《甲》東海漬物「キューちゃん 特級福神漬」・・・・タール色素の赤色106号、黄色4号、黄色5号が添加されている。さらに、合成甘味料のアセスルファムK(動物実験で肝臓に対するダメージや免疫力低下が示唆されている)とスクラロース(有機塩素化合物の一種で動物実験で免疫力低下が示唆されている)も添加されている。
《乙》イオン「トップバリュ 福神漬」・・・・タール色素の赤色102号、赤色106号が添加されている。
《丙》伊藤漬物工業「千切しょうが」・・・・タール色素の赤色102号が添加されている。さらに合成保存料のソルビン酸K(動物の細胞の染色体を切断したり細菌の遺伝子の修復を妨げる作用があり、これらの作用を変異原性といい、変異原性と発癌性とは密接な関係がある)が添加されている。
《丁》・・・・タール色素の黄色4号が添加されている。さらに合成保存料のソルビン酸Kが添加されている。
(1)市販の福神漬け、紅生姜、たくあんなどの漬物には、以前から大きな問題があった。それは、鮮やかな赤や黄色などに着色するため、多くの製品に合成着色料のタール色素が添加されていることだ。
タール色素は、19世紀中頃にドイツで開発された。コールタール由来の原料から作られていたため、この名前が付けられた。しかし、その後コールタールに発癌性のあることがわかったため、現在は石油製品から作られている。
(2)タール色素は、自然界にまったく存在しない化学合成物質だ。現在、食品添加物として認められているのは、12品目だ(赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、緑色3号)。しかし、いずれもその化学構造や動物実験の結果から発癌性の疑いが持たれている。
とくに赤色2号については、米国でラットを使った実験により「発癌性の疑いが強い」という結果が出たため、同国では使用が禁止されている。しかし、日本では今でも使用が認められているのだ。
なお、赤色40号、赤色102号、黄色5号の化学構造は赤色2号によく似ているので、これらも発癌性の可能性が高いといえる。
さらに、タール色素は、アレルギーの一種のジンマシンを起こすことが知られている。とくに赤色102号、黄色4号、黄色5号は漬物のほか、シロップ、明太子・たらこ、キャンディなど多くの食品に使われているため、それだけ摂取する機会が多く、皮膚科医の間では「ジンマシンを起こす添加物」として警戒されている。
(3)塩辛・練りウニを頻繁に食べている人は、胃癌のリスクが高まるというデータは、国立がん研究センター「がん予防・検診研究センター」(現・社会と健康研究センター)の津金昌一郎・センター長らが、40~59歳の男性約2万人について、約10年間追跡した疫学調査でわかったものだ。この調査では漬物と胃癌との関係についても調べている。
漬物を①「ほとんど食べない」、②「週1~2日」、③「週3~4日」、④「ほとんど毎日」に分類して、胃癌の発生率を比較した。その結果、①の胃癌発生率を1とすると、②が1.54倍、③が2.71倍、④が2.35倍という結果だった。
ここで注目したいのは、④が2.35倍で、③の2.71倍よりも少ない点だ。
塩辛・練りウニの場合は、①の胃癌発生率を1とすると、②が1.47倍、③が1.75倍、④が3.12倍と、たくさん食べている人ほど胃癌発生率が高くなるという比例関係になっていた。したがって、塩辛・練りウニが胃癌の発生率を高めていることは間違いない。
しかし、漬物の場合、比例関係になっていないことから、漬物が胃癌の発生率を高めているとは結論付けられない。なぜか?
