増補改訂しました。
爿 ショウ 爿部


下は 疒(やまいだれ)
解字 爿は木製のベッド(寝台)や、物を置く台をタテに描いた象形。甲骨文字は単独で原義の使用例はないが、疒(やまいだれ)の字などに含まれている。新字体に用いられるとき、爿⇒丬に変化する。
意味 (1)だい。物をのせる長い台。寝台。
参考 爿は部首「爿しょうへん」になる。漢字の左辺(偏)について木の板や長いなどの意味を表す。しかし、この部首は非常に少なく主な字は、牆ショウ・かき(爿+音符「嗇ショク」)しかない。
イメージ
「細長い台」(爿・牀)
「形声字」(状・妝)
音の変化 ショウ:爿・牀・妝 ジョウ:状
細長い台
牀 ショウ・ソウ 木部
解字 「木(いた)+爿(細長い台)」の会意形声。木製の寝台や腰かけをいう。日本では床ショウがよく使われるが、この本字。
意味 (1)ねどこ。寝台。「病牀ビョウショウ」(=病床)「対牀風雪タイショウフウセツ」(隣同士の寝床で吹雪の夜に友人と語りあかすこと) (2)こしかけ。「牀机ショウギ=床几」(①細長いこしかけ。②折りたたみ式のこしかけ) (3)物を置く台。
形声字
状 ジョウ・かたち 犬部
解字 旧字は狀で「犬(いぬ)+爿(ショウ⇒ジョウ)」の形声。[説文解字]は「犬の形(かたち)也。犬に従い爿ショウの聲(声)」とし、犬のかたちとする。この意味から転じて、形状・形状の貌(ありさま)の意味になった。新字体は、狀⇒状に変化する。
意味 (1)かたち。すがた。「形状ケイジョウ」「環状カンジョウ」 (2)ものの様子やすがた。ありさま。「状況ジョウキョウ」「状態ジョウタイ」「情況ジョウキョウ」 (3)書き付け。てがみ。「書状ショジョウ」「紹介状ショウカイジョウ」
妝 ショウ・ソウ・よそおう 女部
解字 「女(おんな)+爿(ショウ)」の形声。[説文解字]の上記「狀(状)」の解字を踏襲すると、「女の形(かたち)也」となるが、実際は「飾る也」とし、女がその容貌を飾ることをいう。現代中国で化粧する意は、この略字(妆)が使われる。
意味 よそおう(妝う)。よそおい。化粧する。「妝楼ショウロウ」(化粧部屋)「妝匣ショウコウ」(化粧箱)「妝梳ショウソ」(髪をとき化粧する。梳は、くしけずる意)
壮 ソウ<大きな男>
壮 [壯] ソウ・ショウ・さかん 士部

解字 旧字は壯で「爿(ショウ)+士(おとこ)」の会意形声。爿ショウは木製のベッド(寝台)や、物を置く台をタテに描いた象形。士はおとこ。タテにした長い台と士(おとこ)を並べた形で、背の高い堂々とした男の意となる。[説文解字]は「大也。士に従い爿の聲(声)。発音は「側亮切(ソウ)」とする。新字体は旧字の爿⇒丬 に略された状になる。
意味 (1)おおきい。大きい男。 (2)充実した年頃。「壮年ソウネン」(働き盛りの年頃。三十歳前後)「壮丁ソウテイ」(①壮年の男子。②夫役や軍役の壮年男子)「壮健ソウケン」(元気でたっしゃ) (3)さかん(壮ん)。勇ましい。「勇壮ユウソウ」「壮絶ソウゼツ」「壮挙ソウキョ」(めざましいくわだて) (3)大きくて立派。「壮観ソウカン」「豪壮ゴウソウ」
イメージ
「大きな男」(壮・装・奘[弉])
「形声字」(荘)
音の変化 ソウ:壮・装・荘 ジョウ:奘[弉]
大きな男
装 ソウ・ショウ・よそおう 衣部
解字 旧字は裝で 「衣(ころも)+壯(大きな男)」 の形声。大きな男が身ごしらえを整えること。転じて、男女に限らず「よそおう」「表面を飾る」意となる。[説文解字]は「裹カ(つつむ)也。衣に従い壯の聲(声)。(発音は)側羊切(ソウ)とする。また[唐韻]などの韻書は「音は莊ソウ。意味は裝束ショウゾク(身支度すること)也」とし、身支度をととのえる意とする。新字体は装になる。
意味 (1)よそおう(装う)。よそおい。「服装フクソウ」「武装ブソウ」 (2)飾る。見栄えを整える。「装飾ソウショク」「装丁ソウテイ」(本の表紙をつけ外形を整える) (3)取り付ける。「装備ソウビ」「装置ソウチ」
奘[弉] ソウ・ショウ・ジョウ・さかん 大部
解字 「大(おおきい)+壯(大きな男)」 の会意形声。大きく立派な男。弉ソウは異体字。
意味 (1)さかん(奘ん)。壮大。おおきい。「奘腰ショウヨウ」(大きな腰。たくましい) (2)人名。唐代の僧の名。「玄奘三蔵ゲンジョウサンゾウ」(長安から天山南路でインドに入り仏典を学び帰国後、多くの仏典を翻訳した。『大唐西域記』『西遊記』を著わす) (3)日本神話の人名。「伊弉諾尊いざなぎのみこと」(日本神話で伊弉冉尊(いざなみのみこと)と共に日本の国土や神を生んだ男神)
形声字
荘 ソウ・ショウ・おごそか 艸部
解字 旧字は莊で「艸(くさ)+壯(ソウ)」の形声。壯は、さかんなどの意味があるが、草をつけて様々な意味に用いる。①田舎の家。②みせ。やど。③おごそか、などの意味になる。新字体は荘になる。
意味 (1)納屋。田舎の家。いなか。「村荘ソンソウ」「別荘ベッソウ」 (2)みせ。やど。「茶荘チャソウ」(茶葉や茶具を売る店)「旅荘リョソウ」(旅館) (3)おごそか(荘か)。「荘厳ソウゴン・ショウゴン」(荘も厳も、おごそかの意)「荘重ソウチョウ」(おごそかで重々しい) (4)[国]中世の貴族や社寺の私有地。「荘園ショウエン」
<紫色は常用漢字>
片 ヘン・かた 片部

