マイナス・ゼロ
広瀬 正著 集英社文庫
昔、高校時代SF小説に熱狂していた時がある。マイナス・ゼロという作品も、そういった時にであった本の一つだ。
はじめ、「時間もの」と戦前が舞台になっているところが結びつかず、なんとなく胡散臭いもののように感じて、手が出しづらかった思い出がある。
実際に読んでみて、そういったイメージは間違いであった。そこからは、「鏡の国のアリス」、「ツィス」、「エロス」などをむさぼり読むようになる。
それから、久しくそういった世界とは無縁に過ごす事になり、広瀬正の本なぞも手に取ることはなかったのだが、何を思ったのかふと、手にとって見たくなり読み始めたところ、すっかりはまり、400ページにわたる大作なのだが、あっという間に読了することとなった。
時間も忘れて、本の読むことに熱中することはしばらくなかったのだが、あまりの面白さに寸暇も惜しんで読み終えてしまった。
聞くと、一時この本は絶版になっていて、読者の投票によって最近復刊したのだそうである。
作品は、戦前が舞台になっていて、非常にノスタルジーに満ちた世界を描いている。タイムマシンで過去に行き、そして、「時間もの」と呼ばれる作品には当然に出てくる過去に自分が介入することで未来はどうなるのかというパラドックスが描かれている。
しかし、アイデアも秀逸であるし、それだけではなく、自分の恋人も同じタイムマシンを使って過去へ行くそして最後は一緒になるんだなあ。見事な大団円。
僕の過去に遡ることができるならば、やり直したいことはいくつかある。
もし遡ったとしてどんなことができるのだろうか。
30年ほど前初めて読んだ時以上に、深い味わいがあった。同じ本でも、いくつかの齢を重ねることで、また違った読後感を得る事ができるのだなと思った。
懐かしい友達に久しぶりに出会ったような感慨を持った。
広瀬 正著 集英社文庫
昔、高校時代SF小説に熱狂していた時がある。マイナス・ゼロという作品も、そういった時にであった本の一つだ。
はじめ、「時間もの」と戦前が舞台になっているところが結びつかず、なんとなく胡散臭いもののように感じて、手が出しづらかった思い出がある。
実際に読んでみて、そういったイメージは間違いであった。そこからは、「鏡の国のアリス」、「ツィス」、「エロス」などをむさぼり読むようになる。
それから、久しくそういった世界とは無縁に過ごす事になり、広瀬正の本なぞも手に取ることはなかったのだが、何を思ったのかふと、手にとって見たくなり読み始めたところ、すっかりはまり、400ページにわたる大作なのだが、あっという間に読了することとなった。
時間も忘れて、本の読むことに熱中することはしばらくなかったのだが、あまりの面白さに寸暇も惜しんで読み終えてしまった。
聞くと、一時この本は絶版になっていて、読者の投票によって最近復刊したのだそうである。
作品は、戦前が舞台になっていて、非常にノスタルジーに満ちた世界を描いている。タイムマシンで過去に行き、そして、「時間もの」と呼ばれる作品には当然に出てくる過去に自分が介入することで未来はどうなるのかというパラドックスが描かれている。
しかし、アイデアも秀逸であるし、それだけではなく、自分の恋人も同じタイムマシンを使って過去へ行くそして最後は一緒になるんだなあ。見事な大団円。
僕の過去に遡ることができるならば、やり直したいことはいくつかある。
もし遡ったとしてどんなことができるのだろうか。
30年ほど前初めて読んだ時以上に、深い味わいがあった。同じ本でも、いくつかの齢を重ねることで、また違った読後感を得る事ができるのだなと思った。
懐かしい友達に久しぶりに出会ったような感慨を持った。
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