三千院内の壁に五戒のポスターが掲示されていたので写真に撮ってきた。五戒は在俗信者の保つべき五つの戒。
不殺生戒(ふせっしょうかい)
不偸盗戒(ふちゅうとうかい)
不邪淫戒(ふじゃいんかい)
不妄語戒(ふもうごかい)
不飲酒戒(ふおんじゅかい)
五戒は南方仏教では在俗信者に授けられるものであるが、日本では宗派により五戒を用いたり、十善戒とか十重禁戒が用いられる。また、戒を用いない宗派もある。
戒は単なるべからず集ではない、窮屈なものでもない。聖人ならざる凡人は善からぬことを考えたり行動をしたりしがちで戒を持つことによって身を律する縁となる。
戒には深い意味がある。般若心経に不生不滅とあるが、生じもせず滅しもしないものは殺しようがない、これが不殺生戒。また不増不減とある増えもしない減りもしないものを盗りようがない、これが不偸盗戒である。
不垢不浄とあるが汚れることもなく浄まることもないものを汚しようがない、これが不邪淫戒。etc
このように生命の実物を戒という実践項目で表現してある。不殺生戒wを例にすれば生命の実物は殺しようがない、殺しようがないものは殺せない、殺せないから殺さない、といういうことになるのである。
しかし、誤って人を殺したらどうなる、戒を破ったのか。破戒なんて簡単いうけれど戒は破れない。殺人犯になったとしても生命の実物からはずれることない、戒は破れない。殺人したような場合は犯戒(ぼんかい)である。
一旦、戒を受ければ「永劫破戒の義なし」なのである。
破れるような戒は受けないこと。