語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【食】タール色素使用の漬け物を食べるのはやめよう

2017年06月26日 | 医療・保健・福祉・介護
  《甲》東海漬物「キューちゃん 特級福神漬」・・・・タール色素の赤色106号、黄色4号、黄色5号が添加されている。さらに、合成甘味料のアセスルファムK(動物実験で肝臓に対するダメージや免疫力低下が示唆されている)とスクラロース(有機塩素化合物の一種で動物実験で免疫力低下が示唆されている)も添加されている。
  《乙》イオン「トップバリュ 福神漬」・・・・タール色素の赤色102号、赤色106号が添加されている。
  《丙》伊藤漬物工業「千切しょうが」・・・・タール色素の赤色102号が添加されている。さらに合成保存料のソルビン酸K(動物の細胞の染色体を切断したり細菌の遺伝子の修復を妨げる作用があり、これらの作用を変異原性といい、変異原性と発癌性とは密接な関係がある)が添加されている。
  《丁》・・・・タール色素の黄色4号が添加されている。さらに合成保存料のソルビン酸Kが添加されている。

 (1)市販の福神漬け、紅生姜、たくあんなどの漬物には、以前から大きな問題があった。それは、鮮やかな赤や黄色などに着色するため、多くの製品に合成着色料のタール色素が添加されていることだ。
 タール色素は、19世紀中頃にドイツで開発された。コールタール由来の原料から作られていたため、この名前が付けられた。しかし、その後コールタールに発癌性のあることがわかったため、現在は石油製品から作られている。

 (2)タール色素は、自然界にまったく存在しない化学合成物質だ。現在、食品添加物として認められているのは、12品目だ(赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、緑色3号)。しかし、いずれもその化学構造や動物実験の結果から発癌性の疑いが持たれている。
 とくに赤色2号については、米国でラットを使った実験により「発癌性の疑いが強い」という結果が出たため、同国では使用が禁止されている。しかし、日本では今でも使用が認められているのだ。
 なお、赤色40号、赤色102号、黄色5号の化学構造は赤色2号によく似ているので、これらも発癌性の可能性が高いといえる。
 さらに、タール色素は、アレルギーの一種のジンマシンを起こすことが知られている。とくに赤色102号、黄色4号、黄色5号は漬物のほか、シロップ、明太子・たらこ、キャンディなど多くの食品に使われているため、それだけ摂取する機会が多く、皮膚科医の間では「ジンマシンを起こす添加物」として警戒されている。

 (3)塩辛・練りウニを頻繁に食べている人は、胃癌のリスクが高まるというデータは、国立がん研究センター「がん予防・検診研究センター」(現・社会と健康研究センター)の津金昌一郎・センター長らが、40~59歳の男性約2万人について、約10年間追跡した疫学調査でわかったものだ。この調査では漬物と胃癌との関係についても調べている。
 漬物を①「ほとんど食べない」、②「週1~2日」、③「週3~4日」、④「ほとんど毎日」に分類して、胃癌の発生率を比較した。その結果、①の胃癌発生率を1とすると、②が1.54倍、③が2.71倍、④が2.35倍という結果だった。
 ここで注目したいのは、④が2.35倍で、③の2.71倍よりも少ない点だ。
 塩辛・練りウニの場合は、①の胃癌発生率を1とすると、②が1.47倍、③が1.75倍、④が3.12倍と、たくさん食べている人ほど胃癌発生率が高くなるという比例関係になっていた。したがって、塩辛・練りウニが胃癌の発生率を高めていることは間違いない。
 しかし、漬物の場合、比例関係になっていないことから、漬物が胃癌の発生率を高めているとは結論付けられない。なぜか?

