(1)2015年4月から、健康マークが貼られた弁当ばかり店頭に並ぶことになるかもしれない。
厚生労働省「日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会」で、健康認証マーク制度の概要が決まった。
調理済みの食品(コンビニエンスストア・スーパーマーケット・宅配etc.)が対象。飲食店は今の段階では対象になっていない。
国が決めた基準を満足していれば健康マークを貼付してよい。
マークはこれから公募される。
認証ではあっても、自己認証だ。有機JASマークのように国や第三者機関が検査認証するわけではない。
来年までに発表される国の基準さえ守っていれば、製造業者や小売店が自分でマークを付けることができる。
(2)「健康な食事」の基準は何か。
「主食・主菜・副菜のそろう食事が整えられるよう、主食・主菜・副菜の料理ごとに、食材(食品)及び栄養素の特性を踏まえた基準を定める。その際、適正なエネルギー量で、食塩含有量をより少なくすることに配慮する。主食・主菜・副菜は、単品でも組み合わせでも認証できる」
<例>主食は「精製度の低い穀類を積極的に利用したもの」で、基準のイメージは「炭水化物○○~○○g、100kcal当たりの食物繊維○○g以上を満たす、精製度の低い米や麦等を用いた主食。単品の場合は、○○~○○kcalを超えないこと」になる。白米より玄米のほうが健康だ、ということになる。
同様に、主菜は「適切な蛋白質量」、副菜は「十分な野菜量」、さらに「適切なエネルギー量」や「食塩含有量」などの基準が作られる見込み。
(3)カロリーや塩分量が基準の決め手になるので、自分で分析しなくてはならない。
大手企業は問題ないが、中小企業はじ自社で栄養分析ができないので、外部に委託することになる。通常、1品で1万円くらいの費用がかかるので、中小業者は、売り上げが伸びる保証がない限り健康マークを張ることは難しい。大手企業有利の案だ。
健康マークを貼ればなんでも売れるという訳にはいくまいが、自己認証だけに偽装しやすい。
取り締まるは誰が、どのようにして行う制度か。
手を抜けば、偽装健康マークだらけになる。
(4)健康弁当と健康総菜を食べて、本当に健康になれるか。
添加物や発癌物質がいっぱい使用されていても、健康マークを貼ることができる。
地域産物を使うことが認証条件になっていないので、輸入品ばかりで作った弁当や総菜まで健康マークを貼ることができる。
国は、「大量生産、添加物いっぱいの出来合い食品で、十分健康になれる」と推奨することになる。
家庭料理や手作り料理より、コンビニやスーパーの弁当や総菜のほうを買え、と言っている。
(5)これが、本当に健康づくりなのか。
市販されている加工食品で健康になれるということ自体、無理がある。
本来、できるだけ生鮮食品を買ってきて、家で料理するこよを国は推奨すべきだ。
□垣田達哉「来年から始まるお弁当の健康認証マーク コンビニ弁当も“健康”ですか」(「週刊金曜日」2014年6月6日号)
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