増訂しました。
能 ノウ・ドウ・よく 月部にく néng・nài

解字 金文はクマの形の象形。「b形+月」が頭で、そこから伸びた横線が胴体と尾、下にヒ形の脚が二つ付く。篆文は「上にƧ形+月+ヒヒ」となり、現代字は能になった。意味は借音の用法で、よく・できる・はたらき等の意味で使われるようになった。能の音符を含む字は、「できる力を持つ」イメージを持つ。
意味 (1)よくできる。あたう。よく(能く)。「能力ノウリョク」「能弁ノウベン」(2)はたらき。わざ。ききめ。「能率ノウリツ」「効能コウノウ」(3)[国]のう(能)。能楽のこと。「能面ノウメン」
イメージ
「できる力をもつ」(能・態・罷・擺・熊・羆)
音の変化 ノウ:能 タイ:態 ハイ:擺 ヒ:罷・羆 ユウ:熊
できる力をもつ
態 タイ・さま 心部 tài
解字 「心(こころ)+能(できる力をもつ)」の会意形声。ある物事をできるという心構えがあること。また、そのすがた・かたち・ようすの意味になる。
意味 (1)心がまえ。身がまえ。「態勢タイセイ」「態度タイド」(2)さま(態)。すがた。かたち。ようす。「状態ジョウタイ」「奇態キタイ」「醜態シュウタイ」(はずかしいさま)(3)[国]わざと(態と)。わざわざ。
罷 ヒ・やめる・まかる 罒部 bà・ba・pí
解字 「罒(=网。あみ)+能(できる力をもつ)」の会意。できる力のある者が網にかかったように動けなくなる意。
意味 (1)やめる(罷める)。「罷業ヒギョウ」(業務を罷めること。ストライキ)(2)役目をやめさせる。「罷免ヒメン」(3)つかれる。「罷弱ヒジャク」(4)まかる(罷る)。退出する。死ぬの丁寧語。
擺 ハイ・ひらく 扌部 bǎi
解字 「扌(て)+罷(網にかかって動けなくなる)」の会意。かかった網を手でひらくこと。
意味 (1)ひらく(擺く)。「擺脱ハイダツ」(ひらいてぬけでる)「擺宴ハイエン」(開宴する)(2)ふるう。ふるいさる。「擺落ハイラク」(ふるいおとす)「擺手ハイシュ」(手をふる)「擺動ハイドウ」(ゆりうごかす)
熊 ユウ・くま 灬部 xióng
解字 「灬(火)+能(能く)」の会意。火がよく燃えあがること。火が盛んに燃える様子で「熊熊ユウユウ」(火の光がかがやくさま)の意味がある。クマの本来の字である能が「能ノウ・できる」になったので、この字を動物のクマの字に当てた。したがって発音もユウに変化している。
覚え方 「ム(む)月(つき)ヒヒ灬(テン・テン・テン・テン)」火が変化した烈火(灬)を四つ足と見なして覚える。
意味 (1)くま(熊)。日本の本土に生息するのは、黒毛で喉に三日月形の白斑をもつツキノワグマである。「熊掌ユウショウ」(熊の手のひら。および、その肉)「熊手くまで」(熊の手のかたちをした落葉などをかき寄せる竹製の道具)「熊襲くまそ」(古代、九州南部に住んだ部族の名)「熊猫パンダ」(2)普通より大きい。「熊笹くまざさ」「熊蜂くまばち」(3)地名。「熊谷くまがや」「熊本くまもと」「熊野くまの」(4)姓。「熊谷くまがい」「熊沢くまざわ」
羆 ヒ・ひぐま 罒部 pí

日本のひぐま(「のぼりべつクマ牧場」より)
解字 「熊(くま)+罷ヒの略体(罒)」の形声。罷ヒという発音の熊で、罷ヒを省略した罒をつけて羆ヒとした字。大型の熊をいう。
意味 ひぐま(羆)。クマ科の哺乳動物。日本では北海道のみに生息する。大型で気性は荒く、しばしば人畜を襲う。胆嚢は薬用、毛皮は敷物などに利用される。日本では古くから羆を「四(し)+熊(くま)」と解釈して、「しくま」と呼んでいた。中国ネットの羆の説明は「熊の一種、即ち棕熊ソウユウ、又(また)馬熊と叫ぶ、毛は棕褐色、能く樹に爬(ひっかきのぼ)る、游泳ができる」とする。棕ソウは棕櫚シュロで茶褐色をいう。