 (4)まず考えられるのは、漬物にはいろいろ種類があることだ。今回取り上げたような(a)タール色素入りの漬物、(b)タール色素を使っていない漬物、(c)さらに家庭内で作られた手作りの漬物がある。
 (a)は、それの影響によって練りウニと同様に胃癌の発生率を高めると考えられるが、(b)、(c)は胃癌の発生とはそれほど関係がないと考えられる。とくに(c)の場合、ほとんど無関係だろう。(c)も塩分を多く含んでいるため、胃粘膜は荒れるが、そこに発癌性物質が作用しなければ、粘膜は正常に再生され、癌は派生しないと考えられるからだ。
 したがって、(c)を「ほとんど毎日」食べていても、胃癌の発生率が高くなることはない。「ほとんど毎日」食べている人は、漬物がとくに好きな人だろうから、手作りのものや、自然な色のもの、つまりタール色素を含まない漬物を食べていた可能性がある。このことが、「週3~4日」の人よりも胃癌の発生率が低くなった理由と考えられる。

 (5)今や日本では、3人に1人が癌で死亡し、2人に1人が癌を発病している状況だ。昔のように癌=死という図式はなくなりつつあるが、それでも癌を発病すれば、検査や入院、手術・抗癌剤・放射線などによる治療で大きな負担を負わねばならない。だから、癌を予防することは、私たちが生きていく上でとても重要な課題だ。 

□渡辺雄二「漬け物好きな人は要注意/タール色素使用の漬け物はやめよう ~新買ってはいけない 228~」(「週刊金曜日」2017年1月20日号)
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【朝日俳壇抄】政権も徒党に堕すや走り梅雨 ~6月26日~

2017年06月26日 | 詩歌
【凡例】☆印は共選作。①、②以下丸文字は一席、二席等。

<長谷川櫂選>
 ①今年竹虚空に風の生まれけり (加古川市)森木史子
 ②竹の皮六十九枚脱ぎ真竹 (浜田市)田中静龍
 ③蝸牛(かたつむり)乗り出して殻脱げさうな (東かがわ市)桑島正樹
 ④鮎釣りの少し流されまた釣りぬ (摂津市)内山豊子
 【評】一席。「虚空に風の生まれけり」は常套(じょうとう)。しかし今年竹とは無上の上五。二席。六十九は自身の年かもしれない。この年になってやっと人となった。三席。重そうな殻を曳(ひ)いて急ぐ蝸牛を活写。その一心の姿に脱帽。

<大串章選>
 ①古戦場跡に飛び交ふ蛍かな (加古川市)森木史子
 ②母を追ふ軽鳧(かる)の子何も疑はず (東京都)山内健治
 ③白日傘映画のごとく走り出す (塩尻市)古厩林生
 ⑥麦秋を見渡してゐる義民の碑 (横浜市)志摩光風
 ⑦これほどに揃はぬ音色牛蛙 (東村山市)高橋喜和
 【評】第一句。かつて矢尻や弾丸が飛び交った古戦場。今は静かに蛍が飛んでいる。第二句。ひたすら母鳥を追う軽鳬の子。「何も疑はず」が端的でいい。第三句。まさに映画の一場面。果(はた)して白日傘の先には何が待っているか。

<稲畑汀子選>
 ②蟻地獄(ありじごく)修羅場に静寂戻りけり (東かがわ市)桑島正樹
 ③夕焼けの今日の一日を惜しみけり (尼崎市)田中節夫
 ⑤誰か踏む十薬匂ふ夜の底 (熊本市)内藤悦子
 ⑥屋久島の緑は雨が似合ひけり (鹿児島市)青野迦葉
 ⑧噴水や水の命の競ひ合ふ (神戸市)岩水ひとみ
 【評】(前略)二句目。蟻地獄に落ちた獲物の修羅場を見終わった作者の動悸(どうき)。三句目。夕焼けに、快晴だった一日を惜しむ。

<金子兜太選>
 ②政権も徒党に堕すや走り梅雨 (福岡県鞍手町)松野賢珠
 ⑤沖縄の蜥蜴(とかげ)の尻尾なる地獄(福島県伊達市)佐藤茂
 ⑥亡き妻は美しく生き夏帽子 (高松市)島田章平
 【評】(前略)松野氏。議会政治ではなく、徒党政治に堕した国会の浅ましさ。(後略)

