語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【心理】アイデアの見つけ方 ~アニメの現場で~

2014年06月14日 | 心理
 ジブリに来るようになって、鈴木さん【注1】と話しながら、ずっと考えるようになったテーマがあります。コンテンツとはなにか、創作とはどういう魔法なのか、ということです。
 ひとつ考えていることは、どんな種類のコンテンツであれ、モノづくりのやりかたはさほど変わらなくて、結局は過去のコンテンツに影響を受けて創っているということです。
 そして一流のクリエーターが独創的なコンテンツを生み出すときというのは、自分の創っているコンテンツとは別のジャンルからアイデアを持ってくることが多いのです。同じジャンルの中で真似をしつづけていると、どうしてもある枠の中で収まってしまいます。そういうのを鈴木さんは「そんなのつまんない」というのです。
 吉川さん【注2】も、新しいテレビ番組を過去のテレビ番組だけを参考にして作っていては駄目だといっていて、同じことですね。
 もうひとつ考えていることは過去のコンテンツに影響を受けるということを理屈で計算している部分と感覚で無意識にやっている部分があって、その割合はクリエイターによってさまざまなのです。

 【注1】鈴木敏夫(ジブリのプロデューサー)
 【注2】吉川圭三(日本テレビ制作局専門局長)

□川上量生「アイデアの見つけ方って? ~ジブリ見習い日記 ときどきニコ動 連載77~」(「週刊文春」2014年6月12日号)から引用
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    クレマチス(楊貴妃)
   

【詩歌】「反射」 ~大震災を経験した詩人の詩~ 

2014年06月14日 | 詩歌
 毛布はあたゝかい
 そんなことはない
 あたゝかいのは
 あなたです

 ダイヤモンドは
 光るのではない
 光を反射するだけだ  

 あたゝかいのは
 あなたのいのち
 あなたのこゝろ 

 冷たい石も 
 冷たい人も
 あなたが
 あたゝかくするのだ

□杉山平一「反射」(『希望』、編集工房ノア、2011)

 ※杉山平一・・・・1914年11月2日会津若松市生まれ、翌年神戸市へ異動。神戸・大阪育ち。旧制松江高校にて花森安治や田所太郎と出会い、文芸に親しむ。東京帝国大学美学美術史学科卒。在学中に詩誌「四季」同人。後に同人誌「貨物列車」のほか、「海風」「大阪文學」に参加。詩集『夜学生』(文芸汎論詩集賞、1943年)、『戦後関西詩壇回想』(小野十三郎賞特別賞、2003年)、詩集『希望』(第30回現代詩人賞、2012年)ほか、著書多数。第2回中原中也賞、大阪府知事賞、大阪芸術賞、兵庫県文化賞など受賞多数。現代詩人会会長などを歴任。帝塚山学院大学名誉教授。2012年5月19日没。
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