今回も身近なところにひそむ妖怪たちを取り上げていく。
まず初めは、雷獣である。一見、イタチか何かのように見えるが、よく見ると尻尾は二つになっている。
この妖怪、雷雨になると現われ、雲に乗って飛び回り。雷が落ちるとともに地上に落ち、樹木に登ったり、裂いたり、人に危害を与えたりすると言う。
その姿は、地方によってまちまちで、イタチに似ていたり、タヌキに似ているなどと言われる。体の色も灰色だとかいろいろであるようだ。雷が鳴るとその姿を現すという点が共通しているとのこと。
この雷獣、ようよう見ると尻尾が二つある以外に後ろ足が4本もある。はじめは九尾の狐かと思ったが違った。ちょっと異形の姿をしているなあ。
次に呼子である。やまびこ(山彦)とも言う。山や谷の斜面に向かって音を発した時、反響して音がかえってくる現象を昔の人が呼子またはやまびこという妖怪に具象化したものである。
この呼子という妖怪も特に何をするわけでもない。向かいの山の斜面に向かって「ヤッホー」と声を発すれば、向こうの山から「ヤッホー」と声を返すだけの存在である。
そういえば、最近、テレビでも漫画でも山で「ヤッホー」って言ってるの見たことないなあ。もはや、昭和の景色なのかな。
それから、地方によっては、やまびこのことを木霊ともいう。昔は、木の精霊たちが返事をしていると考えられたのだろうか。
今回の最後は、山爺。山父ともいう地方もあるそうだ。一つ目、一本足の妖怪で、蓑のようなものを着ているのだという。その体は、全身に鼠色の毛が生えており、目は光り、歯はとても頑丈なのだそうだ。高知県の山の中によく現れたらしい。
この妖怪の姿を見ると、さとるという人の心を読む妖怪と姿が似ている。実際、山爺が人の心を読むという話も伝わっている。ある木こりが山の中で山爺と遭遇し、木こりの心の中を次々に言い当てるので、どうしようかと思っていたところ、傍の焚火の木が突然山爺に所に弾け飛んだ、自分が言い当てれないことが起こったと大いに驚き逃げていったという。
山爺については、同じ山姥と比べると比較的おとなしい性格をしているのだそうだ。そして、山姥と同様に人に福を授けることもあるそうだ。
山爺のブロンズ像がある傍にあったお店。屋根の上や窓に妖怪の姿があった。そういえば入り口の扉には目目連がいた。
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