HIROZOU

おっさんの夜明け

外は雨

2018-09-26 17:55:06 | メモリー

昔々のもう忘れてしまいそうな遠い昔、

あの時も将来の自分の姿が思い浮かばなかった

たぶん、とてつもなく漠然と暗い将来を思い描いていたように思う

暑い夏が終わってどこかに秋の気配が感じられるようになると

どこか切羽詰まった居たたまれないような精神状態に陥っていた

古い三畳一間のボロアパート

万年床の湿気た敷布団と薄い掛け布団

頭からかぶって膝を抱えると

金枠のガラス窓からスースーとふきよせるすきま風の音

カチカチカチと目覚まし時計の音

ピーと警笛を鳴らして鉄橋を渡る回送電車の音

なんだかとても怖くて心細くて

不甲斐無い自分にはがゆくて

両親には後ろめたくて

何だかごちゃまぜの気分だった

だけど

どこか心の隅で

誰にも束縛されない一人ぼっちの世界に浸っていると

(このままずっと朝が来なけりゃいいのに)

と思ってた

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