円の外へ

20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

小学校参観(3)一人になっても読み続けてえらいね

2008-07-11 01:19:33 | 都内某小学校参観記録
わかる目次
小学校参観・一人になっても読み続けてえらいね
都内某小学校06年11月23日参観③

捨しゃ~っ146号06年11月30日・木
 
◆5校時3年2組S先生の国語

・『ちいちゃんのかげおくり』研究授業。

・◎予定の1:40ピッタリ開始。すばらしい。
・◎起立。全文、微音読。終わったら座る。全員ちゃんとやる。立派。
・ADが見つからない。
・○教師も回りながら微音読を続ける。ここまでは良かった。
・×読ませる分量が多すぎる。
・×トップとラストの差が2分以上ある。子どもは充分がんばった。

・×最後の一人は時間で切って座らせた。
  それは正しい。
  でも、ほめない。
  
  「一人になっても読み続けて、えらいね」
  と言ってやればいいのだ。
  ぼくは、短文の音読なら、最後の一人も待つ。
  他の子はその子の声を聞いてシンと待つ。
  「○男。最後までごまかさず読んでエライ!」
  こうしとくと、他の子も少しはごまかさなくなる。
  ○男も恥だとは感じない。

・発問
 『最初のかげおくりと、最後のかげおくりの間で、
  ちいちゃんから失われたものは何ですか』

 
 指示
 『ノートに書きます』

・○小さな無駄言葉をなくせばかなり良い感じ。
・板書
 『ちいちゃんのまわりからうしなわれたものは何ですか』

・○「下敷きを使ってる人」(ハイ、と挙手)
  児童は写している。
・○「写したら鉛筆を置く」
・×「**くん、急いで下さい」
 (まあ、言うよ、俺も。##、早くしろ、ついて来い、とか)
・Q(ます目ノート。良いが、なぜTOSSノートを使わん)
・××「証拠となるところに線を引きながら書いていきます」
 (これで終わった。もう、児童は何をしたらいいかわからない)
・○「ひとつ書いたら持っっといで」
・○教師が立つ姿が、スッとしていて良い。

・×窓側の男の子のノートを見る。
  二行書いた終わりに「~~からです。」と書いてある。
  それを先生に見せてきたのだ。
  Sさんはそのノートを見たのだ。
  発問は
  『何ですか』
  である。

・×ひとつ提出した児童は、ほぼ全員次を考えない。
  手元で細かく遊んでいる。
  完全な思考の空白が続く。続く。続く。

    ■[代案]■
    「先生は、四つ見つけました」

・××
 「証拠にも線、引きましたか」
 (同時に二つのことを要求しているからダメ。
  できるならいいが、思考は止まってる。
・×2:01。
  開始21分後。誰も考えていない。
  この空気が読めないのか。…読めないよね。なかなかね。
・??なんか、別の教師らしき男性登場。
   児童に話しかけんな! 指導すんな! やめろ

・2:03。
 「一回鉛筆置きます。」
 「一つ以上書けた人」
(8人挙手)
・板書
  『命』
・発問
  『いのち。証拠はどこですか』(どこどこ、と答える子がいる)
・指示
  『他に・・・○○さん。』(家)
・板書
  『家』
・×児童は「何か」と「証拠」をいっぺんに言おうとする。
  そりゃそうだ。そうしろと言ったのだから。


    ■[代案]■
     「失われたものが一つ書けた人。起立」
      (端から言わせて座らせる。板書。)

     「一つ目。命。命の証拠が書いてあるページを探しなさい」
      (サッサと言わせる。「5ページのどこですか」

     「追い読み。~」「~」
  
     「読んだところに線を引いたら手を挙げなさい」

     「丸付けコンビで指さしてみせっこしなさい」
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小学校参観(4)他にあるんだけどなあ

2008-07-11 01:19:32 | 都内某小学校参観記録
わかる目次
小学校参観・他にあるんだけどなあ
都内某小学校06年11月23日参観④

捨しゃ~っ147号06年11月30日・木

◆5校時3年2組S先生の国語つづき
・◎
 「他に・・・あるんだけどなあ」
 「ええっ!!!」

  (この瞬間だけ、児童の脳が回転した)
・×
  もう、全くついてきてない子が6人はいる。
  一方で
  「あっ、あるある、*ページ」
  とデキル子はついていく。
・×
 「これ以外にないですか。目に見えないものでないですか」
 「先生、証拠もありですか」

  (デキル子は、さっき先生が言ったとおり、証拠も探すのかと聞いたのだ。
   すぐれた子だ)
 「証拠は、いいです」
  (なんでやねん!漫才か!)
・◎
  ここで班隊形。四人班×7班。
  子どもの動きは実にいい。
  班の話し合いはすぐ終わる。
  楽しい会話が始まる。
  教師は個別指導を始める。
  だから、空気が読めない。延々と続く。
・2:22。
  終了3分前。
  机はそのままで。
  「おへそを先生に向けます」
  子どもは偉い。
  全員ちゃんと体の向きを変える。
  惜しくも、イスごと向きを変えるのは教わってない。
  とにかく、すぐれた子たちだ。
・Sさんにはお分かりでしょうが、机を戻さないことに全く意味がない。
  先生は「一斑」「二班」と指名する。
  児童は発表する。
  先生は板書する。
  『たましい・幸せ・希望・青い空』

・2:25しゅーりょーの時刻。
 だが驚いたことにまだ続く。
 『白い四つのかげ・音・きおく(思い出)』

・どんなに途中でも、止めるのです。

・奇怪なことに2:26に放送が入る。

 「終わりの時間です。なんとかかんとか」

 翌日、Sさんに、
 いつもは5校時終了のチャイムもないし、終わりの放送もないことを確かめた。
 だから書く。

・いつもチャイム鳴らしてないんですよね。
 なんで
 「参観日」の
 「研究授業」の時だけ、言葉の放送で、
 「終わりです」とか言うのか。

・そういえば、昼休みの終わりにも放送が入った。

 「あと、5分で研究授業が始まります。外で遊んでいる人は教室に入りましょう」

 とかなんとか。
 これも、いつもやってるわけじゃないのだ。

・恥ずべき行為だ。
 恥ずかしくないのか。
 毎日全く時間を守らない授業を続けているくせに、
 参観日だけ、
 「始まります」
 「終わりです」

 とは何ごとだ。
 毎日やってるならいい。
 毎日時間を守ってるならいい。
 一秒も時間を延ばさない授業をし、
 一秒も子どもの休み時間を奪わない毎日ならいい。
 俺はこういう行為が非常に嫌いだ。

・やはり翌日、Sさんに聞いた。
 小学校では研究授業の後、例の「憎むべき行為」をけっこうさせているらしい。

 「みんな、後ろ向いて。
  今日、授業を見てくれた先生やおうちの人に、お礼を言いましょう。
  ありがとうございました」


 ってやつだ。
 考えるだけでムカムカする。
 恥ずべき行為。
 最もプロとして許せない行為。
 だから、参観日だけ放送で時刻を知らせるようなことが平気でできるのだ。

・Sさん。
 俺はこのごろ、校内の研究授業で、チャイムが鳴ってもまだ授業が続くとき、
 チャイムの瞬間立ち上がって教室を出ているよ。
 そして、一人職員室で仕事に入る。
 もう言っても無駄なのだ。
 俺が立って出て行くのを見ても、翌月また研究授業は延びる。
 不思議だ。
 Sさんはそうなってはならないですよ。
 でも、今のままだと危ないよ。
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小学校参観(5)30万円分の授業DVD

2008-07-11 01:19:31 | 都内某小学校参観記録
全ページ目次
小学校参観・30万円分の授業DVD
都内某小学校06年11月23日参観⑤

捨しゃ~っ148号06年11月30日・木

 ◆5校時3年2組S先生の国語つづきのつづき

・2:30。授業終了。
 5分=300秒オーバー。マイナス300点。
 ぼく達は仲間と授業を見せ合うとき、そういう採点をし合っているのです。

① すべては音読不足に尽きる。
② 一つ一つの指示のスタンスが長すぎる。
③ 今することを、一つに絞っていない。
④ 50分間、ひとことも、一度もほめなかったねえ。
⑤ 班隊形は短く刻む。

・・・そういうことでしょうか。

*************

帰りの会で「五色百人一首」を見せてもらいました。
黄色です。うちの中学2年生とやってもいい勝負だと感じました。
いい子たちだ。Sさんも半年間、鍛えたのだろう。

うれしいことに、Sさんが二回戦目を僕に読ませてくれた。
飛び込みは生まれて初めてだ。
3年2組はSさんが読むと
<野武士のように>
一生懸命カルタを取った。
立派だった。
ありがたいことに、二回戦目は野武士が獣に変わった。
3年2組は
<肉食獣のように>
カルタを取った。
楽しかった。

