
来夏に迫った東京五輪が、大揺れに揺れている。
最も注目を集めるであろう男女マラソンと競歩が、酷暑を考慮して札幌開催になりそうなのである。
私は、ハナから真夏の五輪には反対であった。こんなクソ暑いなかで、各選手が最高のパフォーマンスを発揮出来るわけがない。
では甲子園の高校野球はどうなのだ?という議論もあるが、アレはそもそもが教育の一環であるという大義名分のため学校の夏休みにせねばならない事情がある。
たださすがに近年、あの甲子園でさえも真昼の試合を控えて朝夕に散らせだの、日程に余裕を持たせろだの意見が噴出するぐらいには昔と暑さが違うのだ。
そんな日本の暑さは今に始まった事ではないのに、暑さを理由に開催地を動かすぐらいならIOCは最初から東京を落せばよかったのである。
決まった以上は、選手は真夏の東京での本番を想定して練習する。現に先日のMGCでマラソンの代表が内定した男子の中村、服部、女子の前田らは驚きと憤りを隠せない。
さらに、かつては「公務員ランナー」として注目を集め、プロ転向後に先の灼熱のドーハで行われた世界陸上に出場した川内優輝は、五輪には出ないと公言しているにもかかわらず
「せめて春に(札幌開催と)決めてくれれば、今年の夏を有効に使えた。今仮に札幌開催に変われば、選手達は今年の夏が無駄になる」
と異論を唱えている。
その粘りの走りからファンの多い川内をもってしても惨敗に終わるほどに、ドーハのマラソンは厳しいものだった。川内は完走出来たからまだいい方で、暑さゆえ棄権者も続出していた。
IOCは棄権者が出る事を恐れ、「選手ファースト」として札幌開催を画策しているそうだが、果たしてこの時期の開催地変更が選手ファーストなのだろうか。
MGCが盛り上がったからといって日本の選手が即メダルにからめるとは考えにくいが、要するにコレは旧い話が1988年ソウル五輪で鈴木大地が長く潜水するバサロスタートの末に金メダルを獲得した直後に潜水距離を短く制限させられた時のような、一連の日本イジメではないのか。
また開催地変更となれば、コース設定はもちろん選手やスタッフの移動交通手段と宿の確保も困難を極め、混乱は必至だ。
今このタイミングでの札幌開催は「涼しい国の選手ファースト」にすぎず、日本の代表内定選手らの事は何も考えられていないと言える。
そんなIOCに対し、
「組織委員会が何か言って覆せるわけがない」
と及び腰の森喜朗は、どうしようもない。
日本は天皇を中心とする神の国ではなかったのか(笑)…?