昔々のもう忘れてしまいそうな遠い昔、
あの時も将来の自分の姿が思い浮かばなかった
たぶん、とてつもなく漠然と暗い将来を思い描いていたように思う
暑い夏が終わってどこかに秋の気配が感じられるようになると
どこか切羽詰まった居たたまれないような精神状態に陥っていた
古い三畳一間のボロアパート
万年床の湿気た敷布団と薄い掛け布団
頭からかぶって膝を抱えると
金枠のガラス窓からスースーとふきよせるすきま風の音
カチカチカチと目覚まし時計の音
ピーと警笛を鳴らして鉄橋を渡る回送電車の音
なんだかとても怖くて心細くて
不甲斐無い自分にはがゆくて
両親には後ろめたくて
何だかごちゃまぜの気分だった
だけど
どこか心の隅で
誰にも束縛されない一人ぼっちの世界に浸っていると
(このままずっと朝が来なけりゃいいのに)
と思ってた
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