語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【保健】【旅】長時間フライトでの快眠法 ~世界を飛び回るCAが伝授~

2017年06月27日 | □旅
 (1)華やかに見えるキャビンアテンダント(CA)だが、深夜勤務や海外との時差などが日常的で、実はハードな職業だ。そんなハードワークをCAはどうやって乗り切っているのか。
 フライトによって異なるが、長時間飛行の場合、CAも休みをとって機内で仮眠をとる。
 〈例〉成田~ニューヨーク便の勤務スケジュール。
 ■出発前日
  21:00 早めに就寝
 ■出発当日
  16:20 搭乗開始
  16:50 成田空港出発
        お客さまサービス開始(約3時間)
  19:50 機内販売、化粧室清掃など(約1時間)
  20:50 交代で食事(約1時間)
  21:50 2班に分かれて交代で休憩(各人約2時間)
        お客さまへの軽食サービス
  02:50 到着前の最後のお客さまサービス(約2.5時間)
  05:35(米国東部時間16:35) 到着
 ■到着後
  23:00 夜になってから就寝
 ■到着翌日
  08:00 起床&朝日を浴びる
  終日   街歩き&CA仲間と食事

 (2)離陸後の約4時間は、乗客への食事サービスや機内販売、化粧室の清掃などを行う。次の約6時間は、乗客が眠る時間帯に入るので、CAも交代で食事や休憩をとる。最後の約2.5時間は、再び乗客にサービスを提供する。
 休憩は2交代制で約2時間。実は、機内にはクルーレストと呼ばれる秘密の部屋がある(保安上の理由で非公開)。一人ずつのスペースに区切られ、フルフラットの状態で仮眠をとることができる。
 ぐっすり眠れるが、すぐに寝付けないこともある。そんなときも「眠れないことを気にしないことが大事」だ。
 ただ、限られた時間でぐっすり眠るための工夫は欠かさない。機内は冷えるので、海外で購入したベビー用の湯たんぽをおなかに乗せ、体を温めるとよく眠れる。ほかにも、好きなアロマをかけたマスクを着けたり、カフェインレスの温かい飲み物を飲んだりしてリラックスする。仕事と休憩のメリハリをつけることで、長時間勤務でも集中力を維持するのだ。
 現地時間の夕方に到着後は、疲れていても夜まで眠らないよう気を付ける。現地では、向こうの時間に合わせて生活し、街に出たり、同僚と食事したり、アクティブに活動してメリハリをつけるのが時差ボケ解消の秘訣だ。

 (3)CAが見る「できるビジネスパーソン」の時差ボケ解消法は、
 「慣れたお客さまは、乗った瞬間から到着地の時間で動き、そのときに現地が夜なら、耳栓とアイマスクを着けてすぐ眠っていますね」

□コラム「世界を飛び回るCAが伝授 長時間フライトでの快眠法」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月1日号)
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 ★ファシーというブランドの湯たんぽはベビー用品なので機内に持ち込むにもサイズがちょうどよい。
 
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【佐藤優】痛みを無視しない、前大戦で「前線」と「銃後」の区別がなくなった、情報を扱う仕事の最大の武器

2017年06月27日 | ●佐藤優
 ①伊藤誠二『痛覚の不思議 脳で感知する痛みのメカニズム』(講談社ブルーバックス 920円)
 ②イアン・カーショー『地獄の淵から ヨーロッパ史1914-1949年』(白水社 6,200円)
 ③滝鼻卓雄『記者と権力』(早川書房 1,500円)

 (1)①によって、「痛み」という現象の意味がよく分かる。
 <ヒトの場合はどうなのでしょう。痛みはどのような行動が自分に利益をもたらすのか、避けるべきなのかを判断する信号となります。痛みに関する学習とその罰は行動の意思決定に重要な影響を及ぼします。避けられない多くの痛みを伴う出来事のため、適応できない体験やストレスが慢性痛の引き金となり、維持されるのに重要な要因となります>
 痛みがあってもギリギリまで我慢するのは、避けるべき行動についての脳からのシグナルを無視することになる。痛みを余り我慢しないほうがいい。

 (2)②は、現代史研究の第一人者、カーショーの手になるヨーロッパ200年史の第3巻だ。第2次世界大戦で総力戦が確立し、「前線」と「銃後」の区別がなくなった、という指摘が重要だ。
 <第二次世界大戦における前線と銃後の隔たりは、それに先立つどの戦争の場合より小さかった。多くの場合、隔たりはまったくなかった。両戦線は多かれ少なかれ融合していたのである。東欧各地では、ヒトラーとスターリンの軍が暴れ狂いながら前進と後退を繰り返し、そしてパルチザン活動が広がって、前線と銃後の個別の意味をほぼすべて消し去ってしまった。他のヨーロッパ各地では、違いはもっとはっきりしていた。すべての交戦国の国民は、多くは占領ドイツ軍の長靴の下で、さまざまな形で生き地獄に耐えたのである>
 21世紀の対テロ戦争も、その本質において第2次世界大戦と同じ総力戦なのである。

 (3)③は、元読売新聞東京本社社長による自伝的なメディア論だ。東京大学紛争の際のエピソードで、次の話が面白い。
 <もちろん身分と名前を名乗り、深夜(記者の常識ではそれほど深夜ではないが)の訪問を詫びた。用件についても、あいまいなことは言わず、はっきりと紛争のことで来たと伝えた。「先生の専門分野について聞きたい」などと、訪問の本当の目的をぼやかすような、一種の“詐術”は、一切行使しなかった。この入り口づくりは、私の流儀だった。たまには回り道をとって取材の真の目的に迫ることもあったが、結局のところ、回り道でいくと、ソースとの信頼関係は次第に薄れてしまう>
 面倒な取材をするときに記者は、「詐術」を用いることがあるが、それでは情報源との信頼関係を構築することができない。その結果、重要な情報を取り逃がしてしまうのだ。情報を扱う仕事においては、正直が最大の武器だ。

□佐藤優「情報を扱う仕事の最大の武器 ~知を磨く読書 第204回~」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月1日号)
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 【参考】



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【佐藤優】2000年の時を経て今なお変わらないインテリジェンスの「真髄」 ~孫子~
【佐藤優】財政から読みとく日本社会、ラジオの魅力、高校レベルの基礎の大切さ
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【佐藤優】人間にとって「影」とは何か ~シャミッソー『影をなくした男』~
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【佐藤優】学習効果が上がる「入門書」、応用地政学で見る日本、権力による輿論のコントロールを脱構築
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【佐藤優】ヨーロッパ宗教改革の本質、相手にわかるように説明するトレーニング、ロシア・エリートの欧米観
【佐藤優】なぜ神父は独身で牧師は結婚できるのか? 500周年の「革命」を知る ~マルティン・ルター『キリスト者の自由』~
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