジ。
どんなアプローチでくるのか、興味津々だったんですが。

私は思う。
みんなが聴きたいのは、上妻さんの三味線じゃないかと。
唄が聴きたいわけじゃないと思う。
上妻さん、唄ってる間ほとんど三味線を弾いてないのは
もったいなさすぎる!
唄わなくていいから、もっと三味線弾いて。
というのが、個人の感想です。


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天Q 邦楽の宴!

2020年02月02日 | ライヴ日記
本日の持ち時間
転換込み50分
ということを当日初めて知ったわたくし。笑
あれ? ほかの人みんな知ってんの?? まぁいいや。



というわけで

 津軽三下り
 津軽じょんから新節
 津軽じょんから旧節
 りんごメドレー
 津軽アイヤ節
 曲弾き
 三味線よされ
 南部俵積み唄

というセットリストでした。


今回、尺八・詩吟でご出演の大将が
ステキな胴掛をくださいました!!
昔は三味線も弾いておられたそうで、
もう使わんからあげようと思っててん、と。

手持ちの津軽塗胴掛が、壊滅的に剥がれてきたから
胴掛さがしてたんですよ。
こんなステキなやつに出会えるとは
○○歳、幸先いいんじゃないですか。

お礼を込めて
大将が好きだとおっしゃった《南部俵積み唄》で
締めくくりました!

次回 天Qは3月1日 ワールドミュージックフェスティバルです。


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『風の電話』。

2020年02月01日 | 鑑賞
岩手県大槌にある”天国につながる電話”をモチーフにした映画。


東日本大震災で家族を亡くした17歳のハルは広島で叔母と暮らしている。
ある日、その叔母が倒れて入院した。
ハルは衝動的に、故郷の大槌を目指す。


とても静かな作品だ。
ハルはとても無口で、話しかけられてもほとんどしゃべらない。
けれど、ハルと出会った人たちは、そんな彼女を問い詰めはしない。
今の彼女をそっと受け止め、見守ってくれる。
彼ら自身も多くを語らない。
誰もが痛みを抱えながら、それでも生きている。
生きているから、食べる。
一緒に食事をして、少しずつ言葉を交わす。
大切な思いはそれで伝わる。

広島の豪雨災害の被災地で認知症の母と暮らす公平。
母が抱える原爆の記憶。
ヒッチハイクするハルを乗せてくれた姉弟。
妊娠中の姉は、シングルマザーになる決心をしている。
不良少年に絡まれたハルを助けた森尾。
彼が探していたクルド人男性は
入管に収容され、いつ出られるかもわからない。
不安の中、彼を待つしかない家族。
森尾は震災当時、福島原発で働いていて
津波で家族を亡くし、今は車で寝泊まりする生活をしている。
今も福島で暮らす森尾の父は
失われたかつての福島について語り、静かに口ずさむ。新相馬節。
大槌で再会した、亡くなった同級生の母親はハルを抱きしめる。
ごめんなさい、と、ありがとう。
別れ際、ハルと握手を交わした森尾は言う。大丈夫。
そして、ハルは「風の電話」で家族に語りかける。

 
大切な人たちや、ふるさとを失くして
誰もが、簡単には癒えることのない痛みを抱えている。
日常の中でなんとか折り合いをつけている、
それがふとした瞬間に露わになる。
だからこそ、同じように傷ついている人にやさしく振る舞える。
私も、やさしくなりたい。

全編、ほぼ泣きどおし
観終わってからも、心にひたひたと満ちて揺れているものがある。
やさしくなりたい。


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►演奏予定
 2月2日(日) 邦楽の宴@天Q
 2月7日(金) 本気のグッドミュージック 各地の民謡の巻@西院GATTACA
 2月15日(土) 椿紅静月、津軽三味線の夕@Music Pub Siren
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