【緊迫・南シナ海】裁定の意義は? 中国側の「完敗」、「歴史的権利」根底から否定
12日オランダ・ハーグの仲裁裁判所はフィリピンの中国に対する訴えで「九段線」の主張を退けるなど、事前の予想より中国に厳しい裁定になったようです。
これに対し中国外務省の報道担当官は最大級の不満と憤りを海外に向け示しています。
裁定は中国が繰り返してきた南沙、西沙諸島での埋め立てや軍事拠点化は違法と断じましたが、強制力がありませんから(当面)中国は居座りと施設の強化を図るでしょう。
チャイナマネーによる軍事膨張は当面止まらないでしょうが地域を自国の前庭扱いし他国の航空機や船舶の立ち入りを拒むことはやりにくくなったことでしょう。
具体的にはこの件について中国とアセアン諸国の関係が変わるでしょうし日本及び米国のかかわり方も新しい局面になります。
中国は国際海洋条約からの脱退も視野にあるようで、同様に条約締結国でない米国が口を出す問題でないと米国排除に出ています。これから長いこと掛けて中国の出方を見守らないといけません。


写真: 南シナ海 赤い舌(ネットより)
産経新聞:
南シナ海をめぐる仲裁裁定では、中国が南シナ海における資源保有権の根拠としてきた「九段線」の主張を退けるなど、「中国側の完全な敗北」(国際法学者)といった評価が聞かれた。裁定は、中国が排他的に資源や海上を管轄していたという「歴史的な証拠はない」と断定。中国が国際社会への説明で繰り返してきた「歴史的権利」を根底から否定した格好だ。
また、中国が埋め立て、滑走路を建設するなどして軍事拠点化を進めるスービ(中国名・渚碧)礁などは「低潮高地」とのフィリピンの主張が認められ、12カイリの領海も発生しない。この結果、人工島付近を航行する米軍の作戦が正当化されることになる。
裁定は、中国がフィリピン漁民に対し、スカボロー礁(同・黄岩島)付近で妨害を行ったと認定。この海域では伝統的な漁業権がフィリピン、中国、そのほかの国にもあるとして、平和的な管理に道を開いた。スプラトリー(南沙)諸島で中国が人工島建造のために行った埋め立てにより、サンゴ礁を破壊するなど生態系に損害を与えたとした。
また、中国が1995年にフィリピンの隙を突いて支配を始め、3千メートル級の滑走路を築いたミスチーフ(美済)礁も低潮高地で、中国による人工島化が紛争を悪化させたと非難した。(シンガポール 吉村英輝、ベルリン 宮下日出男)
(引用終わり)
12日オランダ・ハーグの仲裁裁判所はフィリピンの中国に対する訴えで「九段線」の主張を退けるなど、事前の予想より中国に厳しい裁定になったようです。
これに対し中国外務省の報道担当官は最大級の不満と憤りを海外に向け示しています。
裁定は中国が繰り返してきた南沙、西沙諸島での埋め立てや軍事拠点化は違法と断じましたが、強制力がありませんから(当面)中国は居座りと施設の強化を図るでしょう。
チャイナマネーによる軍事膨張は当面止まらないでしょうが地域を自国の前庭扱いし他国の航空機や船舶の立ち入りを拒むことはやりにくくなったことでしょう。
具体的にはこの件について中国とアセアン諸国の関係が変わるでしょうし日本及び米国のかかわり方も新しい局面になります。
中国は国際海洋条約からの脱退も視野にあるようで、同様に条約締結国でない米国が口を出す問題でないと米国排除に出ています。これから長いこと掛けて中国の出方を見守らないといけません。


写真: 南シナ海 赤い舌(ネットより)
産経新聞:
南シナ海をめぐる仲裁裁定では、中国が南シナ海における資源保有権の根拠としてきた「九段線」の主張を退けるなど、「中国側の完全な敗北」(国際法学者)といった評価が聞かれた。裁定は、中国が排他的に資源や海上を管轄していたという「歴史的な証拠はない」と断定。中国が国際社会への説明で繰り返してきた「歴史的権利」を根底から否定した格好だ。
また、中国が埋め立て、滑走路を建設するなどして軍事拠点化を進めるスービ(中国名・渚碧)礁などは「低潮高地」とのフィリピンの主張が認められ、12カイリの領海も発生しない。この結果、人工島付近を航行する米軍の作戦が正当化されることになる。
裁定は、中国がフィリピン漁民に対し、スカボロー礁(同・黄岩島)付近で妨害を行ったと認定。この海域では伝統的な漁業権がフィリピン、中国、そのほかの国にもあるとして、平和的な管理に道を開いた。スプラトリー(南沙)諸島で中国が人工島建造のために行った埋め立てにより、サンゴ礁を破壊するなど生態系に損害を与えたとした。
また、中国が1995年にフィリピンの隙を突いて支配を始め、3千メートル級の滑走路を築いたミスチーフ(美済)礁も低潮高地で、中国による人工島化が紛争を悪化させたと非難した。(シンガポール 吉村英輝、ベルリン 宮下日出男)
(引用終わり)