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大和文華館「聖域の美―中世寺社境内の風景」展へ

2019-10-27 16:23:00 | 大和文華館
明後日から七十二侯の次候「霎時施(こさめときどきふる)」に
被災地ではもう雨はいやなのに、このような天候の予報が・・・、
でも明後日29日からやっと晴れの日が続き、復興が進むでしょう。

先日、特別展「聖域の美―中世寺社境内の風景」展が11月17日まで
開催中の『大和文華館』に伺いました。
松尾芭蕉の言葉に「佳景寂寞として心澄みゆくのみおぼゆ」があり、
寺社の境内は、私も含め古い人間には幼いころは七五三などお参り、
祭りなどの遊び場に。成長すると聖域であり、心のよりどころにも。
そうした境内の様子が描かれた作品、北は会津から南は九州まで、
時空を超えた寺社巡りが出来ました。


作品は国宝1点、重要文化財9点、重要美術品1点を含む34件で、
四章から構成されている。

Ⅰ.【聖域の静謐と荘厳】、礼拝の対象から境内の様子へ

1.「女神像」平安・10-11世紀
2.「一字蓮台法華経」平安・12世紀後半、国宝
  仏教美術の法会の様子が大和絵にて表され、僧侶が九人で、中央
  の美男の僧横には、数珠を持った貴人と市女笠を被った女性が。


3.「笠置曼荼羅」鎌倉時代13世紀 重要文化財
  線刻で描かれた磨崖仏だが、13重の塔と共に1331年の後醍醐天皇の
  笠置の戦で焼かれてしまい、現在はほとんどわからない。
  舞台造りもあり、また女人が参拝する様子も描かれる。


4.柿本宮曼荼羅 鎌倉時代13世紀 重文
5.日吉曼荼羅  鎌倉時代14世紀 重文
8.山王宮曼荼羅 南北朝14世紀  重文 奈良国立博物館
   廻りを布で覆わず、筆で描いた書き表装に注目
・・・・・ここまでは礼拝の対象・・・・・

9.高野山水屏風 鎌倉~南北朝14世紀前半 重文 京都国立博物館
  中世の高野山の派閥争い(東寺派、高野山派と智山派)が屏風絵に
  反映され、四季が描かれる。
10.園城寺境内古図 14世紀前半 重文 園城寺
  後期は写しになります。
園城寺境内古図一部

12.出雲神社絵図 鎌倉時代13-14世紀 京都・出雲大神宮
出雲神社絵図一部

Ⅱ【物語をはぐくむ場所】縁起と境内
  神仏と寺社をめぐる物語に溢れた境内へ
13.玉垂宮縁起 伝民部法橋忍智 1370年 重文 福岡・玉垂宮
   書き表装(牡丹唐草)とへただけどリアルな描き方
玉垂宮縁起部分

14.伊勢曼荼羅 南北朝14世紀 奈良・正暦寺
伊勢曼荼羅部分

16.高野山曼荼羅 室町16世紀 東京芸術大学
   壇上伽藍が描かれ、9と16と32を比較すれば面白い
19.かるかや 室町・16世紀 サントリー美術館
   イメージとして描かれる。女人禁制
   卒塔婆が奥の院に、32では墓石が・・・

Ⅲ【境内の記憶と再興】
  荒廃からの復興を願って造られた絵図、人の温かい思いが伝わる
20.東山泉涌律寺図 室町・15世紀前半 京都・泉涌寺
21.慧日寺絵図 室町・15世紀前半 福島・慧日寺
  901年の建立されたが明治の廃仏毀釈で廃寺に
  現在この資料を基にして発掘され再興中と
慧日寺絵図部分

22.松尾神社絵図 室町前半・15-16世紀 京都・松尾大社
   日本昔話のような描き方
24.三上古跡図 室町時代16世紀半ば 滋賀・御上神社
   三上山の頂上を中心に描かれる
三上古跡図部分

25.報恩律寺七堂図 室町時代1568年 兵庫・報恩寺
   1502年に火災で焼失し、再興を願い書かれたもの。
   ポップな描き方で、本堂で祈りをささげる人が

Ⅳ【にぎわう境内】
  太平の世の寺社参詣はピクニック気分
26.釈迦堂春景図屏風 狩野松栄 室町・16世紀半ば 京都国立博物館
   女性の洗濯風景で絵に奥行と季節感が
27.洛中洛外図帖 狩野派 16世紀半ば 奈良県立美術館
28.洛外名所遊楽図屏風 狩野永徳 16世紀半ば 個人蔵
   人を重ね、人間関係が明瞭に描かれている
29.吉野花見図屏風 狩野派 桃山17世紀前半 重文 細見美術館
   秀吉の花見が描かれ、仮装した外人風の役の人も
32.高野山図屏風 江戸18世紀半ば 堺市博物館
   ガイドブック
33.浅草寺境内図屏風 蹄斎北馬 江戸19世紀前半 越葵文庫(福井)
   静かな隅田川を背景に、賑やかな歳の市、雷おこしも
浅草寺境内図屏風部分

34.野々宮図 富田渓仙 昭和20世紀前半
   生活に溶け込んでいます。

時空を超えた自社巡りが出来ますよ。

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