王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

「男達の大和」を見た

2007-01-02 12:14:01 | 芸能
新春恒例 午後と夜 我が家はDVDで映画を楽しむ事にしています
今年の第一作は「男達の大和」です
映画が公開されてから僅か1年足らずでDVDを見られるようになりました

昭和20年4月7日沖縄に進攻する米軍を阻止する為の天一号作戦途中で大和は米軍の航空機延べ400機の攻撃にあい坊津沖で沈没しました

映画は大和に乗り組みの下士官と兵の連帯感、母子の愛情、夫婦の愛情、恋人同志の愛情を「特攻命令」という個人ではどうしようもない不条理で引き裂き無にする場面を重ねます そして戦い抜いた後「おめおめと」と非難されても「戦死者」に代わり生き抜いた「生きがい」を神尾(仲代達也)が上官内田の娘(鈴木杏香)に合う事で気が付いた事を語ります

映画の中でも簡単に触れていますが昭和19年秋トラック島陥落---大東亜絶対防衛圏なる虚構が米軍の軍事力により粉砕されると日本本土への米軍の空襲が本格化します
昭和20年に入り「昭和天皇より海軍に船は残って居らぬのか」とのご下問に恐れ入った海軍首脳部は「もはや米軍を阻止できる海軍力は御座いません」と奉送(ご返事を申し上げる)すべきを「残存する兵力を集め沖縄に於いて玉砕する」という自己都合の理屈を考えました
繰り返しますが海軍首脳が国(この時代では天皇)と国民の命を考えるなら
米軍の侵攻を止める力は無い」と陸軍と天皇に申し上げるべきであったのです
その事によって海軍首脳部には「腰抜け、軟弱者、臆病者」等あらゆる罵声が飛んだ事でしょう 場合によっては陸海軍の相克も有り得たかもしれません

しかし現実には一切の責任ある行動を取ることなく4月5日「一億総特攻の魁(さきがけ)となる」との美名の下に天一号作戦を発令「大和以下10隻の艦隊に沖縄への突入を命じます
約3700名の若い命は海軍首脳部の自己満足のためむなしく費えました

この後8月15日の終戦を迎えるまで本土だけでも広島長崎で30万人全国でほぼ同数ほどが空襲により命を落としたり大怪我をしています
講和の目処の立たない戦争はしてはいけないという歴史の教訓です


コメント (2)
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