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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

サンタクロースの大旅行

2007-12-24 10:45:04 | 読書日記
 サンタクロースの大旅行
 葛野 裕昭著 岩波新書
 クリスマスといえばサンタクロース。トルコの聖者聖ニコラウスが北欧の神々と混合し、サンタクロースとなり、日本の年中行事にまで定着していく過程を描いた本である。
 聖ニコラウスは3世紀トルコに実在した人物だそうである。キリストの誕生日を12月25日に決めたりしたニカイア公会議などに出席したという記録はあるが、特に何かをしたという事績は不明である。ただ様々な伝説を持ち、子どもたちの守護聖者とされていたらしい。そうした人物が、ヨーロッパの土着の神と習合し、今のサンタクロースの原型が生まれたと考えられるようだ。本書では、サンタクロースと東北に伝わるなまはげの習俗との類似性に着目している。子どもの守り神で様々な習俗とかかわりを持っている存在であれば、仏教の地蔵菩薩ともよく似ているような気がする。共に子どもの守護神であり、かたや道祖神、かたやオーディンなどと習合し、また様々な民俗や祭祀ともかかわりを持っているなど共通点がある。などと本書を読んでいて思った次第。
 聖ニコラウス祭自体は土着の祭りと化した為、結構カトリック教会からは目の敵にされていたところがあったという。
 しかし、近代になり、共同体の中から、過程が分離してくる過程において、子どもの守護聖者であるサンタクロースが注目され。家庭の行事として組み込まれることになってきたと考えられる。特にアメリカにわたり、今までのヨーロッパ的な価値観とは違った習俗を求めていたアメリカにおいて一層その動きは顕著になり、家庭を意識させる行事として、その役割は重要視され、それは古きよきアメリカを感じさせるものになったものであり、ある一定の富裕層を象徴するものとなったと思われる。南北戦争後の金ぴか時代のアメリカである。
 日本に渡ってもサンタクロースはある富裕層への憧れを感じさせ続けるものとなり、家庭の中の一大行事として重要視されるにいたる。今や家庭としてありつづけるための必要不可欠のアイテムとして今に至る。
 今の日本の状況は、ヨーロッパ・アメリカでクリスマスが果たしたきた役割の結果から考えると、そうおかしいこととも思えないような気がしている。
 但し、僕が子どもの頃、クリスマスというのはケーキはあったが、プレゼントはそんなになかったような・・・。ただ今のように、サンタさんが持ってきてくれるという演出は特にどこの家庭にもなかったような気がする。テレビドラマでもちゃんとお父さんが買ってきてたぞ。現在そんな演出をすると、苦情が出てくるような気がしますが・・・。(なんで子どもの夢を壊すんだ~。なんてね)
 北欧のサンタクロース村なんてのは最近作られたものらしいです。でも国を挙げてそういう夢のある演出をする余裕が欲しいなあ。日本には余裕がなさ過ぎるよね。国や自治体がこうゆうことすると非難轟々になるんでしょうが。
 最後に、サンタクロースとクリスマスとの関係について、明確には本書には書かれていなかったが、おそらくクリスマスの日を12月25日と決めた会議に出ていたことが関係しているんでしょうね。
 昔はクリスマスと関係のある動物は豚だったそうです。トナカイではなかったって。でも豚じゃカッコつかないですね。もともとはちゃんとした意味があったにせよ。
 今日は、クリスマスイブです。皆が楽しく、幸せに過ごせれば一番です。
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