語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】トマトをちょい足し

2017年06月10日 | 医療・保健・福祉・介護
 旬を迎えたトマトがおいしい。冷やしトマトを生でかじるのも初夏の味覚だが、カジキやサケなどの魚にスライスしたトマトをのせて、ホイル焼きにしてもおいしい。
 トマトのビタミンCは熱に強く、煮たり焼いたりしても栄養価は損なわれない。さらに、動物性タンパク質やカルシウム、鉄などの吸収率を高めてくれる。また、うま味成分のグルタミン酸やアスパラギン酸が含まれているので、魚のうま味を引き出してくれる。しょうゆをかけなくても味が付き、減塩メニューとしてもお勧めだ。
 トマトの赤い色素成分「リコピン」は抗酸化作用が強く、ビタミンEの100倍以上になるという。食品会社と大学の共同研究で、動脈硬化や糖尿病の予防や改善、また、肝臓がん、大腸がんの発症率を下げるなどの効果が出ている。
 旬以外の時期の場合、缶詰などの水煮トマトを使うのもいい。トマトの水煮は旬の時期に露地栽培の完熟トマトを大量に収穫し、加工されることが多い。生のトマトよりかさが減って大量に食べれられて、リコピンも効率的に取れるだろう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「トマトをちょい足し ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年6月9日)を引用
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【加計学園疑惑】獣医学部新設では日本会議人脈、系列中学校では右派系教科書使用

2017年06月10日 | 社会
 (1)現在、加計学園が経営する大学は、岡山理科大学、倉敷芸術科学大学、千葉科学大学の3大学。地方私大の生き残り競争が激しくなる中、3大学は教育力で健闘している。
 岡山理科大の卒業生は中学校の教員が多く、全国の大学で7位となる75人が採用されている。千葉科学大学は2004年の新設ながら、消防官の採用に強く、全国15位の21人(いずれも2016年、大学通信調べ)。倉敷芸術科学大学は、2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木章・北海道大学名誉教授が教授をしていたことで話題になった。【小林哲夫・教育ジャーナリスト】

 (2)だが、厳しい現実もある。
 千葉科学大学では、2016年度の収容定員2,386人に対し、在学者数は1,956人。定員充足率は82%にとどまっている。2010年には、パイロット養成コースを含む航空・輸送安全学科を新設、2016年には自衛官・安全保障コースを設けた。個性的なカリキュラムを次々と増やす一方、2015年には薬学部動物生命薬科学科を廃止するなど、試行錯誤を繰りかえしている。
 とにかく生徒集めが大変で、中国の内モンゴル自治区まで勧誘に行ったことがある。【同大の元教員】

 (3)大学を誘致した千葉県銚子市の懐事情も苦しい。大学建設時に加計学園に出した補助金は借金でまかなわれ、返済額は利子を含めて84億円。2014年度末でも44億円が負債として残っている。

 (4)大学誘致に熱心な首長に補助金などでバックアップしてもらい、学校事業を拡大してきた加計学園。
 愛媛県今治市は、学校用地として37億円の土地を無償譲渡。校舎建設費の総額192億円のうち、補助金として上限64億円を支払うことも決めたが、経緯は不透明だ。
 市の担当者は、建設費の総額192億円は、加計学園から「図面と金額だけ示されたもの」と言う。積算の根拠となった書類もない。【地元関係者】

 (5)国家戦略特区で獣医学部の新設が認められる過程で、今治市側で重要な役割を担ったのが、菅良二・今治市長と加戸守行・前愛媛県知事だ。会議でも繰り返し獣医学部新設の必要性を訴えた。
 加戸氏は、政府の「教育再生実行会議」の有識者メンバーでもある。前川喜平・前文科相事務次官は、TBSの番組で、加戸氏が有識者に選ばれたのは「総理から直々にご指名があった」と証言している。加戸氏は、教育再生実行会議でも、獣医学部新設を売り込み、「何とか四国の空白地帯に獣医師養成大学を誘致したい」とゴリ押ししていた(2013年10月)。 

