大阪の歴史 ~史跡めぐり~
岡本 良一著 岩波ジュニア新書
先日、子どもの習い事についていった時暇だったので近くにある「古本市場」にて見つけた本である。(なんとアイシールド21も12巻まで全部買っちゃった。)なんとなく面白そうだったので買った。そういえば京都の歴史と言う本は、結構ある。なんと言っても岩波新書ではそのものずばり「京都」(林屋辰三郎著)なんて本もある。逆に大阪の歴史って本はあんまり聞かない。文化不毛の大阪らしい状況ではある。本書も既に絶版になっている模様だ。
本書は、大坂が歴史の表舞台に出てきた石山本願寺の築造から始まる。いわば中世末期から近世、近代が中心になっている。だから当時大坂以上に栄えていたであろう堺などについては全く視野の外にある。京都の歴史が、京都市を中心としたものになるのと同様、大阪市街についての著述が中心になっている。
内容については下記のとおり。
1章 蓮如と石山本願寺
2章 城下町から町人のまちへ
3章 二つの大坂城
4章 水の都
5章 天下の台所
6章 花咲く元禄文化
7章 輩出する町人学者
8章 洗心洞と適塾
9章 大坂城炎上
10章 大坂から大阪へ
11章 発展と苦難と
終章 新時代の到来
こう大阪の歴史を通観してみると大阪の失ったものの多さがよくわかる。近代、東京に負けるなという意識のもと大きくのものを切り捨ててきたと言えるのではないだろうか。足元をじっくり見れば東京なんて足元にも及ばない伝統や文化が存在していたのに。この点は京都と比べれば違いがよくわかる。京都は、近代になって「第二の奈良になるな」をスローガンに自身の伝統文化を保守しながら、都市を発展させた。現在のある意味文化の中心に近い位置付けを保っている。大阪も京都同様そうなる素地はあったと思うが現在に至るまで文化不毛の地である。特に官学に対抗してた在野の学問が育つ余地があったような気がするのだが。
最近、どうもテレビで出てくる大阪像が違和感が多少ある。吉本的なものを否定する気はないのだが、あれがすべてではないと思う。どうもどぎつい、粗野なイメージが先走っているような。(ちなみに本書の中にはこういうどぎついイメージの大阪人は出てこないなあ。)
こういうちゃんとした大阪の紹介の本が、絶版になっている状況と言うのはどうにかできないのだろうか。地域限定で出版と言うのは出来ないものかなあ。例えばいくらか補助金を出すなどして出来ないものだろうか。そういえば母校ではとうに絶版になっている岩波新書の末川博の自伝を買えるぞ。あれはどういうことなんでしょう。
(参考)大阪城HP
http://www.tourism.city.osaka.jp/ja/castle/history/index.htm
※著者の岡本良一氏は長年大坂城天守閣で勤務されておられました。
岡本 良一著 岩波ジュニア新書
先日、子どもの習い事についていった時暇だったので近くにある「古本市場」にて見つけた本である。(なんとアイシールド21も12巻まで全部買っちゃった。)なんとなく面白そうだったので買った。そういえば京都の歴史と言う本は、結構ある。なんと言っても岩波新書ではそのものずばり「京都」(林屋辰三郎著)なんて本もある。逆に大阪の歴史って本はあんまり聞かない。文化不毛の大阪らしい状況ではある。本書も既に絶版になっている模様だ。
本書は、大坂が歴史の表舞台に出てきた石山本願寺の築造から始まる。いわば中世末期から近世、近代が中心になっている。だから当時大坂以上に栄えていたであろう堺などについては全く視野の外にある。京都の歴史が、京都市を中心としたものになるのと同様、大阪市街についての著述が中心になっている。
内容については下記のとおり。
1章 蓮如と石山本願寺
2章 城下町から町人のまちへ
3章 二つの大坂城
4章 水の都
5章 天下の台所
6章 花咲く元禄文化
7章 輩出する町人学者
8章 洗心洞と適塾
9章 大坂城炎上
10章 大坂から大阪へ
11章 発展と苦難と
終章 新時代の到来
こう大阪の歴史を通観してみると大阪の失ったものの多さがよくわかる。近代、東京に負けるなという意識のもと大きくのものを切り捨ててきたと言えるのではないだろうか。足元をじっくり見れば東京なんて足元にも及ばない伝統や文化が存在していたのに。この点は京都と比べれば違いがよくわかる。京都は、近代になって「第二の奈良になるな」をスローガンに自身の伝統文化を保守しながら、都市を発展させた。現在のある意味文化の中心に近い位置付けを保っている。大阪も京都同様そうなる素地はあったと思うが現在に至るまで文化不毛の地である。特に官学に対抗してた在野の学問が育つ余地があったような気がするのだが。
最近、どうもテレビで出てくる大阪像が違和感が多少ある。吉本的なものを否定する気はないのだが、あれがすべてではないと思う。どうもどぎつい、粗野なイメージが先走っているような。(ちなみに本書の中にはこういうどぎついイメージの大阪人は出てこないなあ。)
こういうちゃんとした大阪の紹介の本が、絶版になっている状況と言うのはどうにかできないのだろうか。地域限定で出版と言うのは出来ないものかなあ。例えばいくらか補助金を出すなどして出来ないものだろうか。そういえば母校ではとうに絶版になっている岩波新書の末川博の自伝を買えるぞ。あれはどういうことなんでしょう。
(参考)大阪城HP
http://www.tourism.city.osaka.jp/ja/castle/history/index.htm
※著者の岡本良一氏は長年大坂城天守閣で勤務されておられました。
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