学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

大地の芸術祭(JR下条駅周辺)

2015-08-10 21:35:00 | 展覧会感想
昼を越えて、新潟の日差しはますます強くなってくる。熱中症になるまいとドリンクをごくごく飲む。飲めば汗はだらだら流れる。水分が胃を通さずに、そのまま皮膚から流れ出ているような感覚でした。

キナーレから20分ほど車を北へ走らせて、JR下条駅周辺の作品を見てきました。

天野行雄さんの《物怪観光妻有之荘》。天野さんが地元妻有の方々に聞いた不思議な妖怪たちの話を作品にしたもの。私は水木しげるさんの絵が好きで、水木さんの絵を通して大体の妖怪を知っているつもりだったのですが、見たことのないような妖怪の姿もあって興味津々。

JR下条駅の前へたどり着くと、とんがった茅葺の屋根をした作品があります。みかんぐみ+神奈川大学曽我部研究室の《下条茅葺の塔》です。ここでは地元のボランティアのおじい様が作品の解説をして下さいました。

「大地の芸術祭」の嬉しいところは、こうした地元の方々と話をする機会が多いということ。色々な話を伺うことができます。

さて、ボランティアの方に、茅葺のなかは涼しいから中に入ってごらん、と言われ、半信半疑ながら中に入ると…涼しい!生き返るようでした。この作品は妻有の歴史をベースに制作されており、塔のなかの内側側面には様々な民具が展示されています。一見したところ、川で魚を取る道具が多かったように見受けられたのですが、妻有の人々の生活が伝わってくるようでした。


さて、次は少々山のほうへ歩を進めます。