中国のヒグマ(中国ネットから)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
能 ノウ・ドウ・よく 月部にく néng・nài

解字 金文はクマの形の象形。「b形+月」が頭で、そこから伸びた横線が胴体と尾、下にヒ形の脚が二つ付く。篆文は「上にƧ形+月+ヒヒ」となり、現代字は能になった。意味は借音の用法で、よく・できる・はたらき等の意味で使われるようになった。能の音符を含む字は、「できる力を持つ」イメージを持つ。
意味 (1)よくできる。あたう。よく(能く)。「能力ノウリョク」「能弁ノウベン」(2)はたらき。わざ。ききめ。「能率ノウリツ」「効能コウノウ」(3)[国]のう(能)。能楽のこと。「能面ノウメン」
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「できる力をもつ」(能・態・罷・擺・熊・羆)
音の変化 ノウ:能 タイ:態 ハイ:擺 ヒ:罷・羆 ユウ:熊
できる力をもつ
態 タイ・さま 心部 tài
解字 「心(こころ)+能(できる力をもつ)」の会意形声。ある物事をできるという心構えがあること。また、そのすがた・かたち・ようすの意味になる。
意味 (1)心がまえ。身がまえ。「態勢タイセイ」「態度タイド」(2)さま(態)。すがた。かたち。ようす。「状態ジョウタイ」「奇態キタイ」「醜態シュウタイ」(はずかしいさま)(3)[国]わざと(態と)。わざわざ。
罷 ヒ・やめる・まかる 罒部 bà・ba・pí
解字 「罒(=网。あみ)+能(できる力をもつ)」の会意。できる力のある者が網にかかったように動けなくなる意。
意味 (1)やめる(罷める)。「罷業ヒギョウ」(業務を罷めること。ストライキ)(2)役目をやめさせる。「罷免ヒメン」(3)つかれる。「罷弱ヒジャク」(4)まかる(罷る)。退出する。死ぬの丁寧語。
擺 ハイ・ひらく 扌部 bǎi
解字 「扌(て)+罷(網にかかって動けなくなる)」の会意。かかった網を手でひらくこと。
意味 (1)ひらく(擺く)。「擺脱ハイダツ」(ひらいてぬけでる)「擺宴ハイエン」(開宴する)(2)ふるう。ふるいさる。「擺落ハイラク」(ふるいおとす)「擺手ハイシュ」(手をふる)「擺動ハイドウ」(ゆりうごかす)
熊 ユウ・くま 灬部 xióng
解字 「灬(火)+能(能く)」の会意。火がよく燃えあがること。火が盛んに燃える様子で「熊熊ユウユウ」(火の光がかがやくさま)の意味がある。クマの本来の字である能が「能ノウ・できる」になったので、この字を動物のクマの字に当てた。したがって発音もユウに変化している。
覚え方 「ム(む)月(つき)ヒヒ灬(テン・テン・テン・テン)」火が変化した烈火(灬)を四つ足と見なして覚える。
意味 (1)くま(熊)。日本の本土に生息するのは、黒毛で喉に三日月形の白斑をもつツキノワグマである。「熊掌ユウショウ」(熊の手のひら。および、その肉)「熊手くまで」(熊の手のかたちをした落葉などをかき寄せる竹製の道具)「熊襲くまそ」(古代、九州南部に住んだ部族の名)「熊猫パンダ」(2)普通より大きい。「熊笹くまざさ」「熊蜂くまばち」(3)地名。「熊谷くまがや」「熊本くまもと」「熊野くまの」(4)姓。「熊谷くまがい」「熊沢くまざわ」
羆 ヒ・ひぐま 罒部 pí

日本のひぐま(「のぼりべつクマ牧場」より)
解字 「熊(くま)+罷ヒの略体(罒)」の形声。罷ヒという発音の熊で、罷ヒを省略した罒をつけて羆ヒとした字。大型の熊をいう。
意味 ひぐま(羆)。クマ科の哺乳動物。日本では北海道のみに生息する。大型で気性は荒く、しばしば人畜を襲う。胆嚢は薬用、毛皮は敷物などに利用される。日本では古くから羆を「四(し)+熊(くま)」と解釈して、「しくま」と呼んでいた。中国ネットの羆の説明は「熊の一種、即ち棕熊ソウユウ、又(また)馬熊と叫ぶ、毛は棕褐色、能く樹に爬(ひっかきのぼ)る、游泳ができる」とする。棕ソウは棕櫚シュロで茶褐色をいう。

中国のヒグマ(中国ネットから)
<紫色は常用漢字>
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