上が片、下が木
解字 木の右半分を残した形で、木片・木切れ(いずれも木の切れ端の意)を表した字。楚簡(東周)の片は[漢字字形史字典]による。片の下に同じ年代の「木」を配した。楚と篆文(説文解字)の片と木を比較すると、木の右半分を残したかたちであることが判る。現代の木の右半分から、片を想像することはできない。
私はこれまで[字統]の「版築工事に用いる型枠の板の象形で、「爿ショウ」と対面するもう一方の板を片という。爿と片で両側のあて木の形」という説を掲載していたが、ここに訂正させていだだきます。
意味 (1)かた(片)。かたほう。「片腕かたうで」「片方かたホウ」 (2)きれはし。かけら。「木片モクヘン」「片雲ヘンウン」(ちぎれぐも) (3)わずか。「片言かたこと」「片時かたとき」
参考 片は部首「片かた・かたへん」になる。漢字の左辺(偏)につき、木の薄い板の意味を表す。常用漢字は版ハンのみ。主な字は以下のとおり。
片ヘン・かた(部首)
版ハン(片+音符「反ハン」)
牌ハイ(片+音符「卑ヒ⇒ハイ」)
牒チョウ(片+音符「枼ヨウ⇒チョウ」)
<紫色は常用漢字>
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爿 ショウ 爿部


下は 疒(やまいだれ)
解字 爿は木製のベッド(寝台)や、物を置く台をタテに描いた象形。甲骨文字は単独で原義の使用例はないが、疒(やまいだれ)の字などに含まれている。新字体に用いられるとき、爿⇒丬に変化する。
意味 (1)だい。物をのせる長い台。寝台。
参考 爿は部首「爿しょうへん」になる。漢字の左辺(偏)について木の板や長いなどの意味を表す。しかし、この部首は非常に少なく主な字は、牆ショウ・かき(爿+音符「嗇ショク」)しかない。
イメージ
「細長い台」(爿・牀)
「形声字」(状・妝)
音の変化 ショウ:爿・牀・妝 ジョウ:状
細長い台
牀 ショウ・ソウ 木部
解字 「木(いた)+爿(細長い台)」の会意形声。木製の寝台や腰かけをいう。日本では床ショウがよく使われるが、この本字。
意味 (1)ねどこ。寝台。「病牀ビョウショウ」(=病床)「対牀風雪タイショウフウセツ」(隣同士の寝床で吹雪の夜に友人と語りあかすこと) (2)こしかけ。「牀机ショウギ=床几」(①細長いこしかけ。②折りたたみ式のこしかけ) (3)物を置く台。
形声字
状 ジョウ・かたち 犬部
解字 旧字は狀で「犬(いぬ)+爿(ショウ⇒ジョウ)」の形声。[説文解字]は「犬の形(かたち)也。犬に従い爿ショウの聲(声)」とし、犬のかたちとする。この意味から転じて、形状・形状の貌(ありさま)の意味になった。新字体は、狀⇒状に変化する。
意味 (1)かたち。すがた。「形状ケイジョウ」「環状カンジョウ」 (2)ものの様子やすがた。ありさま。「状況ジョウキョウ」「状態ジョウタイ」「情況ジョウキョウ」 (3)書き付け。てがみ。「書状ショジョウ」「紹介状ショウカイジョウ」
妝 ショウ・ソウ・よそおう 女部
解字 「女(おんな)+爿(ショウ)」の形声。[説文解字]の上記「狀(状)」の解字を踏襲すると、「女の形(かたち)也」となるが、実際は「飾る也」とし、女がその容貌を飾ることをいう。現代中国で化粧する意は、この略字(妆)が使われる。
意味 よそおう(妝う)。よそおい。化粧する。「妝楼ショウロウ」(化粧部屋)「妝匣ショウコウ」(化粧箱)「妝梳ショウソ」(髪をとき化粧する。梳は、くしけずる意)
壮 ソウ<大きな男>
壮 [壯] ソウ・ショウ・さかん 士部

