<神意にしたがう>
如 ジョ・ニョ・ごとし 女部 rú

解字 甲骨文字は「口(祭器)+女(ジョ)」の会意形声。[甲骨文字辞典]は「口はおそらく祭器の口サイであり、儀礼の様子と思われるが、人名の用例しかなく原義は確実ではない」とする。一方、[字通]は全体の意味について「口サイは祭器、女は巫女(みこ)」で、巫女が祭器(祝祷トウ・神への祈りを収める器)を前に神へ願いをかけ、また、その結果として神のお告げを受ける状態をいう。そこから神意を「はかる」、神意に「したがう」意となる。また、祈祷や神託をうける時に、神がかりとなる動作を伴ったものと思われる。そんな巫女の状態をあらわす「ごとし」の意となる、とする。
意味 (1)いかがか。「如何いかん・いかが」(2)したがう。「如意ニョイ」(意にしたがう。思うようになる)(3)ごとし(如し)。状態を表わす。「如実ニョジツ」「欠如ケツジョ」(欠けていること)「如雨露ジョウロ」(雨露の如し。草木などに水を一面にかける道具。ジョロ。語源は、ポルトガル語のjorroの当て字とする説もある)(4)もし(如し)。仮定。(5)「如月きさらぎ」とは、陰暦2月の別称。
イメージ
「神意にしたがう」(如・恕)
意味(3)の「ごとし」(絮・茹)
「形声字」(洳)
音の変化 ジョ:如・恕・茹・絮・洳
神意にしたがう
恕 ジョ・ゆるす 心部 shù
解字 「心(こころ)+如(神意にしたがう)」の会意形声。神意にしたがう心。神の大きな心で相手をおもいやり、ゆるすこと。
意味 (1)おもいやり。いつくしみ。「忠恕チュウジョ」(真心とおもいやりがあること)(2)ゆるす(恕す)。とがめず大目にみる。「寛恕カンジョ」(ひろい心でゆるすこと)「宥恕ユウジョ」(ゆるすこと。宥も恕も、ゆるす意)
ごとし
絮 ジョ・わた 糸部 xù
解字 「糸(いと)+如(ごとし)」の会意形声。糸のごとしの意で、古くはマユ(繭)から作った真綿(まわた)を言い、のち栽培植物の綿(わた)も言う。

柳絮(「柳のふわふわ柳絮」より)
意味 (1)わた(絮)。まわた(真綿)。のち、綿わた。古いわた。(2)柳のわた毛。柳は楊ヨウ(葉の垂れないヤナギ)も含めて言う。「柳絮リュウジョ」(春に柳の熟した実から綿毛をもった種子が飛び散るさま。また、柳のわた毛)(3)(まわたのように)こんがらかってつながる。「絮説ジョセツ」(くどくどした説明=絮語ジョゴ)
茹 ジョ・くう・ゆでる 艸部 rú
解字 「艸(草)+如(ごとし)」の会意形声。草のごとしの意から、葉物の野菜をいい、また、その野菜を食べる意。日本では、野菜をゆでてやわらかくする意で使われる。
意味 (1)野菜。「茹菽ジョシュク」(野菜と豆)(2)くう(茹う)。野菜をたべる。「茹菜ジョサイ」(野菜をたべる)「茹葷ジョクン」(ニンニクなどのにおいの強い野菜をたべる)(3)[国]ゆでる(茹でる)。ゆでたもの。「茹(ゆ)で卵」(4)[国]うだる(茹だる)。暑さのため体がぐったりする。
形声字
洳 ジョ・ニョ 氵部 rù
解字 「氵(水)+如(ジョ)」の形声。ジョという名の川をいう。また、水のうるおうさま。ぬかるみをいう。
意味 (1)川の名。「洳河ジョカ」(河北省東部を南流する川)(2)水にうるおう。「沮洳ショジョ」(ぬかるみ。低湿地。沮も洳も、湿気の多い地の意)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
如 ジョ・ニョ・ごとし 女部 rú

