20歳の時上京して渋谷の代官山に住んだ正確には鉢山町と言う所だけど
桜が丘の学校から徒歩5分くらいだった
夜の学校が終わるのが9時半でこの時間に一杯飲みたいと思っても
渋谷に戻るのもかったるいし、かと言って住まいの近所は高級住宅地でほとんど飲食店が無かったので
いつも桜が丘のコンビニで酒を買っていた
コンビニの向かいにロス疑惑の三浦さんの輸入雑貨の店フルハムロードがあって
三浦さんは見かけなかったけれど美人の奥さんはよく見かけた
どうしても居酒屋で飲みたくなった時は中目黒のガード下まで足を運んだ
アパートから旧山の手通り、通称大使館通り出て坂道をだらだらと下り
15分ぐらい歩くと東急中目黒駅に着く
その頃の駅は古めかしくてガード下に飲み屋街があった
高校の同級生たちがアパートに遊びに来ると渋谷じゃ無くてもっぱら中目黒のガード下で気勢を上げた
一番行った店は今でもある大樽と言う店
すごく立派な店なんだけど昔はたぶんガード下だったような気がする
つまみや酒が僕に合ってると思っていたらその時の大将が高知出身だった
ある日いつもの様にガード下に行くと新しい店が暖簾を出していて
見たら串カツの店だった
串カツと言うと大阪名物だけど僕は上京する前の年まで2年ほど住んでいたんだけど
串カツやには入ったことが無かった
串カツやって大阪にもそんなに無くて、だいたいが新世界とか難波周辺に偏っていた気がする
中目黒のガード下でその串カツ屋に初めて入った
僕に合っていた
アルミの器に盛られた新鮮なキャベツ食べ放題
エビにイカにささ身にハムに一本づつ揚げたてを食べる
自然、タダのキャベツに手を出す
二度漬け禁止のソースに浸して
もう終いにキャベツを食べに来たのか串カツを食べに来たのか分らんようになって
だから串カツ3本ぐらいに熱燗2杯ビール1本で2000円くらいだった
(店はこんな貧乏人ばかりだったから儲からなかっただろう)
毎晩の様に2000円持って店に通ったけれど
お客は増えない
こんなに美味いのに
あっ!思い出した
立ち飲みだった
常連客はカウンターに立ってつまみにただのキャベツばかりを食べていた
あっという間に店は閉じられた
貧乏人の客がタダのキャベツ目当てに串カツを注文しないで居座ったからだろうな
わしか
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます