学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

酒の芝居

2007-02-19 21:05:24 | Weblog
お酒は「百薬の長」とも申しますが、もっぱら、この言葉は
飲兵衛が飲酒を諌められたときに使う言い訳になっているようです。

私は飲酒をすると、多弁になって、少し?態度が大きくなります。
普段謙虚だから(よく言うわ!)飲み会の席くらい・・・と思うのですが、
後になって「こないだのお前はすごかったよ。」と同席した人に言われます。
すると私は「さっぱり覚えていないな。」と、とぼけます。
酒に責任をなすりつけて、私はわざと知らないふりをするのです。
我ながらずるい人間です(笑)

芥川龍之介の『ひょっとこ』もそんな男の話。
ほろ酔い気分の男が、屋形船でひょっとこを踊ります。
人々は橋の上から滑稽だといって笑っています。
しかし、この男、すぐに卒中で倒れてしまうのです。
男も私と同じように、酒宴での出来事を覚えているくせに
知らないふりをする人間でした。

とぼける手を使うのは、私だけではないのだな、と思った次第。

今日は春の陽気に誘われて・・・散歩にでも行けばよかったのですが、
家でのんびりと芥川を読んでいたのです。
明日も休日。
どこかの展覧会に行こうかな、と思っています。