7月に入るとけっこう各地で夏祭りが行われるね
アセチレンガスに燈された屋台、射的に輪投げ、型抜き・・
何だか郷愁を誘う
一時期のギャンブル依存体質はきっとあの頃に培われたんだな
もうずいぶん昔になるけど勤め人の頃
地元の夏祭りの晩、僕は救急病院で夜間の受付をしていた
夜間の受付は事務員だけじゃ無くて技師にも順番に当番が回ってきて
診療の段取りもするんだけど、酔っ払いや喧嘩のケガ人もいて結構大変だった
頻繁に警官なんかも呼んでた
その日僕は・・・
(世間は祭りで浮かれとるのにツイて無いな)
(これで一晩泊って4000円は割に合わんな)
その頃、事務の当直代が4000円だった
夜中の2時か3時頃だったか
リハビリの常連患者さんでや〇ざの親分のたけしさんが受付に半纏を着てやって来た
さっきまで神輿を担いでいた感じだ
親分と言っても組員数人の末端の親分さんで
その時、たけしさん少し顔色が悪くて怒ったような顔をしていた
「たけしさん、どうされました?」
僕は愛想良く尋ねた
「さっき指、詰めたんだ!」
と言って僕に詰めた人差し指を差し出した
たけしさんはすでに両手の小指は前に詰めていて無かったから
今回で3本目だ
宿直のDrに患者の症状を院内電話で知らせるんだけど
「指を詰めたそうですよ」
Dr「ええ!嫌だな~」
Drが処置室にやって来て
「繋ぎますか?」って言ったら
たけしさん
「ばかやろう!繋ぐわけ無ぇだろう!」
ちぎれた指を繋ぐとなったら大変な手術で時間もかかるんだけど
や〇ざ屋さんが刃物で切断した指の処置はそれほど手間がかからない
骨を削って切断面の上下を縫い付けるだけだから
その時の処置も5分ほどで終わったと思う
外科のDrは優しい先生だったけどテキパキして肝が据わっていた
処置が終わってたけしさんに
「この指どうしますか?」って
僕が指を差し出したら
「お前にやるよ!」
って言われた
(いらないよぅ~)
と僕はホルマリンの瓶にとれた指を入れて処置室にほっといた
もう、たけしさんも優しいDrも死んじゃっていない
遠い昔、夏祭りの日の思い出
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