昔、徴兵制と言う強制的に兵隊を徴募する制度があり
好む好まないを問わず指名されれば軍隊に入らなくてはいけませんでした
この本はその頃に軍隊生活(兵営)を捉えた本です。
軍隊生活には不条理な事が多くて下級兵士にとって上官から受ける私的制裁は最も恐れられる行為でした
兵役に就いた初年兵は徹底的な軍隊生活を埋め込まれ強い兵隊に仕立てられます
整理整頓から挨拶、軍事教練、団体行動から上官への対応、全てが競争原理の上に行われます
競争原理の上に不条理な人間感情も大いに盛り込まされます
こんな事がまかり通るのか言う制度も行為もあって兵隊生活を苦しめます
員数を合わせると言う言葉があって国から支給された物、銃や銃剣の部品
また下着から帽子、脚絆に至るまで絶対に失ってはいけないのです
検査日に本当に支給された物の数は合っているか徹底的に調べられるのですが
数さへ合って入ればたとえその物が使用に耐えられないボロボロの物でも良いのです
ボロも無くて員数の揃わない支給したものを無くしてしまったとなると無くした兵隊には
私的制裁や降格など無理難題を吹きかけられます。
特に兵器類の類、銃の部品などを紛失した場合初年兵に至っては死をもって償ったと言う話は
よく戦記小説などで取り扱われています
しかし、要領の良い兵隊は他の兵隊から失った物を盗んで員数を合わせると言った行為に出ます
だから軍人の本分は勇猛果敢ですが生き残る最条件は要領なんですね