(1)医学によって人間の寿命を延ばすことはもう限界に近づいている。需要の「量」より「質」に関心が集まりだした。2000年以降、多くの先進国で「健康寿命」を延ばすことが政策課題となった。
健康寿命とは、健康な状態で生活ができる生存期間のことだ。厚労省の定義によれば、「日常生活に制限のない期間」だ。ちなみに、平均寿命から健康寿命の期間を引けば、「不健康な期間」となる。
この10年間、平均寿命は延びているが、同時に「不健康な期間」も延びている。2010年の調査では、男性で9年、女性で13年も不健康な期間がある。
都道府県別健康寿命データを参考に、健康寿命を延ばすために必要なものを挙げると次のとおり。
(2)緑茶をたくさん飲む。
たくさん飲む人ほど要介護リスクが下がる。
緑茶は動脈硬化や肺炎を予防する。殺菌効果もあるので、歯周病の予防にもなる。お茶をたくさん飲む人には、抑鬱状態の人が少ない。動脈硬化は心筋梗塞の原因になるし、肺炎や歯周病、鬱病も要介護の原因になる。病気を予防してくれるので、緑茶を飲めば要介護リスクが下がる。
(3)意外にも肥満率は関係ない。
しかし、女性は野菜を多く摂取すると、健康寿命が延びる。
野菜には特にカリウムが多く含まれている。カリウムは、ナトリウムを腎臓から漉して外に出す作業を助けてくれる。そうやってナトリウムを外に出すと、血圧が上がりにくくなる。だから、野菜に含まれるカリウムは血圧を下げる効果がある。また、例えばジャガイモなどはビタミンCが豊富で、動脈硬化を抑えてくれて、脳卒中の予防に効果がある。また、緑黄色の野菜は、癌予防に効くのではないかと言われている。葉酸(ビタミンB)がほうれん草、枝豆、ブロッコリーに含まれていて、大腸癌を予防すると言われている。
(4)もっとも大事なのは生活環境と生活習慣だ。
人間は水と空気と食べ物を体に毎日入れるのだから、この3つは健康にとって最も重要だ。都会では、その安全性が十分に担保しきれていない。
ただし、生活環境は個人では対応できない問題だが、生活習慣はいくらでも変えられる。
(5)サラダをいつもより1日1皿多く食べるとよい。
1991年から米国は野菜を350g食べる取り組みを始めた。1皿70g、5皿350g。米国はそうやって大腸癌を減らした。
日本人の直近の野菜摂取量は289g。350gを目標に据えると、あと61g足りない。1皿多く食べるとよい。
(6)長野県では100歳を超えて元気な人は、病院に行かない人がほとんどだ。長野県は予防医学のインフラが整っている。市町村ごとに保健補導員がいて、食事指導をしている。
長野については、よく「減塩したから長寿になった」と言われているが、塩にも2種類ある。岩塩や海塩など自然塩には、塩の主成分である塩化ナトリウム以外にも、マグネシウムやカルシウムなど健康によいミネラル成分が豊富に含まれている。しかし、精製された食塩にはミネラル成分が取り除かれ、塩化ナトリウムしか残らない。自然塩は健康によい。実際、長野県の食塩消費量はいまだ上位だ。
(7)湖で採ったアサリやシジミは、スーパーで売っているそれより味が濃い。
豊かな食生活が重要だ。
(8)ボランティアやNPO活動などの社会活動や地域活動に参加している男性は、介護リスクが小さい。
女性はあまり関係ないが、男性の場合、地域との関わりで差が出てくる。
(9)就業率の高い地域は、生活が豊かで、健康寿命も長い。
□記事「「健康寿命」を延ばす方法 20都市最新ランキングに学ぶ」(「週刊文春」2014年6月12日号)
↓クリック、プリーズ。↓

健康寿命とは、健康な状態で生活ができる生存期間のことだ。厚労省の定義によれば、「日常生活に制限のない期間」だ。ちなみに、平均寿命から健康寿命の期間を引けば、「不健康な期間」となる。
この10年間、平均寿命は延びているが、同時に「不健康な期間」も延びている。2010年の調査では、男性で9年、女性で13年も不健康な期間がある。
都道府県別健康寿命データを参考に、健康寿命を延ばすために必要なものを挙げると次のとおり。
(2)緑茶をたくさん飲む。
たくさん飲む人ほど要介護リスクが下がる。
緑茶は動脈硬化や肺炎を予防する。殺菌効果もあるので、歯周病の予防にもなる。お茶をたくさん飲む人には、抑鬱状態の人が少ない。動脈硬化は心筋梗塞の原因になるし、肺炎や歯周病、鬱病も要介護の原因になる。病気を予防してくれるので、緑茶を飲めば要介護リスクが下がる。
(3)意外にも肥満率は関係ない。
しかし、女性は野菜を多く摂取すると、健康寿命が延びる。
野菜には特にカリウムが多く含まれている。カリウムは、ナトリウムを腎臓から漉して外に出す作業を助けてくれる。そうやってナトリウムを外に出すと、血圧が上がりにくくなる。だから、野菜に含まれるカリウムは血圧を下げる効果がある。また、例えばジャガイモなどはビタミンCが豊富で、動脈硬化を抑えてくれて、脳卒中の予防に効果がある。また、緑黄色の野菜は、癌予防に効くのではないかと言われている。葉酸(ビタミンB)がほうれん草、枝豆、ブロッコリーに含まれていて、大腸癌を予防すると言われている。
(4)もっとも大事なのは生活環境と生活習慣だ。
人間は水と空気と食べ物を体に毎日入れるのだから、この3つは健康にとって最も重要だ。都会では、その安全性が十分に担保しきれていない。
ただし、生活環境は個人では対応できない問題だが、生活習慣はいくらでも変えられる。
(5)サラダをいつもより1日1皿多く食べるとよい。
1991年から米国は野菜を350g食べる取り組みを始めた。1皿70g、5皿350g。米国はそうやって大腸癌を減らした。
日本人の直近の野菜摂取量は289g。350gを目標に据えると、あと61g足りない。1皿多く食べるとよい。
(6)長野県では100歳を超えて元気な人は、病院に行かない人がほとんどだ。長野県は予防医学のインフラが整っている。市町村ごとに保健補導員がいて、食事指導をしている。
長野については、よく「減塩したから長寿になった」と言われているが、塩にも2種類ある。岩塩や海塩など自然塩には、塩の主成分である塩化ナトリウム以外にも、マグネシウムやカルシウムなど健康によいミネラル成分が豊富に含まれている。しかし、精製された食塩にはミネラル成分が取り除かれ、塩化ナトリウムしか残らない。自然塩は健康によい。実際、長野県の食塩消費量はいまだ上位だ。
(7)湖で採ったアサリやシジミは、スーパーで売っているそれより味が濃い。
豊かな食生活が重要だ。
(8)ボランティアやNPO活動などの社会活動や地域活動に参加している男性は、介護リスクが小さい。
女性はあまり関係ないが、男性の場合、地域との関わりで差が出てくる。
(9)就業率の高い地域は、生活が豊かで、健康寿命も長い。
□記事「「健康寿命」を延ばす方法 20都市最新ランキングに学ぶ」(「週刊文春」2014年6月12日号)
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