中 チュウ・なか l部たてぼう zhōng・zhòng

解字 甲骨文字第1字は、吹き流しのつく旗を四角な土地の真ん中に挿して立てた形。挿したことを示すため旗棹の下先が四角を貫いている。第2字は突き出た先にも旗の吹き流しを描いた形。金文は甲骨第2字を引きつぐが土地が楕円形になった形をへて、吹き流しがない第2字の形になった。篆文および現代字はこの形を継承して出来ている。意味は、土地の「真ん中」「うち」「なか」の意を表す。そのほか、真ん中で「かたよらない」、的の中に入ることから「あたる」意味も加わった。部首はl部(たてぼう)。
意味 (1)なか(中)。まんなか。中心。「中央チュウオウ」(2)あいだ。物と物との真ん中にある。「中間チュウカン」(3)うち。なか。「夜中ヨナカ」「懐中カイチュウ」(4)かたよらない。「中正チュウセイ」「中立チュウリツ」(5)あたる。あてる。「的中テキチュウ」「命中メイチュウ」「中毒チュウドク」(毒にあたる)「中傷チュウショウ」(傷にあたる=傷つけられる)
イメージ
「なか・あいだ」(中・仲・衷・忠・狆)
「まんなか」(沖・迚)
音の変化 チュウ:中・仲・衷・忠・狆・沖 とても:迚
なか・あいだ
仲 チュウ・なか 人部 zhòng
解字 「イ(ひと)+中(あいだ)」の会意形声。人と人とのあいだにいること。
意味 (1)兄弟の序列で、あいだにあたる人。上から、伯ハク・仲チュウ・叔シュク・季キ、また、孟モウ・仲チュウ・季キという。(2)春夏秋冬のそれぞれの期間を三分したとき、孟・仲・季という。「仲春チュウシュン」(春の真ん中の月で、陰暦2月のこと)(3)なかだち。「仲人なこうど」(4)[国]なか(仲)。なかまどうしの間がら。「仲間なかま」
衷 チュウ・うち 衣部 zhōng

解字 「衣(ころも)+中(なか・内側)」の会意形声。衣で包まれた内側の意で、①衣の内側に着る肌着などの意。②衣の内側から人の心のうちをいう。字形は隷書まで衣+中になっていたが、現代字は、中の下部が突き出ない。
意味 (1)うちにする。中に着る。肌着。「衷甲チュウコウ」(衣服の下によろいを着る) (2)うち(衷)。なか。心のうち「衷心チュウシン」(まごころ)「苦衷クチュウ」(苦しい心のなか)(3)なかほど。かたよらない。「折衷セッチュウ」(取捨して適当なところをとる)
忠 チュウ 心部 zhōng
解字 「心(こころ)+中(なか・うちがわ)」の会意形声。うわべでなく、こころの内から相手にむきあうこと。相手に尽くす意で、まごころ・まことをいう。のち、主君のためにつくす意味もできた。
意味 (1)まこと。まごころ。まじめ。「忠心チュウシン」(まごころ)「忠誠チュウセイ」「忠実チュウジツ」(2)君主に対して誠実なこと。「忠臣チュウシン」「忠義チュウギ」「忠犬チュウケン」
狆 チュウ・ちん 犭部 zhòng
解字 「犭(いぬ)+中(なか・内側)」の会意形声。日本では室内で飼う犬の意。なお、中国では少数民族の名に用いていた。

狆(チン)(「みんなの犬図鑑・狆」より)
意味 (1)[国]ちん(狆)。日本で改良された愛玩用の小型犬。日本名のちんは珍チン(めずらしい・だいじな)から来たのではないかと思われる。(2)中国、貴州省南部などに住むプイ(布依)族の旧称。
まんなか
沖 チュウ・おき 氵部 chōng
解字 「氵(海・湖)+中(まんなか)」の会意形声。日本では海や湖のまん中の意から、岸から遠く離れた所の意で使う。中国では、意味が多様で「しずか・おだやか」「むなしい」意で使う。また、チュウ(注)に通じ、水がそそぐ意ともなる。
意味 (1)[国]おき(沖)。岸から遠くはなれた所。「沖釣り」(2)しずか・おだやか。「沖和チュウワ」(おだやか。やわらぐ)(3)むなしい。「沖虚チュウキョ」(むなしい。何もない)(3)流れがそそぐ。「沖積チュウセキ」(流水のために土砂が積み重なる)(4)「沖天チュウテン」とは、空高くのぼること。
迚[国字] とても 辶部
解字 「辶(ゆく)+中(なかほど)」の会意。なかほどまで行った状態をいい、①到着できないことから、否定の語をともない、「とても~ない」となる。②否定をともなわず、とても・すこぶる・非常に、の意味となる。
意味 (1)「迚(とて)も出来ない」「迚(とて)もじゃないが無理だよ」(2)「迚(とて)も楽しい」
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。

解字 甲骨文字第1字は、吹き流しのつく旗を四角な土地の真ん中に挿して立てた形。挿したことを示すため旗棹の下先が四角を貫いている。第2字は突き出た先にも旗の吹き流しを描いた形。金文は甲骨第2字を引きつぐが土地が楕円形になった形をへて、吹き流しがない第2字の形になった。篆文および現代字はこの形を継承して出来ている。意味は、土地の「真ん中」「うち」「なか」の意を表す。そのほか、真ん中で「かたよらない」、的の中に入ることから「あたる」意味も加わった。部首はl部(たてぼう)。
意味 (1)なか(中)。まんなか。中心。「中央チュウオウ」(2)あいだ。物と物との真ん中にある。「中間チュウカン」(3)うち。なか。「夜中ヨナカ」「懐中カイチュウ」(4)かたよらない。「中正チュウセイ」「中立チュウリツ」(5)あたる。あてる。「的中テキチュウ」「命中メイチュウ」「中毒チュウドク」(毒にあたる)「中傷チュウショウ」(傷にあたる=傷つけられる)
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「なか・あいだ」(中・仲・衷・忠・狆)
「まんなか」(沖・迚)
音の変化 チュウ:中・仲・衷・忠・狆・沖 とても:迚
なか・あいだ
仲 チュウ・なか 人部 zhòng
解字 「イ(ひと)+中(あいだ)」の会意形声。人と人とのあいだにいること。
意味 (1)兄弟の序列で、あいだにあたる人。上から、伯ハク・仲チュウ・叔シュク・季キ、また、孟モウ・仲チュウ・季キという。(2)春夏秋冬のそれぞれの期間を三分したとき、孟・仲・季という。「仲春チュウシュン」(春の真ん中の月で、陰暦2月のこと)(3)なかだち。「仲人なこうど」(4)[国]なか(仲)。なかまどうしの間がら。「仲間なかま」
衷 チュウ・うち 衣部 zhōng

解字 「衣(ころも)+中(なか・内側)」の会意形声。衣で包まれた内側の意で、①衣の内側に着る肌着などの意。②衣の内側から人の心のうちをいう。字形は隷書まで衣+中になっていたが、現代字は、中の下部が突き出ない。
意味 (1)うちにする。中に着る。肌着。「衷甲チュウコウ」(衣服の下によろいを着る) (2)うち(衷)。なか。心のうち「衷心チュウシン」(まごころ)「苦衷クチュウ」(苦しい心のなか)(3)なかほど。かたよらない。「折衷セッチュウ」(取捨して適当なところをとる)
忠 チュウ 心部 zhōng
解字 「心(こころ)+中(なか・うちがわ)」の会意形声。うわべでなく、こころの内から相手にむきあうこと。相手に尽くす意で、まごころ・まことをいう。のち、主君のためにつくす意味もできた。
意味 (1)まこと。まごころ。まじめ。「忠心チュウシン」(まごころ)「忠誠チュウセイ」「忠実チュウジツ」(2)君主に対して誠実なこと。「忠臣チュウシン」「忠義チュウギ」「忠犬チュウケン」
狆 チュウ・ちん 犭部 zhòng
解字 「犭(いぬ)+中(なか・内側)」の会意形声。日本では室内で飼う犬の意。なお、中国では少数民族の名に用いていた。

狆(チン)(「みんなの犬図鑑・狆」より)
意味 (1)[国]ちん(狆)。日本で改良された愛玩用の小型犬。日本名のちんは珍チン(めずらしい・だいじな)から来たのではないかと思われる。(2)中国、貴州省南部などに住むプイ(布依)族の旧称。
まんなか
沖 チュウ・おき 氵部 chōng
解字 「氵(海・湖)+中(まんなか)」の会意形声。日本では海や湖のまん中の意から、岸から遠く離れた所の意で使う。中国では、意味が多様で「しずか・おだやか」「むなしい」意で使う。また、チュウ(注)に通じ、水がそそぐ意ともなる。
意味 (1)[国]おき(沖)。岸から遠くはなれた所。「沖釣り」(2)しずか・おだやか。「沖和チュウワ」(おだやか。やわらぐ)(3)むなしい。「沖虚チュウキョ」(むなしい。何もない)(3)流れがそそぐ。「沖積チュウセキ」(流水のために土砂が積み重なる)(4)「沖天チュウテン」とは、空高くのぼること。
迚[国字] とても 辶部
解字 「辶(ゆく)+中(なかほど)」の会意。なかほどまで行った状態をいい、①到着できないことから、否定の語をともない、「とても~ない」となる。②否定をともなわず、とても・すこぶる・非常に、の意味となる。
意味 (1)「迚(とて)も出来ない」「迚(とて)もじゃないが無理だよ」(2)「迚(とて)も楽しい」
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