ヒカラビ一家の花日記

山の上に住む花農家から 魚沼発のあれこれを

シルバーウィーク

2009年09月22日 | ぼやき

シルバーウィークって気が付いたら今年から突然表れたような気がするけど、そう思いません?
敬老の日を中心にした連休なのでシルバーウィーク。
ネーミングはgooかな。

6月30日に露地作方の採花が始まって以来、出荷のない日が1日もありません。
ズーーーーーっと切れ間なしに継続出荷をしています。
それはそれでいいこととは思うのだが、、、さすがに疲れている。

出荷量は少し落ち着いたのだが、今度は晩秋や来年に備えての仕事が始まる。
10月半ば以降採花のハウスには雨よけのビニールを張ります。
夜露を避けるだけで花の遅れはだいぶ防げるのです。

我が家のもうひとつの主力品目である、芍薬も平行して掘ります。
以前に比べだいぶ減っているものの、世間では壊滅的に量の減っている品目だけに矢のような催促をされているのです。
割って出てきたくずを植えて2年、形や芽付きのまちまちな株を3~4芽、根も2本以上の株に割る作業は熟練を要し、今ではお年寄りの仕事になってしまっています。

実際には元でのあまりかからない品目だけに残るお金は切花より多いかもしれないが、秋の需要期にこれ専門で手をかけるには今の切花農家には手間隙かかる産物なのです。
つまり、宿根草花農家同様に高齢化が進んでいて、気が付けばある日突然無くなってしまう心配があるのです。

しかも今年は極端に出来が悪い。
夏までの長雨と日照不足は相当影響しているようです。

世間では稲刈りが盛んだが、みんなが口々に今年は不作だと嘆いている。

低温、長雨、不作。
これで思い出すのは平成5年の米騒動だ。
冷夏で、標高の高いところではほとんど稲に実が入らず、米不足となった。
タイ米が輸入されて大騒ぎとなった年があった。
翌6年は一転して100年に一度と言われる大干ばつとなった。

でも、その時の教訓は今の農政に生かされているだろうか?
政権が変わって農業政策も見直されようとしている。
今度の政府は直接払いを中心とした保護政策に変わるようで、補助金は大幅に見直しが図られるようだ。
農業補助金と聞くと、なんだか無駄遣いの温床のようなイメージができてしまって、誤解されている部分が多いように思う。
直接払いでは昔掛け金の80%をもらって解約した農業者年金のように、気が付いたらいつの間にか家計費に消えてしまうことになりはしないだろうか?

旧堀之内町は田んぼが少なく、高台の畑地帯に花産地ができた。
昭和40年代の県営事業で開墾された畑だ。
我が集落も50年代の基盤整備事業があったればこそ今の農業基盤がある。
平成6年の干ばつから計画を進め、この大地にも10年がかりで潅漑施設ができた。

町場を見れば相変わらず住宅の間を縫うように田んぼがあるし、畜糞の臭いが問題になるようなスーパーマーケットがあったりする。
どれも住宅のほうが後から出来た物ばかりだ。

今は食料自給率や農業そのものが重要視される機運が盛り上がってはいるが、農業者は高齢化が進み減るばかりなのだ。
実際には農政は農業を盛り上げてはいないように思う。
重要なのは農家が継続できること、後継者が出きるような経営基盤作りの応援をしてくれることなのだ。
中には企業が農業に乗り出すこともあるが、企業は採算が合わなければ撤退することも早い。
球根輸入の隔離権益が緩和されたときも多くの異業種が輸入に乗り出したが、今では老舗の種苗会社の一部と農家から育った種苗会社しか残ってはいない。

消費者から盛り上がりを見せているものに、農産物直売所がある。
いまや全国に1万5千もの直売所がおよそ1兆円ほどを売り上げているらしい。
小売業日本一のセブンイレブンが2兆7600億ほどだから大変な躍進と言える。
直売所を利用する消費者をひきつけているものは、鮮度、農家との親しみ、そして安心安全の意識等々。
でもその他多くの加工食品やその材料が輸入されていることも忘れてはいけない。

直売所に消費者をひきつけておくには、農家も直売所専門に納品する農家にならないと品揃えが安定しない。
後継者がいるような大型農家は市場流通が主力で、小売のパッキングは芍薬の株同様、手間隙かかって間食にあわないものだと思う。
つまり、いずれは転職農家や年配の人のポジションとなることが想像出来てしまうのだ。

日本の農業ってもっともっと先を見越した政策と消費者の理解が必要なことなのではないかね~と。

畑のマタタビがあまり豊作なのでつい当ても無いのにもいでしまった。
お酒にでもしましょうかね。


何年か前に菌庄を埋めておいた舞茸が出ていた。
今年はナメクジにやられないうちに採った。
気が付いたらいつの間にか無くなったなんてことにならないうちに。
コメント
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