今回は、べとべとさんから始まる。べとべとさん、最近はすっかり有名になり、以前、境港市が行った妖怪ランキングでもベストテン内には入っている。
丸い頭に大きな口と足があるだけのシンプルな姿をしている。
夜道を歩いていると、後ろから誰かついてきているような感じがする時がある。化け物などいないと思っていても何かいるような気配がする。そういう時は道の傍らに寄って、「べとべとさん、先にお越し」というとついてきた人間から遠ざかるという。
特に人に害を与える妖怪でもないようである。水木しげる先生もべとべとさんに出会ったことがあるようで、漫画「のんのんばあとオレ」や「コミック昭和史」にのんのんばあと一緒に居る時に、べとべとさんにつけられたエピソードが描かれている。
べとべとさんに何がいいのかなあ。この突き抜けた虚無感が、何か哲学的なものを刺激するのだろうか・・・。
次に登場するのは、がしゃどくろ。野垂れ死にした人々の怨念が集まって巨大な妖怪になったという。
がしゃどくろは、昼間は姿をみせず、夜になると何処からかがしゃがしゃと姿を現わし、人を見つけると襲うと言われる。
実写版の映画「ゲゲゲの鬼太郎」にも出てきていたと記憶している。そして、このがしゃどくろの姿は、江戸時代の画家歌川国義の「相馬の古内裏」に描かれる髑髏とよく似ている。ただ、この絵とがしゃどくろとは関係はないそうだ。
その次に出てくるのが朱の盤という少し変わった名前の妖怪。朱の盆や首の番とも書かれる。「しゅのばん」という名称が先にあって、後から漢字が当てられたのだろう。
恐ろしい顔を人に見せつけて驚かせる妖怪である。夕暮れに武士が一人で歩いていると、後ろから近付いてきた男がいた。「この辺りには妖怪が出るぞ。」と声をかけると、「その妖怪はこんな顔だっただろう。」と言って、武士に顔を見せた。その顔は一面に朱を塗ったように赤く、額には一本の角があり、髪の毛は針のように、口は耳元まで切れていたという話が伝わる。
のっぺらぼうのような話でもある。
今回の最後が、山童(やまわら)である。
この妖怪は、河童に一種で、河童が秋になって山に入ると山童になるという。そして春になり水中生活に戻ると河童に戻るのだそうだ。
この山童は、はったいという食べ物が好物で、はったいをあげると人が昼寝している間に山仕事を手伝ってくれているのだそうだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます