一昨年より、水無瀬駒のふるさと・大阪府島本町で行われている「中将棋(ちゅうしょうぎ)公開対局」ですが、そもそも中将棋とは、どのようなものなのか・・・わたしは、このことに注目し、水無瀬駒ゆかりの水無瀬神宮で中将棋を復活させたいと願っていました。
水無瀬神宮での中将棋対局は、近江神宮の競技かるた会に匹敵するものになり得る!と閃きました。中将棋の愛好家、日本将棋連盟、水無瀬駒研究家、島本町教育委員会、多くの方の思いが集まって機が熟し、国庫補助金を獲得によって思いもかけないスピードで願いが実現しました。同時期に多方面でたくさんの方が行動されていました。
ところで、中将棋ってなんでしょう。
以下、文責は戸田になりますが、実はわたしは将棋のルールをまったく知りません。中将棋という、多くの日本人に知られていない伝統将棋の初期配置図をインターネット上でみつけ、こ、これはなんだ!指せる人がほとんどいないとは、どういうこと?と調べはじめたのが興味の入り口で、今なお、それ以上の知識がないのです。よって間違っていることもあるかもしれませんが紹介します。
さて、江戸時代以前の貴族社会で愛好された古将棋(こしょうぎ)のひとつで、92枚の駒を使用します(現在一般的に指されている将棋は40枚)。敵から取った駒を味方の駒として自由に使うことができないところが現代将棋と異なる点です。
昭和初期には京阪神を中心に盛んに指されたという中将棋、大山15世名人(中将棋を特に愛好)亡き後、中将棋を指される方が少なくなったのですが、近年は一部の熱心な愛好家がインターネットを通じて対戦されるようになりました。インターネット上での愛好家の交流がなければ幻の将棋となっていた可能性があります(大将棋などはそうなっている)。
駒の並べ方をみていただくとわかりますが、92枚の駒には「獅子」「麒麟」「酔象」など興味深い名前の駒がたくさんあります。特に「獅子」は中将棋の花形と呼ばれる豪快な駒で、1)全方位に一マス=玉将(王将)と同じ動きができる、2)全方位に二マス。そのとき相手駒が隣接する一マス目にあっても飛び越せる、3)玉将(王将)の動きが一手で2回続けて可能です。
1)と1)、あるいは1)と2)の組み合わせによって、敵駒を2枚獲得できたり、敵駒を獲得して元のマス目に戻り、いながらにして敵駒を取る「居食い」と呼ばれる手ができたり、敵駒のいないマス目に動き、元のマス目に戻ることによって結果的に動かないことになる「じっと」と呼ばれる手があったり(パスと同効果)、なかなか面白そうなのです。
ダイナミックで複雑、難易度が高いと思うのですが、子どもは素直に興味を示し、覚えてしまうようです。捕り駒が使えないというのも大きな特徴で、チェスと同じところが海外で受け入れやすいと聞き及びます。ドイツにも中将棋愛好家の組織があるらしい・・・。
相手の駒を見方につけることができる現在のルールは、後に武家社会で成立して今に至っているそうです。また、水無瀬駒は王将ではなく玉将と玉将が対峙するのが特徴ですが、本来、将棋は金銀銅玉など財宝(貴金属や宝石ですね)の奪い合いだったそうで、後の時代に武士社会で指される将棋において、片方が王将になったという説もあるらしく、興味深いことです。
水無瀬駒ゆかりの水無瀬神宮のある島本町で開催されている中将棋公開大局・中将棋教室は、中将棋の面白さを実際に知っていただく貴重な機会となっています。地味ではあっても実は全国的に注目されつつあります。地味でもよい、文化的・社会的に意義がある取り組みです。
このことを将棋ファンだけではなく、島本町民にももっと知っていただき、応援していただきたいと願っています。島本町のみなさん!将棋に興味のある方もない方も、中将棋公開対局をぜひご覧ください!もちろん町外からのご参加も大歓迎です。みなさんのご来場をお待ちしています。今年はケリヤホールで行われます。※昨日UPしたブログ記事に詳細
画像は、島本町の依頼を受けて熊澤良尊氏が作られた中将棋駒
