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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

さおだけ屋はなぜ潰れないか

2005-03-20 09:21:47 | 読書日記
 さおだけ屋はなぜ潰れないか
 山田 真哉著 光文社新書 
 非常に身近な疑問から会計の基礎を解説した本である。なるほどさおだけ屋は町じゅうを流してはいるが売れているのを見たことがない。(とは言ってもさすがに最近はあんまり見ない。)しかしその商売は連綿と続いているのだから確かに不思議だ。その疑問を会計学の視点から解いている。さおだけ屋が副業であるという結論なのだが、その結論に至るまでに「利益の出し方」についての解説が入る。利益を出すには、①売り上げを増やす、②費用を節約すると解説している。さおだけ屋の場合は、金物屋の副業であれば費用はかからないので、売れた分がそのまま利益になるだからこそ商売を続けていくことが出来るのだということが結論付けられている。(ただし本当にさおだけ屋が金物屋の副業なのだとは言えない。)
 そしてその考え方は家計に対しても応用が利く。家計をどう切り詰めていくか。そして数字に騙されない方法が述べられている。日頃なんとなく受け入れている数字にどれだけ騙されているのかと言うことがわかる。なかなか説得力があって面白かった。そのほかにも「連結経営」「在庫と資金繰り」「機会損失と決算書」「回転率」「キャッシュ・フロー」と言った内容が、客のいないフランス料理店、自然食品店などを例に解説されています。キャッシュ・フローなんて僕が初めて会計と言うものに触れたときにはなかったような気がします。(もう10数年前ですが)
 あと、決算書の数字をどう読み解いていくのか。これがむづかしい。損益計算書にしても、貸借対照表にしてもどうも数字の羅列にしかみえないものなあ。回転率などはそれを読み解く一つの指標ではあります。
 ただ、ちょっとドキッとした話も。機会損失の例で簿記検定のことがでてきたのだが、実は私も受けてみようかなあと思っていたのですが(しかも3級から)、それを見透かされていたような・・・。ちょっと痛いところ突かれた感じ。
 いまさら簿記なんてというのもなんですが、実は、私も10数年前に仕事上簿記を勉強していたのです。そのときは検定なんて受けずにそのままほっておいたのですが、最近になって、せっかく身に付けた技術ほっておくのももったいない気がして、とりあえず3級ぐらいからやってみんべと思っていたので所だったので・・・。ただ工業簿記があんまりわからないのでいきなり2級もきついのも事実ですが。
 しかし、簿記で面白いのは仕訳を一生懸命やって、「貸借対照表」「損益計算書」を作ってみるとあーら不思議手品みたいに利益やらなんやらが浮き出てくるんですよ。すごい。ゲーテがその昔「最高の芸術」と誉めてのもさもありなんというところです。
 世の中にはいろいろな数字が転がっています。その数字に騙されないためにもちょっとこういう会計のことがわかっているといいでしょうね。
 それから、公務員をしていて思うんですが、意外と職員は自治体の予算や決算の数字というのを知らないと思います。(かくゆう私も予算なんて全然気にして仕事したことがありません。年に1回でもそういう説明会をしたらとは思うのだけど。)自治体の数字の読み方なんて本書のような解説書があれば飛びつくんだけど誰か書いてくれませんかね。自治体の財政当局も会計的なことがわかっているとはとても思えないですけど・・・。
 
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