解字 旧字は壯で「爿(ショウ)+士(おとこ)」の会意形声。爿ショウは木製のベッド(寝台)や、物を置く台をタテに描いた象形。士はおとこ。タテにした長い台と士(おとこ)を並べた形で、背の高い堂々とした男の意となる。[説文解字]は「大也。士に従い爿の聲(声)。発音は「側亮切(ソウ)」とする。新字体は旧字の爿⇒丬 に略された状になる。
意味 (1)おおきい。大きい男。 (2)充実した年頃。「壮年ソウネン」(働き盛りの年頃。三十歳前後)「壮丁ソウテイ」(①壮年の男子。②夫役や軍役の壮年男子)「壮健ソウケン」(元気でたっしゃ) (3)さかん(壮ん)。勇ましい。「勇壮ユウソウ」「壮絶ソウゼツ」「壮挙ソウキョ」(めざましいくわだて) (3)大きくて立派。「壮観ソウカン」「豪壮ゴウソウ」
イメージ
「大きな男」(壮・装・奘[弉])
「形声字」(荘)
音の変化 ソウ:壮・装・荘 ジョウ:奘[弉]
大きな男
装 ソウ・ショウ・よそおう 衣部
解字 旧字は裝で 「衣(ころも)+壯(大きな男)」 の形声。大きな男が身ごしらえを整えること。転じて、男女に限らず「よそおう」「表面を飾る」意となる。[説文解字]は「裹カ(つつむ)也。衣に従い壯の聲(声)。(発音は)側羊切(ソウ)とする。また[唐韻]などの韻書は「音は莊ソウ。意味は裝束ショウゾク(身支度すること)也」とし、身支度をととのえる意とする。新字体は装になる。
意味 (1)よそおう(装う)。よそおい。「服装フクソウ」「武装ブソウ」 (2)飾る。見栄えを整える。「装飾ソウショク」「装丁ソウテイ」(本の表紙をつけ外形を整える) (3)取り付ける。「装備ソウビ」「装置ソウチ」
奘[弉] ソウ・ショウ・ジョウ・さかん 大部
解字 「大(おおきい)+壯(大きな男)」 の会意形声。大きく立派な男。弉ソウは異体字。
意味 (1)さかん(奘ん)。壮大。おおきい。「奘腰ショウヨウ」(大きな腰。たくましい) (2)人名。唐代の僧の名。「玄奘三蔵ゲンジョウサンゾウ」(長安から天山南路でインドに入り仏典を学び帰国後、多くの仏典を翻訳した。『大唐西域記』『西遊記』を著わす) (3)日本神話の人名。「伊弉諾尊いざなぎのみこと」(日本神話で伊弉冉尊(いざなみのみこと)と共に日本の国土や神を生んだ男神)
形声字
荘 ソウ・ショウ・おごそか 艸部
解字 旧字は莊で「艸(くさ)+壯(ソウ)」の形声。壯は、さかんなどの意味があるが、草をつけて様々な意味に用いる。①田舎の家。②みせ。やど。③おごそか、などの意味になる。新字体は荘になる。
意味 (1)納屋。田舎の家。いなか。「村荘ソンソウ」「別荘ベッソウ」 (2)みせ。やど。「茶荘チャソウ」(茶葉や茶具を売る店)「旅荘リョソウ」(旅館) (3)おごそか(荘か)。「荘厳ソウゴン・ショウゴン」(荘も厳も、おごそかの意)「荘重ソウチョウ」(おごそかで重々しい) (4)[国]中世の貴族や社寺の私有地。「荘園ショウエン」
<紫色は常用漢字>
片 ヘン・かた 片部

上が片、下が木
解字 木の右半分を残した形で、木片・木切れ(いずれも木の切れ端の意)を表した字。楚簡(東周)の片は[漢字字形史字典]による。片の下に同じ年代の「木」を配した。楚と篆文(説文解字)の片と木を比較すると、木の右半分を残したかたちであることが判る。現代の木の右半分から、片を想像することはできない。
私はこれまで[字統]の「版築工事に用いる型枠の板の象形で、「爿ショウ」と対面するもう一方の板を片という。爿と片で両側のあて木の形」という説を掲載していたが、ここに訂正させていだだきます。
意味 (1)かた(片)。かたほう。「片腕かたうで」「片方かたホウ」 (2)きれはし。かけら。「木片モクヘン」「片雲ヘンウン」(ちぎれぐも) (3)わずか。「片言かたこと」「片時かたとき」
参考 片は部首「片かた・かたへん」になる。漢字の左辺(偏)につき、木の薄い板の意味を表す。常用漢字は版ハンのみ。主な字は以下のとおり。
片ヘン・かた(部首)
版ハン(片+音符「反ハン」)
牌ハイ(片+音符「卑ヒ⇒ハイ」)
牒チョウ(片+音符「枼ヨウ⇒チョウ」)
<紫色は常用漢字>
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