愛 アイ・いとしい・めでる 心部 ài
上は愛、下は旡キ
解字 下の旡キの甲骨文字は、ひざまずく人が後ろを向いて口を開いている形の象形。甲骨文字ではご馳走を盛った食器の傍らに旡が置かれ、ご馳走を食べ終わり、満腹して後ろを向いてあくびをする形の既(旣)キがあり、食べることが「すでに終わる・(お腹が)いっぱいになる」意となる。戦国は[説文解字]の古文と同じ時代で、甲骨のひざまずく人⇒脚をひろげた形に変化している。篆文の愛は「旡キ(満ち足りて後ろを振り返る人=既キ。説文古文の変化形)+心(こころ)+夊(下向きの足)」の会意。心が満ち足りて、夊スイ(足)でたたずむ人のかたち。愛の本来の意味は心に満ちる意で、転じて心に満ちる対象となる物を愛する意となる。漢代の隷書の変化をへて現代字は、旡キ⇒「ノツ冖」に変化し、夊⇒夂に変化した愛になった。
意味 (1)あいする(愛する)。いとしい(愛しい)。かわいがる。「愛育アイイク」「愛犬アイケン」 (2)異性を恋いしたう。「恋愛レンアイ」 (3)めでる(愛でる)。このむ。「愛好アイコウ」「愛用アイヨウ」 (4)大切にする。「愛護アイゴ」「自愛ジアイ」
イメージ
「あいする」(愛)
心に満ちる意から「おおわれる」(曖・靉・薆)
「形声字」(噯)
音の変化 アイ:愛・噯・曖・靉・薆
おおわれる
曖 アイ・くらい 日部 ài
解字 「日(ひ)+愛(おおわれる)」の会意形声。日がおおわれて陰(かげ)ること。
意味 (1)くらい(曖い)。ほの暗い。「曖然アイゼン」(うす暗いさま) (2)かげる。日がかげって明らかでない。「曖昧アイマイ」(はっきりしない)
靉 アイ 雨部 ài
解字 「雲(くも)+愛(おおわれる)」の会意形声。雲でおおわれること。
意味 雲がたなびく。「靉靉アイアイ」(①雲がさかんにたなびくさま。②樹木がさかんに茂るさま)「靉靆アイタイ」(①雲がたなびいているさま。 ②暗いさま)
薆 アイ 艸部 ài
解字 「艸(くさ)+愛(おおわれる)」の会意形声。草におおわれること。また、おおわれてくらいこと。
意味 (1)かくす。おおう。かげる。「薆薆アイアイ」(かげる) (2)草木が茂る。「蓊薆オウアイ」(草木がしげるさま) (3)くらい。「薆然アイゼン」(くらいさま)「薆昧アイマイ」(くらい)
形声字
噯 アイ・おくび・ああ 口部 ǎi・ài・āi
解字 「口(くち)+愛(アイ)」の形声。口からでる息を噯アイという。また、おくび(げっぷ)の意味で用いる。
意味 (1)ああ(噯)。おや。まあ。口から出る感動や感嘆の声。また、応答を表す言葉。 (2)おくび(噯)。げっぷ。胃の中にたまったガスが口から出たもの。「噯気アイキ・おくび」「噯気(おくび)にもださぬ」(心で思っていても、そぶりに出さないこと)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
上は愛、下は旡キ
解字 下の旡キの甲骨文字は、ひざまずく人が後ろを向いて口を開いている形の象形。甲骨文字ではご馳走を盛った食器の傍らに旡が置かれ、ご馳走を食べ終わり、満腹して後ろを向いてあくびをする形の既(旣)キがあり、食べることが「すでに終わる・(お腹が)いっぱいになる」意となる。戦国は[説文解字]の古文と同じ時代で、甲骨のひざまずく人⇒脚をひろげた形に変化している。篆文の愛は「旡キ(満ち足りて後ろを振り返る人=既キ。説文古文の変化形)+心(こころ)+夊(下向きの足)」の会意。心が満ち足りて、夊スイ(足)でたたずむ人のかたち。愛の本来の意味は心に満ちる意で、転じて心に満ちる対象となる物を愛する意となる。漢代の隷書の変化をへて現代字は、旡キ⇒「ノツ冖」に変化し、夊⇒夂に変化した愛になった。
意味 (1)あいする(愛する)。いとしい(愛しい)。かわいがる。「愛育アイイク」「愛犬アイケン」 (2)異性を恋いしたう。「恋愛レンアイ」 (3)めでる(愛でる)。このむ。「愛好アイコウ」「愛用アイヨウ」 (4)大切にする。「愛護アイゴ」「自愛ジアイ」
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「あいする」(愛)
心に満ちる意から「おおわれる」(曖・靉・薆)
「形声字」(噯)
音の変化 アイ:愛・噯・曖・靉・薆
おおわれる
曖 アイ・くらい 日部 ài
解字 「日(ひ)+愛(おおわれる)」の会意形声。日がおおわれて陰(かげ)ること。
意味 (1)くらい(曖い)。ほの暗い。「曖然アイゼン」(うす暗いさま) (2)かげる。日がかげって明らかでない。「曖昧アイマイ」(はっきりしない)
靉 アイ 雨部 ài
解字 「雲(くも)+愛(おおわれる)」の会意形声。雲でおおわれること。
意味 雲がたなびく。「靉靉アイアイ」(①雲がさかんにたなびくさま。②樹木がさかんに茂るさま)「靉靆アイタイ」(①雲がたなびいているさま。 ②暗いさま)
薆 アイ 艸部 ài
解字 「艸(くさ)+愛(おおわれる)」の会意形声。草におおわれること。また、おおわれてくらいこと。
意味 (1)かくす。おおう。かげる。「薆薆アイアイ」(かげる) (2)草木が茂る。「蓊薆オウアイ」(草木がしげるさま) (3)くらい。「薆然アイゼン」(くらいさま)「薆昧アイマイ」(くらい)
形声字
噯 アイ・おくび・ああ 口部 ǎi・ài・āi
解字 「口(くち)+愛(アイ)」の形声。口からでる息を噯アイという。また、おくび(げっぷ)の意味で用いる。
意味 (1)ああ(噯)。おや。まあ。口から出る感動や感嘆の声。また、応答を表す言葉。 (2)おくび(噯)。げっぷ。胃の中にたまったガスが口から出たもの。「噯気アイキ・おくび」「噯気(おくび)にもださぬ」(心で思っていても、そぶりに出さないこと)
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