徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

どこへ行く、極小設計事務所。

2008-10-27 15:23:49 | 建築つれづれ…
 ここ1年余り頭を痛めていることがある。仕事の中で、我々設計事務所は夢を語り、夢のある建築を目指すことが現実として出てくる。夢というには大袈裟かもしれないが、「こんな建築やってみたい」「今回はこういう建築をやってみよう」と思う。少なくとも自分はそう思って自分のやりたい建築に生命を吹き込んでいるつもりだ。しかしである。例の耐震偽造の姉〇さんのおかげで、建築基準法が昨年6月に大幅に改正された。特に構造分野について…。
 我々のような地方の小さな一設計事務所には大きなダメージだった。大きな夢を見て、立案した建築がいざ詳細設計に入ったときに、法改正のあおりから建築(夢)が実現できない。技術的には実現できるのだけど、極小の地方事務所ではリスクが多すぎるものとなってしまった…。構造的な足かせである。スーパーと言われるゼネコン、大手組織事務所では当たり前にできる構法も、極小事務所では計算ソフトが無いからできないとか、大金を払ってまでそのソフトを買うこともできないとか、かといって大手の事務所等に外注すれば外注費だけで設計料がぶっとんでしまう。そんなこんなで結局、夢をあきらめざるを得ない。すごく残念な結果で、やりたいことに制限がかかり、設計事務所の中での格差が広まる結果になっている。この格差は仕方のないものなのか、あきらめざるを得ないものなのか。
 私は常に自分の意図する建築、やりたい建築を実現したいと思っている。昨年の法改正で仕事・建築が面白くない方向に向かってしまったようで残念である。まさに写真の雑誌のタイトルにあるように、一地方事務所は基準法改正の呪縛にがんじがらめになってしまった。この泥沼を抜け出すには何が必要なのか?、極小事務所が生き残っていくために何をしなければならないのか?。他の事務所と差別化を図っても、夢を実現できないのでは八方ふさがりである…。そんな中で色を出さなくてはいけない…。
コメント
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