解字 甲骨文字は「口(祭器)+女(ジョ)」の会意形声。[甲骨文字辞典]は「口はおそらく祭器の口サイであり、儀礼の様子と思われるが、人名の用例しかなく原義は確実ではない」とする。一方、[字通]は全体の意味について「口サイは祭器、女は巫女(みこ)」で、巫女が祭器(祝祷トウ・神への祈りを収める器)を前に神へ願いをかけ、また、その結果として神のお告げを受ける状態をいう。そこから神意を「はかる」、神意に「したがう」意となる。また、祈祷や神託をうける時に、神がかりとなる動作を伴ったものと思われる。そんな巫女の状態をあらわす「ごとし」の意となる、とする。
意味 (1)いかがか。「如何いかん・いかが」(2)したがう。「如意ニョイ」(意にしたがう。思うようになる)(3)ごとし(如し)。状態を表わす。「如実ニョジツ」「欠如ケツジョ」(欠けていること)「如雨露ジョウロ」(雨露の如し。草木などに水を一面にかける道具。ジョロ。語源は、ポルトガル語のjorroの当て字とする説もある)(4)もし(如し)。仮定。(5)「如月きさらぎ」とは、陰暦2月の別称。
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「神意にしたがう」(如・恕)
意味(3)の「ごとし」(絮・茹)
「形声字」(洳)
音の変化 ジョ:如・恕・茹・絮・洳
神意にしたがう
恕 ジョ・ゆるす 心部 shù
解字 「心(こころ)+如(神意にしたがう)」の会意形声。神意にしたがう心。神の大きな心で相手をおもいやり、ゆるすこと。
意味 (1)おもいやり。いつくしみ。「忠恕チュウジョ」(真心とおもいやりがあること)(2)ゆるす(恕す)。とがめず大目にみる。「寛恕カンジョ」(ひろい心でゆるすこと)「宥恕ユウジョ」(ゆるすこと。宥も恕も、ゆるす意)
ごとし
絮 ジョ・わた 糸部 xù
解字 「糸(いと)+如(ごとし)」の会意形声。糸のごとしの意で、古くはマユ(繭)から作った真綿(まわた)を言い、のち栽培植物の綿(わた)も言う。

柳絮(「柳のふわふわ柳絮」より)
意味 (1)わた(絮)。まわた(真綿)。のち、綿わた。古いわた。(2)柳のわた毛。柳は楊ヨウ(葉の垂れないヤナギ)も含めて言う。「柳絮リュウジョ」(春に柳の熟した実から綿毛をもった種子が飛び散るさま。また、柳のわた毛)(3)(まわたのように)こんがらかってつながる。「絮説ジョセツ」(くどくどした説明=絮語ジョゴ)
茹 ジョ・くう・ゆでる 艸部 rú
解字 「艸(草)+如(ごとし)」の会意形声。草のごとしの意から、葉物の野菜をいい、また、その野菜を食べる意。日本では、野菜をゆでてやわらかくする意で使われる。
意味 (1)野菜。「茹菽ジョシュク」(野菜と豆)(2)くう(茹う)。野菜をたべる。「茹菜ジョサイ」(野菜をたべる)「茹葷ジョクン」(ニンニクなどのにおいの強い野菜をたべる)(3)[国]ゆでる(茹でる)。ゆでたもの。「茹(ゆ)で卵」(4)[国]うだる(茹だる)。暑さのため体がぐったりする。
形声字
洳 ジョ・ニョ 氵部 rù
解字 「氵(水)+如(ジョ)」の形声。ジョという名の川をいう。また、水のうるおうさま。ぬかるみをいう。
意味 (1)川の名。「洳河ジョカ」(河北省東部を南流する川)(2)水にうるおう。「沮洳ショジョ」(ぬかるみ。低湿地。沮も洳も、湿気の多い地の意)
<紫色は常用漢字>
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