外は今、冷たい雨が降ってて
深夜には雪に変わるみたい
積もらなきゃ良いが
中学生の頃、イルカの‘なごり雪が,流行った
スマホもエアコンもまだ無い時代
若者はドテラを着て炬燵の中でラジオの深夜放送を聞いた
世の中が寝静まって、孤独と静寂が自分を包む、そしてただ、ラジオから歌が流れる
汽車を待つ、君の横でぇ~僕は、時計を気にしてる~
・・・
「東京で見る雪は、これが最後ね」
(東京ってどんな所なんやろう?)
田舎の若者はふと考える
たぶん、
女の子と二人で歩いても
後ろ指刺されんやろな?
とか
こんな僕でも、もの好きな女の一人や二人おって
付き合う娘ぐらい出来るんとちゃうかな
とか
ひょっとして原宿歩いてたら
芸能界にスカウトされるんとちゃうやろか?
そんなになったら堀越学園行かなあかんやん
とか
ディスコとか言う所行ったら
女の子、ひっかけ放題やろな
とか
赤ちょうちん、とか‘神田川,の世界は嫌やな
なんか貧乏臭うて
とか思っていたな・・・
もう仕事終うて
帰ろ
女房子供は芸能人のごとく毎年、海外へ行っている
「すごいな~」と言ったら
「自分で働いたお金で行っているんだから、文句無いでしょう」
・・と反論される
まあ子供たちが学生の間、女房が専業主婦の間は海外旅行なんて連れて行かなかった
しかし
僕の働いたお金は何?
実はもう僕の働きだけじゃ家族は養えない
家計がどうなってるか・・・?
なんて、怖くて聞けない
でも
別にええもん
ハワイも他所も海外なんて行きたくもないし
出来うるなら青森あたりに行って見たい
雪の津軽海峡を見ながら吉幾三の‘津軽平野,を歌うんじゃ!
津軽平野にぃ~♪雪降るぅ~頃はよぅう~~♪
おどう~ひとりでぇ~♪出稼ぎ支度ぅ~♪
ええなぁ~
昔、うちの常連さんで青森から出稼ぎに来ていたシゲさん
シゲさん、食いたいもんも食わず、飲みたいもんも飲まず
せっせと仕送りして青森に立派な家を建てた
何年かたってある日、街でシゲさんを見かけた
ホーム○スになってた
「どうしたんですか?」って聞いたら
「役に立たなくなったら女房に放り出された」って
青森の女の人はシビアやな
他人事じゃ無いけど・・
新潟にも行ってみたいな
雪の萬代橋を見ながら美川憲一の‘新潟ブルース,を歌うんじゃ!
思い出の夜はぁ~♪霧が深かった~♪
今日も霧が降る~♪萬代橋よ~♪
考えて見たら
わし、この歳になるのに何処も行った事無いやん
津軽海峡も日本海も見た事が無いし
地域密着型で社会人になって半径5キロ四方から動いて無いし
たまに行くのは日帰り旅か田舎の帰省か
なんだか仕事も生活環境も飽きて来たな
失踪でもするか!