~参観シリーズ以上~

****************

参観翌日、Sさんと飲んでこんなことも聞いた。

hyoko
「全クラス見て回ったけど、4年生だけは三クラスとも黒板周りがきれいだったね。
 その次がSさんの3年2組。
 あとは全部ダメ。」



「そうなんですよ。
 4年の先生はすごいんです。
 あの学年は3年のとき○○ちゃって、外から来た人が三クラスとも持って、
 今はすごくいい感じになりました。」


hyoko
「やっぱねえ。黒板周りだけで、分かるんだねえ」

ところで、約束どおり、仲間うちの国語サークルに、
Sさんが買った勉強用DVDとCDを持ってきてもらった。
カバンから出てくる出てくる。

DVDとCDはなんと「30本以上」あった。
30万以上はかけてる。

その場にいた4人の教師は顔を見合わせた。

「こんな人は、うちの××市に一人もいない。」

繰り返すが、彼は新採1年目だ。


◆帰りの会の俺が読ませてもらったカルタの様子

(1)俺「こんにちは」
   3年2組「こんにちは!!!」(…声がデカイ)

(2)着席させる。
   (カルタ全体を見るため、S学級では立ってカルタをしていいルール)
   (だが、児童が立ったまま教師が全体を見るのは難しい)

(3)札の並べ方を直す。(すきまをピッタリ付けさせた)

(4)構え方を作る。(10本の指を机のはじに置かせた)

(5)はじめの挨拶を教える。
  「ご用意よければ空札いちまい、って言ったら、
   よろしくお願いしますって言うんだよ。
   練習、サンハイ」
  「よろしくおねがいします」
  「90点。3人言ってない人がいた。サンハイ」
  「よろしくおねがいします」
(ものすごい声)
  「200点」

(6)17枚詠み終わるまでに、8回ほめた。
   力強く、本気で。
   「上の句で取れた人」
   「ハイって言えてえらいねえ」
   「早い」

   など。

(7)途中、自分のほうが遅かったのにもぎ取ろうとしたペアの机に行き
   「あなたの方が早かったです」
   と相手の児童に言い判定。
   もぎ取ろうとした子が少しふてたので、
   チャンスを見て再度そのペアに行き
   「今、君はすごく早かった」
   と肩をたたく。
   すべて、カルタの読みの途中で。
   テンポは崩さずに。

(8)暗記タイム、も教えた。
   そんなこんなで彼らは肉食獣のようになった。

(9)終わって俺が音もなく教室を出る時、お母さんが一人
   「ありがとうございました」
   と小声で言った。
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授業評価用紙2010⑤版

2008-07-10 17:50:50 | 中高国語など指導案
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授業評価用紙2010⑤版
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授業評価用紙2005④版

2008-07-10 17:50:49 | 中高国語など指導案
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授業評価用紙2005④版
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宿題は出さぬ学力は授業で

2008-07-10 17:50:49 | 宿題はいらない

宿題は出さぬ学力は授業で
 HYOKO記:
 宿題は出さない。
 記憶にあるかぎり、この十数年間、宿題は出したことがない。(夏・冬の課題は除く)
 宿題は効果がないと学習したからだ。「知るということ」は大切だ。


「先生、うちの子勉強しないで困ります。もっと宿題を出してください。」
 私は次の点について話す。
「①学力は授業でつける。」
「②家庭学習の習慣と毎日の仕事」
「③テレビとゲームの時間」
「④就寝時刻と食事」

 学力は毎日の授業の中でこそ身に付く
・国語:漢字練習、個別評定の音読、作文、視写、暗唱などをテンポよく組み入れていく。
・算数:教科書を使って授業を進める。
 問題が読めて、その問題が解ける、ことが基本だ。
 それをきちんとノートに書く。
 もちろんミニ定規と赤鉛筆を使わせる。
 見る見るうちにノートはきれいになり、テストの点数も上がる。
 学力をつけるのは宿題ではない
・毎日の授業で(学力を)つけるということを分かってもらうためには、
 最初の学習参観で、国語か算数の授業をすることだ。
 授業に集中している子どもたちの様子や、子どもたちのノートを見てもらう。


