音符「千セン」＜千人の単位＞と「仟セン」「阡セン」「粁キロ」「瓩キロ」「竏キロ」

　　増補改訂しました。
千　セン・ち　　十部　　　　　 　　　　

解字　甲骨文字の時代は、人の発音と千の発音が近くほぼ同じだったため、人に一をくわえた「人＋一」で千の意味を表した［甲骨文字辞典］。百が白と同じ発音だったため「白＋一」で百とした手法と同じ造字法である。音符「百」を参照。部首の十は検索のためつけたもので、成立ちとは無関係。
意味　（１）せん（千）。百の十倍。「千載センザイ」（千年）「千羽鶴せんばづる」　（２）数の多いさま。ち（千）。「千金センキン」（大金）「千草ちぐさ」「千客万来センキャクバンライ」「一騎当千イッキトウセン」

イメージ　
　「数の１０００」（千・仟・粁・瓩・竏）
　「形声字」（阡）
音の変化　　セン：千・仟・阡　　キロ：粁・瓩・竏

数の１０００
仟　セン　　イ部
解字　「イ（ひと）＋千（１０００）」の会意形声。千人の人。１０００人のかしらの意。また、千の代わりに用いられる。
意味　（１）数の千。金銭証書などで千の代わりに用いられる。「五仟円」（＝五千円）　（２）かしら。千人のかしら。「仟佰センバク」（①千人の長と百人の長。②千百の意。③田の畔道。南北の通りを仟といい東西を佰という）
粁 ＜国字＞　キロメートル　　米部
解字　「米（メートル）＋千（１０００）」の会意。１０００メートルの意。米ベイは、中国で「ミィ」と発音されmeter（メートル）にあてることから、日本でも１メートルにあてた。
意味　キロメートル。長さの単位。１粁は１０００メートル。「５粁ゴキロメートル」
瓩 ＜国字＞　キログラム　　瓦部
解字　「瓦（グラム）＋千（１０００）」の会意。１０００グラムの意。瓦ガ（かわら）は、一枚一枚の重さが同じであることから重量の単位にあてた。
意味　キログラム（瓩）。重さの単位。１瓩は１０００グラム。「６瓩ロクキログラム」
竏 ＜国字＞　キロリットル　　立部
解字　「立（リットル）＋千（１０００）」の会意。１０００リットルの意。立リツは立方体のイメージから容量の単位にあてた。
意味　キロリットル（竏）。容量の単位。１竏は１０００リットル。「７竏ななキロリットル」

形声字
阡　セン・みち　　阝部こざと
解字　「阝（うね）＋千（セン）」の形声。阝（こざと）は、一般に丘や山の意で用いられるが、ここで田のあいだの畝（うね）の道の意。百を横、千をタテと見なし、タテの道を阡センという。横の道は陌ハクという。
覚え方　一は、横一線なので東西、十は二画目をタテに描くので南北、これに準じ、桁の変わる百は横で東西、千はタテで南北と覚える。
意味　（１）みち（阡）。あぜみち。「阡陌センバク」（田のあぜみち。東西を陌、南北を阡という） （２）はかみち。陵墓の入り口は南が多く、墓道は南北道になることが多い。「阡表センビョウ」（墓道に立てる碑） （３）しげる。「芊セン」（草がさかんにしげる）に通じ、草のしげるさま。「阡阡センセン」（草のしげるさま。＝芊芊センセン） （４）数字の千。＝千・仟。
＜紫色は常用漢字＞

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