学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

真夜中の新幹線

2007-02-14 22:36:28 | Weblog
ふと、新幹線の窓に目をやると、
数本の水滴がゆっくりと時間をかけて
下の方へ落ちてゆく。
どうも外は雨が降っているらしい。

雨となると、普段は憂鬱な気分になるのだが、
これから雨の中を歩く用件も別段ないので、
私はまるで無関心だった。

新幹線の車内は随分空いていた。
私の目に見える範囲では、イヤホンを耳にして
目をつぶるサラリーマン、やはりスポーツ新聞を
読みながら美味そうにビールを飲むサラリーマン。
みんなスーツ姿のサラリーマンばかりである。
かく言う私もスーツ姿であるから、あまり人のことは言えない。

新幹線は郡山に到着する。
ホームごしに見える煌びやかなネオンが少しまぶしい。
電車を降りる乗客がほとんどで、これから乗車する人の姿はない。
発車時刻になり、新幹線が移動すると、
窓の光は闇へと変わり、ネオンに代わって私の疲れた顔が映った。
なぜ疲れているのかと申せば、私の目が両方とも二重になっている
からである。普段の私は一重二重で、疲れてくるとそれが変化する。
我ながら、まったくわかりやすい人間だ。

福島まで来ると、いよいよ仙台が近くなったと感じる。
私は詩集を読んでいたが、あまりの眠気に本を閉じた。
たまたま車内販売の女性がそばを通ったので、眠気覚ましの
コーヒーを注文した。値段は300円。いささか高い。
私は少しずつ、飲むことにした。
若干の苦味を感じながら。

そして仙台着である。
思ったほど寒くはない。
私の知らぬ間に、この街はどんどん変化を続ける。
私は、とっくの昔に追い抜かされてしまった。
仙台へ帰るたびに、時間の歯車に戸惑う自分が居た。


さて、小説仕立てのお話を作ってみました。
明日は研修で、夜に公演を見に行きます。
それではまた明日お会いしましょう!