□「朝日俳壇」(朝日新聞 2017年6月26日)
朝日俳壇
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 【参考】
【朝日俳壇抄】妻はヨガ吾は吟行風薫る ~6月19日~
【朝日俳壇抄】あの人も人間失格桜桃忌 ~6月5日~
【朝日俳壇抄】地響きに滝の重さのありにけり ~5月29日~
【朝日俳壇抄】聖五月人には青の時代あり ~5月22日~
【朝日俳壇抄】戦後よりまた戦前へ四月馬鹿 ~5月15日~
【朝日俳壇抄】空爆の次は花見のニュースかな ~5月7日~
【朝日俳壇抄】鞦韆は蹴るべし愛は返すべし ~5月1日~




【朝日俳壇抄】妻はヨガ吾は吟行風薫る ~6月19日~

2017年06月26日 | 詩歌
【凡例】☆印は共選作。①、②以下丸文字は一席、二席等。

<金子兜太選>
 ①夏に入る生きて過ごせと青虫に (行田市)荻原義久
 ②戦争は嫌だ嫌だと行々子(ぎょうぎょうし) (東大阪市)渡辺美智子
 ⑥掌(て)の中を蛍の宿にして渡す (綾部市)阪根瞳水
 ⑩更衣四谷の駅は白い波 (東京都)尾張英治
 【評】荻原氏。モンシロチョウなどの幼虫が「青虫」。猛暑に耐えて生きよと呼びかける作者。渡辺さん。行々子(葭切〈よしきり〉)の騒がしい鳴き声がそう聞こえるのだ。(中略)十句目尾張氏。四ツ谷駅が上手(うま)い。

<長谷川櫂選>
 ①追憶の六月三日山動く (島原市)高比良映子
 ②茶農家の深蒸す心新茶汲む (青森市)天童光宏
 ③生活に色つけやうと金魚買ふ (川崎市)池田功
 ⑦愛すべき言葉飛び交ふ溝浚(みぞさら)へ (山形県河北町)小山田恒吉
 【評】一席。一九九一年六月三日、雲仙・普賢岳の大火砕流。山動くとは。二席。深蒸し茶という名称がある。そこから生まれた「深蒸す心」。いいセンスである。三席。鮮やかな金魚の赤。金魚を描いたマチスの絵を思い出した。

<大串章選>
 ①万緑や乗員替はる国境線 (ドイツ)ハルツォーク洋子
 ③同級会日傘に入れて貰ひけり (京都市)水船つねあき
 ④名園の水に育ちてあめんぼう (熊本市)加藤うゐ
 ⑤城山に城無く朴の咲きにけり (平塚市)日下光代
 ⑩軍刀は祖父の形見よ著莪(しゃが)の花 (福岡市)松尾康乃
 【評】第一句。国境を越えて乗務員が替わると、言語も替わるのだろうか。万緑はどこまでも続く。(中略)第三句。日傘に入れてくれたのは、嘗(かつ)てのマドンナであろう。

<稲畑汀子選>
 ①きりのなきやうである庭草を引く (尼崎市)ほりもとちか
 ②闇を来て闇に戻らぬ火取虫(ひとりむし) (岡山市)伴明子
 ④妻はヨガ吾は吟行風薫る (長岡市)桑原たかよし
 ⑥句読点無き子規の文黴(かび)寄せず (藤沢市)小田島美紀子
 ⑦これ以上深くはなれず茄子の紺 (高槻市)会田仁子
 【評】一句目。庭の雑草を引くのは大変である。次々生えてくるとはいえ、いつかは抜き終える喜び。二句目。火取虫を外の闇に追い出そうとしても出来ない作者のいらだち。(後略)

□「朝日俳壇」(朝日新聞 2017年6月19日)
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 【参考】
【朝日俳壇抄】あの人も人間失格桜桃忌 ~6月5日~
【朝日俳壇抄】地響きに滝の重さのありにけり ~5月29日~
【朝日俳壇抄】聖五月人には青の時代あり ~5月22日~
【朝日俳壇抄】戦後よりまた戦前へ四月馬鹿 ~5月15日~
【朝日俳壇抄】空爆の次は花見のニュースかな ~5月7日~
【朝日俳壇抄】鞦韆は蹴るべし愛は返すべし ~5月1日~