(4)まず考えられるのは、漬物にはいろいろ種類があることだ。今回取り上げたような(a)タール色素入りの漬物、(b)タール色素を使っていない漬物、(c)さらに家庭内で作られた手作りの漬物がある。
(a)は、それの影響によって練りウニと同様に胃癌の発生率を高めると考えられるが、(b)、(c)は胃癌の発生とはそれほど関係がないと考えられる。とくに(c)の場合、ほとんど無関係だろう。(c)も塩分を多く含んでいるため、胃粘膜は荒れるが、そこに発癌性物質が作用しなければ、粘膜は正常に再生され、癌は派生しないと考えられるからだ。
したがって、(c)を「ほとんど毎日」食べていても、胃癌の発生率が高くなることはない。「ほとんど毎日」食べている人は、漬物がとくに好きな人だろうから、手作りのものや、自然な色のもの、つまりタール色素を含まない漬物を食べていた可能性がある。このことが、「週3~4日」の人よりも胃癌の発生率が低くなった理由と考えられる。
(5)今や日本では、3人に1人が癌で死亡し、2人に1人が癌を発病している状況だ。昔のように癌=死という図式はなくなりつつあるが、それでも癌を発病すれば、検査や入院、手術・抗癌剤・放射線などによる治療で大きな負担を負わねばならない。だから、癌を予防することは、私たちが生きていく上でとても重要な課題だ。
□渡辺雄二「漬け物好きな人は要注意/タール色素使用の漬け物はやめよう ~新買ってはいけない 228~」(「週刊金曜日」2017年1月20日号)
↓クリック、プリーズ。↓

【参考】
「【保健】コラーゲンと無関係なゼリー ~ゼラチン不使用のゼリー~」
「【保健】「みんなにやさしい除草剤」は本当にみんなにやさしいか?」
「【保健】合成甘味料入りで水分補給に不適 ~機能性ウォーター~」
「【食】「水素水」ブーム便乗商品に気をつけろ ~効果は疑問~」
「【食】炭酸水の飲み方には気をつけたい ~糖類や食品添加物~」
「【保健】「新世代エコ洗剤」は本当にエコか ~AESの悪影響~」
「【食】明太子やたらこも癌リスクを高める ~亜硝酸Na、タール系色素~」
「【食】「加工肉」の危険性に改めて目を向ける ~発癌性~」
「【食】一部の「有機ワイン」に入っている添加物 ~亜硫酸塩~」
「【食】「トクホのノンアルコールビール」 ~その危険性~」
「【食】新しい「コカ・コーラ」は体にやさしいか ~買ってはいけない~」
「【食】買ってもいいインスタント食品」
「【食】「高級インスタントラーメン」に含まれる食品添加物」
「【食】お手軽「流水麺」の落とし穴」
《乙》イオン「トップバリュ 福神漬」・・・・タール色素の赤色102号、赤色106号が添加されている。
《丙》伊藤漬物工業「千切しょうが」・・・・タール色素の赤色102号が添加されている。さらに合成保存料のソルビン酸K(動物の細胞の染色体を切断したり細菌の遺伝子の修復を妨げる作用があり、これらの作用を変異原性といい、変異原性と発癌性とは密接な関係がある)が添加されている。
《丁》・・・・タール色素の黄色4号が添加されている。さらに合成保存料のソルビン酸Kが添加されている。
(1)市販の福神漬け、紅生姜、たくあんなどの漬物には、以前から大きな問題があった。それは、鮮やかな赤や黄色などに着色するため、多くの製品に合成着色料のタール色素が添加されていることだ。
タール色素は、19世紀中頃にドイツで開発された。コールタール由来の原料から作られていたため、この名前が付けられた。しかし、その後コールタールに発癌性のあることがわかったため、現在は石油製品から作られている。
(2)タール色素は、自然界にまったく存在しない化学合成物質だ。現在、食品添加物として認められているのは、12品目だ(赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、緑色3号)。しかし、いずれもその化学構造や動物実験の結果から発癌性の疑いが持たれている。
とくに赤色2号については、米国でラットを使った実験により「発癌性の疑いが強い」という結果が出たため、同国では使用が禁止されている。しかし、日本では今でも使用が認められているのだ。