・だからといって、家で勉強しなくていいということではない。
 家庭学習の習慣は大事だ。
 先進国中、日本の家庭学習時間は最低レベルだ。
 では、何をすればいいのか。
 ①まずはゲーム以外の好きなことで熱中できることだ。
 ②家庭学習のメニューを作成して配布する。
  その中から選んで家庭学習するようにとすすめる。
 ③時には宿題も出すことも付け加える。家でしかできない宿題がいい。
  「磁石調べ」「月星の観察」「広告調べ」
 ④家庭学習以上に大切なことが家の仕事だ。
 ⑤次に、ゲームとテレビの視聴時間。ダラダラと長い時間やらない。
  子どもと話し合って、時間を決めることだ。
 ⑥最後に、就寝時刻と食事について、脳科学をもとに、食事の大切さを説明する。
 ここまで話せば宿題の呪縛から解き放されるだろう

「先生、兄は毎日漢字ノートに、一ページ練習が宿題です。
 A男にも漢字の宿題を出してください」

そこで、次の物を机の上に持ってきた。
 ①一学期、二学期のA男君の漢字スキル、テストの結果。
 ②現在使っているA男君の漢字スキル。

<①について>
「お母さん、今までに一学期十三回、二学期に五回の漢字のテストを行ないました。
 A君は、だいたい何点くらい取っていると思いますか」

「うちの子できないから、六十点くらいですか」
「一学期百点八回。九十点が二回。八十点が二回。七十点が一回です。
 二学期は、百点四回。九十点一回です。クラスのみんなもほとんど同じです」
 お母さんの顔が明るく変わった。

<②について>
「これが、A君が使っている漢字スキルです。
 指書き、なぞり書き、写し書き、どれも丁寧にやっていますよね。
 国語の授業で、最初の三分くらい、毎日練習しています。」

「先生にすべてお任せします。失礼なことを言いましてすみませんでした。
 これからもよろしくお願いします。」

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宿題にするなど授業の放棄

2008-07-10 17:03:20 | 宿題はいらない
わかる目次


『Ohana』**学級通信より
「人の言うことは気にするな。『こうすれば、ああいわれるだろう…』、
こんなくだらない感情のせいで、どれだけの人がやりたいこともできずに死んでいくのだろう」 
ジョン・レノン


・**を受ける**の授業を見た。
一回目。発問指示がはっきりしない。途中で話すことを忘れてしまう。
「次なんだったかな」
というような余計な言葉が出る。
うまくいかなくて照れ笑いが出る。
最後までできなくて途中で絶句してしまう。
これが初めて**を受ける教師の練習の姿である。
・何回練習をしたかと尋ねると、わずか10回程度だという。
まったく**を舐めている。
私はサークルで同じ授業を少なくとも三回はするように命じた。
また、100回の練習をするようにと言った。

・授業の中には「覚えるべきこと」が入ることがある。
詩文の暗唱…重要な年代…キーワード…
・「覚えるべきこと」がある時、
「家で覚えておくのですよ」
と言うことはない。
・「覚えてくることを、宿題にする」
こともない。
・多くの子どもは、やらないのに決まっているからだ。
・覚えることを、宿題にするなど、授業の放棄と同じだ
―――と、私は新卒の時から思ってきた。
・では、どうするのか。その場で覚えさせるのだ。


*****************
<作文指導について>hyoko記述
先月のサークルで、現在の高校2年生の作文検討をした。
800字で「正義とは何か」を書いた作文が5本提示された。
ある「作文添削会社」に、高校の先生が添削依頼をしたのだ。
作文1点につき1000円である。
結果から言うと、
「作文の内容は、全部ダメ」
「添削の内容は、もっとダメ」

であった。
どれもが、
「とてもこれでは大学合格はありえないだろう」
という内容だった。
一つ目に、五人には「800字」の作文を書く能力が身についていない。
まず、「200字」から始めなければならないだろう、というのがサークルメンバーの意見だった。
二つ目に、五人ともおそらく「作文の書き方」をきちんと教わっていない。 
書き方っていうのは・・・省略。
三つ目に、以上のような作文であっても、たぶん大学に合格しちゃうだろう、ってことだ。
大問題だな。
四つ目に、添削会社に作文指導をお願いしても効果はないということだ。
五つ目に、じゃあどうしたらいいかといったら、
「教員が添削し」
「教員自身が、見本となるすぐれた作文を書き」
「添削後に、その見本を生徒にそのまま視写させる」

