梅雨である。
雨が最も似合うミュージシャン、と訊かれて、我が尊敬してやまない山下達郎と答える人はそんなにいないだろう。しかし夏よりも冬、晴れよりも雨が好きだという達郎の「雨の名曲」は多いのだ。
今日は特にネタもないので「アメタツ」すなわち達郎の「雨の名曲」を歴史順に10曲集めてみる。
①雨は手のひらにいっぱい (シュガー・ベイブ)
エコー・カスタネットなどフィル・スペクターのアプローチを用いた名曲。切ないが乾いた歌世界が実に達郎らしい。
②こぬか雨(シュガー・ベイブ)
レコードにはなっていなかったが、1994年の「Sings SUGAR BABE」で演奏されたテイクがCDになっている。
③アンブレラ
1977年のアルバム「SPACY」より。雷鳴のSEを用いた劇的な曲の展開と、エンディングのハーモニックスが印象的。
④雨の女王
1978年のライブアルバム「It's A Poppin' Time」より。達郎は昨年、この曲がやりたくて「マニアックツアー」を企画したのだそうな。
⑤2000トンの雨
1978年のアルバム「GO AHEAD!」より。大雨が降り、低い雲が垂れ込めて建造物にかかるたびにこの曲が頭をよぎる。
⑥Rainy Walk
1979年のアルバム「MOONGLOW」より。達郎のファルセットに、高橋幸宏の乾いたドラムが実に心地よい。
⑦Rainy Day
1980年のアルバム「RIDE ON TIME」より。故・佐藤博のピアノのフレーズのひらめきが素晴らしい。
⑧スプリンクラー
1983年のシングル。我々男にしてみれば情けない男女の終わりは、表参道の地下鉄の階段がモチーフらしい。
⑨土曜日の恋人
1985年のシングル。「ひょうきん族」のテ-マとしても有名だが、本人曰く「シュガー・ベイブへの完全なる回帰」。
⑩十字路
1986年のアルバム「POCKET MUSIC」より。生ギターが美しい、切ないハチロクのバラードである…