なお、赤色40号、赤色102号、黄色5号の化学構造は赤色2号によく似ているので、これらも発癌性の可能性が高いといえる。
さらに、タール色素は、アレルギーの一種のジンマシンを起こすことが知られている。とくに赤色102号、黄色4号、黄色5号は漬物のほか、シロップ、明太子・たらこ、キャンディなど多くの食品に使われているため、それだけ摂取する機会が多く、皮膚科医の間では「ジンマシンを起こす添加物」として警戒されている。
(3)塩辛・練りウニを頻繁に食べている人は、胃癌のリスクが高まるというデータは、国立がん研究センター「がん予防・検診研究センター」(現・社会と健康研究センター)の津金昌一郎・センター長らが、40~59歳の男性約2万人について、約10年間追跡した疫学調査でわかったものだ。この調査では漬物と胃癌との関係についても調べている。
漬物を①「ほとんど食べない」、②「週1~2日」、③「週3~4日」、④「ほとんど毎日」に分類して、胃癌の発生率を比較した。その結果、①の胃癌発生率を1とすると、②が1.54倍、③が2.71倍、④が2.35倍という結果だった。
ここで注目したいのは、④が2.35倍で、③の2.71倍よりも少ない点だ。
塩辛・練りウニの場合は、①の胃癌発生率を1とすると、②が1.47倍、③が1.75倍、④が3.12倍と、たくさん食べている人ほど胃癌発生率が高くなるという比例関係になっていた。したがって、塩辛・練りウニが胃癌の発生率を高めていることは間違いない。
しかし、漬物の場合、比例関係になっていないことから、漬物が胃癌の発生率を高めているとは結論付けられない。なぜか?
(4)まず考えられるのは、漬物にはいろいろ種類があることだ。今回取り上げたような(a)タール色素入りの漬物、(b)タール色素を使っていない漬物、(c)さらに家庭内で作られた手作りの漬物がある。
(a)は、それの影響によって練りウニと同様に胃癌の発生率を高めると考えられるが、(b)、(c)は胃癌の発生とはそれほど関係がないと考えられる。とくに(c)の場合、ほとんど無関係だろう。(c)も塩分を多く含んでいるため、胃粘膜は荒れるが、そこに発癌性物質が作用しなければ、粘膜は正常に再生され、癌は派生しないと考えられるからだ。
したがって、(c)を「ほとんど毎日」食べていても、胃癌の発生率が高くなることはない。「ほとんど毎日」食べている人は、漬物がとくに好きな人だろうから、手作りのものや、自然な色のもの、つまりタール色素を含まない漬物を食べていた可能性がある。このことが、「週3~4日」の人よりも胃癌の発生率が低くなった理由と考えられる。
(5)今や日本では、3人に1人が癌で死亡し、2人に1人が癌を発病している状況だ。昔のように癌=死という図式はなくなりつつあるが、それでも癌を発病すれば、検査や入院、手術・抗癌剤・放射線などによる治療で大きな負担を負わねばならない。だから、癌を予防することは、私たちが生きていく上でとても重要な課題だ。
□渡辺雄二「漬け物好きな人は要注意/タール色素使用の漬け物はやめよう ~新買ってはいけない 228~」(「週刊金曜日」2017年1月20日号)
↓クリック、プリーズ。↓



【参考】
「【保健】コラーゲンと無関係なゼリー ~ゼラチン不使用のゼリー~」
「【保健】「みんなにやさしい除草剤」は本当にみんなにやさしいか?」
「【保健】合成甘味料入りで水分補給に不適 ~機能性ウォーター~」
「【食】「水素水」ブーム便乗商品に気をつけろ ~効果は疑問~」
「【食】炭酸水の飲み方には気をつけたい ~糖類や食品添加物~」
「【保健】「新世代エコ洗剤」は本当にエコか ~AESの悪影響~」
「【食】明太子やたらこも癌リスクを高める ~亜硝酸Na、タール系色素~」
「【食】「加工肉」の危険性に改めて目を向ける ~発癌性~」
「【食】一部の「有機ワイン」に入っている添加物 ~亜硫酸塩~」
「【食】「トクホのノンアルコールビール」 ~その危険性~」
「【食】新しい「コカ・コーラ」は体にやさしいか ~買ってはいけない~」
「【食】買ってもいいインスタント食品」
「【食】「高級インスタントラーメン」に含まれる食品添加物」
「【食】お手軽「流水麺」の落とし穴」