第104回全国高校野球選手権は、宮城県代表の仙台育英が8-1で山口県代表の下関国際を下し、東北勢として初の優勝を収めた。
敗れはしたものの、下関国際は優勝候補と云われた大阪桐蔭や近江を破っての決勝進出だけに、その戦いぶりは見事であった。
どうか、胸を張って山口へ帰ってほしい。
全世界がcovid-19に苦しんで2年半、夏の甲子園も満足な形では出来なかった。
2020年は中止となり、春のセンバツ出場権のある学校のみによる「対抗試合」が無観客で行われた。それでも夏の甲子園で球児達の活躍を観られて、嬉しかった。
去年は無観客だったが、ブラスバンドを50人以内に絞るなどで最小限の応援は出来た。開会式での前年の朝ドラ「エール」出演者の山崎育三郎による「栄冠は君に輝く」独唱には涙した人も多かったのではなかろうか。
そして今年。
開幕直前に感染者を抱える学校が続出し、開会式での全員行進こそならなかったが、感染者を出した学校は対戦を遅らせるなど懸命な措置が取られ、観客席もフルキャパになり、従来の形が戻ってきた。
第7波は高止まりを続けており収束の気配が見えないが、完全な形の夏の甲子園を体感出来てなぜかcovid-19に打ち克ったかのような思いになった。
高校野球の魅力、甲子園の魅力は死ぬほど語り尽くされており敢えてここで触れる事もないが、毎年この季節は
「自分が遥か昔に失った何かを、球児達に死ぬほど浴びさせてもらえる期間」
だ。
優勝した1校以外は全て敗者には違いないが、それでも打ち込んだ3年間は球児にとって宝物になるはずだ。
日本に夏の甲子園があってよかった、と閉会式の場内一周を観ながら54歳のオッサンはジーンとするのである(笑)…