最近、仕事も早仕舞いして一杯飲んだらする事も無いので早々と床に就く
やる気が出なくて寝る前に本を読んでも頭に入らない
日付がちょうど変わる頃、必ず目が覚めて朦朧とした頭に昔の記憶が蘇る
いつも同じ思いで、嫌な事ばかり
楽しかった記憶なんてちっとも思い出せない
うつらうつらして寝返りを繰り返していると
いつの間にかピーと警笛を鳴らして駅を通過する回送電車の音が聞こえる
車輪の音がゴトンゴトンゴトン・・・と段々と遠ざかって行く
ゴトンゴトンと現実の音は聞こえなくなり・・
昔々の記憶の中にゴトンゴトンゴトンと車輪の音が蘇って来た
漆黒の鉄橋をピーと警笛を鳴らしながら走り去る茶色い車体の阪急電車
古めかしくすきま風の吹き込む三畳間
裸電球に湿気った万年床
ラジオから流れる深夜放送
いつも風邪をひいていて
ゴホンゴホンと咳き込んでズズーと鼻水ばかり垂らしてた
膝を抱えて厚い布団に潜り込んで
明日の事なんか考えられなくて考えたく無くて
願わくは永遠にこのまま朝が来ない事を祈ってた