のである。
六つ目に、つまり、学校の教員ができもしないことを、生徒に教えることはできないということである。

「作文指導」の基本は、「まね」であり「型の習得」である。
中学一年生で、まったく作文のかけない生徒がいた。
はじめは何とか書いたが、やる気がなくなるにつれて何もしなくなった。
だから、
「そのまま写せば努力点!」
と言ったら、400字の見本をそのまま写した。
それで、三年間たった。
その生徒は、600字の「卒業文集」を、
ぼくの手を一切借りずに(もちろん少し手直しはしたけど)書き上げた。

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宿題はほとんど戦争でした

2008-07-10 17:02:33 | 宿題はいらない

宿題はほとんど戦争でした

7年前、まだ「特別支援教育」などという言葉もなく、
教師のほとんどの人が、ADHDの言葉を知らなかった時のことである。
(アメリカのメアリー・ファウラーは
『手のつけられない子それはADHDのせいだった』
の中で宿題について書いた。
要約
ADHDを持つ親には、宿題は頭の痛い問題だ。
宿題は学校で丸一日
「ルールを守る」
「集中する」
「自分をコントロールする」
ということを、がんばり続けて帰宅したその後に、家でしなくてはならない。
ADHDを持つ子の父親は
「ほとんど戦争でした」
と、宿題について語っていた。
「毎晩、毎晩、三時間も四時間も、私は顔を真っ赤にして怒鳴り続けた」
という。
本当なら
「15分で終わるはずの宿題を、そこまでしなければいけなかった」
という。
こういう思いは、一つや二つではない。
他の人も、
「宿題をさせるのが、どれだけ大変だったか」
を語ってくれた。
親が手を貸して何とか宿題をさせようとしても、息子は回転イスをくるくる回しているだけ。
「鉛筆を持ちなさい」
といっても、イスを回しているだけ。
親が下手に出て
「お願いだから、鉛筆を持って」
といい、
「答えは、さっき言ったでしょう。あれで合ってるのよ」
と催促し
「あとは、ノートに書くだけでしょう」
と言っても、はかばかしくない。
そのうち、やりとりはエスカレートして、怒鳴りはじめることになる。
こんなことが毎日続き、
息子は宿題をやらずに登校するようになった。
・親は
「宿題はほとんど戦争でした」
という。
日本でも、事情は同じである。
宿題を出すと、上位の子は、やってくる。
中位の子は時々忘れて叱られる。
下位の子は、親子で必死にやるが、
やがて忘れるようになる。
その裏に
「戦争状態」
があったのである。

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宿題を出す教員のほうが悪い

2008-07-10 17:02:25 | 宿題はいらない

宿題を出す教員のほうが悪い
**より
●アメリカ人は医者にこう訊く。
「先生が、この病気を持っていたら、誰に診せますか。」
(医者として、あなた以上の腕を持っているのは誰かと尋ねているのだ。
日本人は決してこういうことは言わない。)

脳外科医・福島氏
●一番ダメな医者は、現代医療では治せません、と言う人。
「わたしの力では治せません。ごめんなさい。」
と言えばいい。
そうすればその患者は、別の、できる医者を探すんですよ。
(現代医療では治せませんと言われた人は、あきらめて死を待つことになる)
脳外科医・上山氏
●セカンドオピニオンを頼んでみる。
それで、文句言う医者からは逃げろ。
別の医者を直ぐに紹介してくれる医者には、
謝罪してこれからも診てもらえ、

とわたしは言っている。
脳外科医・上山氏

教育も全く同じことだ。
教員に尋ねるといい。
「もし、あなたの娘さんがAD/HDだったとします。
あなたは、毎日宿題を出す先生と、
授業中に練習させて力をつけてくれるが宿題は出さない先生と、
どちらにまかせたいですか。」
宿題を出せば、より効果が上がるのだとか、
授業中には練習問題をやり切れないのだとか言う教員もいるだろう。
第一に、
宿題を毎日持って帰ってくるAD/HDの子どもを持った保護者がどんな思いをするかだ。
これは、以前の捨に書いたとおりだ。
「宿題は戦争でした」と述べた親がいるのだ。
第二に、
宿題を出さずに済ませる教員もいる。
宿題を出すのは、授業中の決まった時間内で教えて、習得させる技能を知らないだけだ。


<軽度発達障害に対応した授業技量を問う>③
新潟市立中野山小学校

軽度発達障害を持つ生徒に、宿題を出しても意味がない。
学校で決まりを守る生活をして疲れきっているところへ持ってきて、
やり方の理解できていない問題を、自分ひとりの力でやれと言われても無理な話だ。
(これも、以前の捨に書いた) 
宿題を忘れて、というかやらないで登校して、
授業中に怒られる。
怒られてできるようになるなら誰も苦労しない。
宿題を出す教員のほうが悪いのだ。
軽度発達障害を持つ生徒が、その保護者が、宿題を出されて、
どんな思いをするのか勉強していないのが悪いのだ。
授業中に力をつける研修をしないから悪いのだ。
そういうことを学んでいないことに責任がある。
新潟、中野山小学校の実践が日本を変える。
その意味を説明するために、このシリーズを書き始めたが、いったんあきらめる。
自分には難しすぎる。

ぼくたちは、まず、本を読まなければならない。
できればセミナーに通い、話を聞かなければならない。
新潟の小児科医、横山ドクターの名を知らなければならない。
横山氏は、現在日本の軽度発達障害の「教室での指導」に関する第一人者である。
東北大学病院小児科、横山ドクター。
その著書を読むべきだ。
講演を聞きに出かけるべきだ。
「軽度発達障害の子ども」に対する、適切な指導を知れば、授業が変わる。
それが、数万円でも、十数万円でも多くはない。
授業を仕事とする教員にとって、授業が変わることは人生が変わることだからだ……
……このような、基礎的な知識を広めなければならない。

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宿題にプラス効果ない

2008-07-10 17:02:14 | 宿題はいらない

宿題にプラス効果ない

要約
宿題というものの意味を根本から疑う必要がある。
勉強として本当に役立っているのだろうか?
宿題は子どもを苦しめるだけではないのか?
このことについて、貴重な提言がある。
ニューヨーク市立大学のハワード博士は
「集中力や整理整頓能力に障害のある子どもたちに宿題を与えても、逆効果になりかねない」
という。

アメリカにおける各種の調査研究からは、
小学生くらいの子に宿題を出すことにプラス効果があるという研究結果は、ほとんどないという。
まして、学習能力に障害のある子には、なおさら効果はない。

バークレー先生は、宿題を「戦争」の原因にしないためには、次のようにする必要があるという。
第一に、
「量はどうか」
ということである。
宿題をする子どもの年齢や持続力に見合ったものにすることが必要だ。
第二に、
「その宿題は正当なものか」
ということである。
絶対やってはいけないのは
「授業で終わらなかったことを、カバーするために宿題にすること」
である。
授業時間の中で、予定された内容をこなすのは、先生の仕事である。
もし、予定通り終わらないのなら、先生が授業のやり方を工夫すべきである。

残ってしまったならと宿題にして、家庭に押しつけるべきではない。
第三に、
分割することである。
宿題の量が適当なら、それをこまかく分けて少しやっては休み、また少しやることが必要だ。
第四に、
ほめることである。
小さく区切ったひとつのことをやるたびに、ほめことばや、シールなどのごほうびをやるのである。

(**氏)
・軽度発達障害がある子どもへの教育になれている教師であっても、
この子どもたちへの個別支援が可能になるのは、
早くて6月ごろである。
個別支援ができる前には、クラスのルール作りを進めていただくことが、
軽度発達障害がある子どもへの最大の支援だ。
・全般的な知的水準は、正常な子どもと差がない。
従って、プライドも人並みである。
・それゆえに、個別配慮が、ご本人や周囲に、ありありと個別配慮であると、
明確に認識されたら、もうおしまいである。
・ご本人からは、教師の配慮がうっとうしい以外の何者でもない。
…信頼と尊敬を失ってしまう。
・それだけではない。個別配慮が、周囲の子どもたちから、えこひいきだと思われる。
・個別配慮が、当人にも周囲にもあからさまになると、
ダブルスタンダードが、クラスに導入されてしまう。
つまり、ある子どもは「ある行動」をしても許されるのに、
他の子どもたちは許されないのだ。
・こうなれば、周囲の子どもたちからも、信頼と尊敬を失ってしまう。
クラス運営の破綻である。
・どうすべきか。(HYOKO・要約)
①ある行動が、絶対に許せないなら即座に止める。
②止めたら行なうべきことを話し放置。
③従おうとしたら、ほめる。
④ある行動が、減らしたい行動なら、
真面目にやっている、すぐ近くの子どもをほめる。

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