現在普及している駒よりも厚みがあって重厚な感じです
島本町では紙で盤と駒をつくって、おじいちゃんと
自宅で対戦しているちびっ子(幼稚園児)もいます
水無瀬神宮での中将棋対局は、近江神宮の競技かるた会に匹敵するものになり得る!と閃きました。中将棋の愛好家、日本将棋連盟、水無瀬駒研究家、島本町教育委員会、多くの方の思いが集まって機が熟し、国庫補助金を獲得によって思いもかけないスピードで願いが実現しました。同時期に多方面でたくさんの方が行動されていました。
ところで、中将棋ってなんでしょう。
以下、文責は戸田になりますが、実はわたしは将棋のルールをまったく知りません。中将棋という、多くの日本人に知られていない伝統将棋の初期配置図をインターネット上でみつけ、こ、これはなんだ!指せる人がほとんどいないとは、どういうこと?と調べはじめたのが興味の入り口で、今なお、それ以上の知識がないのです。よって間違っていることもあるかもしれませんが紹介します。
さて、江戸時代以前の貴族社会で愛好された古将棋(こしょうぎ)のひとつで、92枚の駒を使用します(現在一般的に指されている将棋は40枚)。敵から取った駒を味方の駒として自由に使うことができないところが現代将棋と異なる点です。
昭和初期には京阪神を中心に盛んに指されたという中将棋、大山15世名人(中将棋を特に愛好)亡き後、中将棋を指される方が少なくなったのですが、近年は一部の熱心な愛好家がインターネットを通じて対戦されるようになりました。インターネット上での愛好家の交流がなければ幻の将棋となっていた可能性があります(大将棋などはそうなっている)。
駒の並べ方をみていただくとわかりますが、92枚の駒には「獅子」「麒麟」「酔象」など興味深い名前の駒がたくさんあります。特に「獅子」は中将棋の花形と呼ばれる豪快な駒で、1)全方位に一マス=玉将(王将)と同じ動きができる、2)全方位に二マス。そのとき相手駒が隣接する一マス目にあっても飛び越せる、3)玉将(王将)の動きが一手で2回続けて可能です。
1)と1)、あるいは1)と2)の組み合わせによって、敵駒を2枚獲得できたり、敵駒を獲得して元のマス目に戻り、いながらにして敵駒を取る「居食い」と呼ばれる手ができたり、敵駒のいないマス目に動き、元のマス目に戻ることによって結果的に動かないことになる「じっと」と呼ばれる手があったり(パスと同効果)、なかなか面白そうなのです。
ダイナミックで複雑、難易度が高いと思うのですが、子どもは素直に興味を示し、覚えてしまうようです。捕り駒が使えないというのも大きな特徴で、チェスと同じところが海外で受け入れやすいと聞き及びます。ドイツにも中将棋愛好家の組織があるらしい・・・。
相手の駒を見方につけることができる現在のルールは、後に武家社会で成立して今に至っているそうです。また、水無瀬駒は王将ではなく玉将と玉将が対峙するのが特徴ですが、本来、将棋は金銀銅玉など財宝(貴金属や宝石ですね)の奪い合いだったそうで、後の時代に武士社会で指される将棋において、片方が王将になったという説もあるらしく、興味深いことです。
水無瀬駒ゆかりの水無瀬神宮のある島本町で開催されている中将棋公開大局・中将棋教室は、中将棋の面白さを実際に知っていただく貴重な機会となっています。地味ではあっても実は全国的に注目されつつあります。地味でもよい、文化的・社会的に意義がある取り組みです。
このことを将棋ファンだけではなく、島本町民にももっと知っていただき、応援していただきたいと願っています。島本町のみなさん!将棋に興味のある方もない方も、中将棋公開対局をぜひご覧ください!もちろん町外からのご参加も大歓迎です。みなさんのご来場をお待ちしています。今年はケリヤホールで行われます。※昨日UPしたブログ記事に詳細
画像は、島本町の依頼を受けて熊澤良尊氏が作られた中将棋駒
現在普及している駒よりも厚みがあって重厚な感じです
島本町では紙で盤と駒をつくって、おじいちゃんと
自宅で対戦しているちびっ子(幼稚園児)もいます