 (6)安倍首相、菅市長、加戸氏には別の共通点もある。右派団体「日本会議」の活動に参加しているのだ。
 加戸氏は「美しい日本の憲法をつくる愛媛県民の会」の実行委員長でもあり、安倍政権下における憲法改正も訴えている。

 (7)加計学園系列の岡山理科大学附属中学では、歴史と公民で育鵬社の教科書を使用している。同社の教科書製作には、「新しい歴史教科書をつくる会」の元メンバーが関わり、右派系団体が全国で採択を後押ししている。
 最近の報道で加計孝太郎・理事長が安倍首相と古くからの友人だと知り、納得できた。【岡山県内の中学校教師】

 (8)獣医学部新設に反対する今治市民は、一部の“お友達”だけで進められる計画に危機感を抱いている。
 獣医学部の定員は160人で、他大学の平均の約3倍。就職先が確保できなければ、受験生が減り、大学経営が難しくなる。

 (9)報道によれば、学部設置の可否を審査している文科省の大学設置・学校法人審議会は、教員に若手と65歳以上の教授が多いことなどを問題点として指摘している、という。
 官邸が2018年4月の開設を文科省にせっついた、というが、雲行きが怪しくなっている。
 今治市の負債はすでに900億円以上。このままでは「第二の夕張」になりかねず、市民は置き去りにされている。【今治市民】

□西岡千史(本誌)「獣医学部新設では日本会議人脈 系列中学校では右派系教科書使用 ~加計学園“商法”大研究」(「週刊朝日」2017年6月16日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【加計学園疑惑】安倍官邸に巣くう加計学園人脈 ~忖度や謀略の裏で“お友達”優遇~
【加計学園疑惑】安倍首相答弁にウソ ~獣医師会が反論~
【加計学園疑惑】プロセスの再考と公正を迫る前川前次官証言
【加計学園疑惑】前川前次官の告発が見事にあぶり出した「メディアの真贋」
【加計学園疑惑】説明責任は首相にある ~朝日紙社説・抄~
【加計学園疑惑】獣医学部新設に日本獣医師会が「反対」する理由
【加計学園疑惑】愛媛県・今治市も「共犯」か ~地元の発言・文書も示す加計学園「総理のご意向」~
【神保太郎】首相の妻(安倍昭恵)、日本の公教育を否定
【後藤謙次】【加計学園疑惑】沈黙していた政官双方から異論 ~加計学園問題が招く想定外反応~
【加計学園疑惑】と官邸 ~「総理の意向」隠蔽か~
【加計学園疑惑】「忖度」ではなく首相の直接指示か ~首相主導の“官製談合”~
【後藤謙次】共謀罪に加計学園問題まで炎上 ~予想以上に高い「6月の壁」~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【南雲つぐみ】「落ちる」事故に注意 ~法の不備~

2017年06月10日 | 医療・保健・福祉・介護
 東京消防庁の緊急搬送データでは、乳幼児の事故で「落ちる」ことによるものは、「転ぶ」に次いで2番目に多い。階段やベッドなどからの転落も含め、2015年中に都内だけで1万6,326人が救急搬送されたという。中でも重症化するのは、高層階のベランダや通路からの転落事故だ。
 公益社団法人日本技術士会登録「子どもの安全研究グループ」の情報によれば、ベランダの手すりの高さは建築基準法により1.1メートル以上と定められているが、これは1950(昭和25)年に制定されたものだ。当時、まだ高層住宅は珍しく、ベランダからの転落事故による死亡は想定されていなかった。しかし現在まで改正されていないという。
 一方、1950~2000年までの50年間で、6歳児の平均身長は男女とも8センチメートルほど伸びている(政府統計「特定年齢、男女別身長」)。立つのも歩くのも、今の子どもは早い。重大な事故が起こる可能性は昔より高くなっているといえる。ベランダには鍵をかけ、踏み台になりそうなものを置かないという対策を必ず行ってほしい。

□南雲つぐみ(医学ライター)「「落ちる」事故に注意 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年6月6日)を引用
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする