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臤 ケン・カン 臣部 qiān・xián

解字 目を縦たてにした臣シンと又(て)から成る。甲骨文と金文の意味は不詳。篆文は[説文解字]が「堅(かたい)也(なり)。又に従い臣聲(声)。古文は以って賢の字と爲す」とし、堅い意味があるが、古文には賢の字があるとしており、堅い意味と賢い意味の両方があるとする。また、宋代の韻書[集韻]は「賢。古は臤に作る」と古くは賢い意味があったとする。しかし何故「臤ケン」の字が賢・堅になるのかが明らかでない。したがって臤ケンを発音をあらわす形声字の音符「臤ケン」として解字することとしたい。
意味 (1)かしこい。(賢と通じ) (2)かたい。(堅と通じ)
イメージ
「形声字」(賢・堅・樫・鰹・慳・竪・緊・腎・鏗)
音の変化 ケン:賢・堅・鰹・慳 キン:緊 コウ:鏗 ジュ:竪 ジン:腎 かし:樫
形声字
賢 ケン・かしこい 貝部 xián

解字 金文は「貝(財貨)+臤(ケン)」の形声。財貨がある有徳(高貴な人格)の人を賢ケンという。転じて、賢(かしこ)い意となる。[説文解字]は「多才也。貝に従い臤声」とする。[簡明金文詞典]は①才能、②徳行、③人名、の意味があるとし、「賢人」「賢才」「賢佐ケンサ」(徳と才能を兼ね備えた補佐(助手)」の熟語を挙げている。
意味 (1)かしこい(賢い)。かしこい人。さかしい(賢しい)。「賢明ケンメイ」「賢人ケンジン」(聖人に次ぐ徳のある人)「用賢ヨウケン」(賢者を用いる)(2)さかしら(賢しら)。利口ぶる。「賢立(かしこだ)て」(利口ぶる)(3)敬意を表す。「賢察ケンサツ」(相手の推察に対する尊敬語。お察し)
堅 ケン・かたい 土部 jiān

解字 篆文は「土(つち)+臤(ケン)」の形声。かたく締まった土を堅ケンという。かたい意となる。[説文解字]は、「剛ゴウ(かたい)也(なり)。臤に従い土に従う。(発音は)古賢(ケン)切」とする。
意味 (1)かたい(堅い)。「堅固ケンゴ」「堅甲ケンコウ」(堅い革製のよろい)(2)しっかりしている。充実している。「堅陣ケンジン」「中堅チュウケン」(3)[国]「堅木かたぎ」(①カシ・クヌギ・ナラなどの薪炭とする木の称。②アカガシの異称)「堅気かたぎ」(地道でまじめ)
樫 <国字> かし 木部 jiān
解字 「木(樹木)+堅(かたい)」 の会意形声。木質の堅い木。
意味 (1)かし(樫)。コナラ属の常緑高木。シラカシ・アラカシなどがあり、材は堅く器具材などに使われる。「赤樫あかがし」(材が堅く赤みを帯びる)「白樫しらかし」(葉の下面は白色を帯びる。材は堅く弾力にとむ)「姥目樫うばめがし」(材は堅く高級品の木炭になる)「樫鳥かしどり」(カケスの別称。鳩より小形。樫の実を好む)(2)地名。「樫原かたぎはら」(京都市右京区にある地名)
鰹 ケン・かつお 魚部 jiān
解字 「魚(さかな)+堅(かたい)」の会意形声。身が堅くしまった魚からとされる。また、堅いかつお節の材料となる魚。なお、中国では鱧(はも)のたぐいの魚の意だったが、現在はカツオの意で用いる。

カツオ(「市場魚貝類図鑑」より)
意味 かつお(鰹)。サバ科の海水魚。「鰹節かつおぶし」(煮た鰹をよく干して堅くしたもの。削って調味料にする)「鰹鳥かつおどり」(カツオの群れにむらがる鳥)
慳 ケン・カン・おしむ 忄部 qiān
解字 「忄(心)+堅(かたい)」の会意形声。心をかたくする。仏教用語で、なさけ心のないこと、ものおしみする意で使われる。日本では、意地悪い意でも使う。
意味 (1)おしむ(慳しむ)。しぶる。けちる。「慳貪ケンドン」(①けちで貪欲。②[国]無愛想。つっけんどん)「慳吝ケンリン」(ものおしみする)(2)[国]意地がわるい。「邪慳ジャケン」(意地わるく冷たい)
緊 キン・しめる 糸部 jǐn
解字 「糸(いと)+臤(ケン⇒キン)」の形声。糸できつく締めることを緊キンという。転じて、さしせまる意ともなる。
意味 (1)かたい。きつい。しまる。「緊張キンチョウ」「緊密キンミツ」(2)すきまやゆとりがない。差し迫っている。「緊迫キンパク」「喫緊キッキン」(さしせまって重要なこと)「緊急キンキュウ」(3)しめる(緊める)。しまる。「緊縮キンシュク」
竪 ジュ・たて 立部 shù
解字 「立(たつ)+臤(ケン⇒ジュ)」の形声。まっすぐに立つことを竪ジュという。また、「たてよこ」の「たて」の意ともなる。儒ジュ(こども)に通じ、子供の意がある。
意味 (1)たつ(竪つ)。たてる。「竪立ジュリツ」(まっすぐ立つ)(2)たて(竪)。「竪穴たてあな」(たてに掘った穴)「竪坑たてこう」(斜坑・横坑に対し、たてに掘った坑道)「竪琴たてごと」(ハープなど、弦をたてに張った楽器)(3)こども。「竪子ジュシ」(こども。童子)「僕竪ボクジュ」(こどもの召使)
腎 ジン 月部にく shèn
解字 「月(にく。内臓の略)+臤(ケン⇒ジン)」の形声。漢方の五臓(心・肝・脾・肺・腎)の一つでジンという内臓をいう。五行説で、水に属し生命エネルギーの根源となる腎精が宿るとされる。現代医学では血液からの老廃物や余分な水分のろ過及び排出(尿)を主な役割とする体の器官。なお、発音のジンは臤を構成する臣シンに由来する。
意味 (1)五臓のひとつ。「腎臓ジンゾウ」(血液を濾過して老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出する器官。腰のあたりに左右対称に2個ある)「腎炎ジンエン」(腎臓の炎症)「副腎フクジン」(腎臓に接する内分泌器官。特定のホルモンを分泌する)(2)かなめ。大切なところ。「肝腎カンジン」(肝臓と腎臓、もっとも大事なこと)「心腎シンジン」(心臓と腎臓)
鏗 コウ・うつ 金部 kēng
解字 「金(金属・硬い)+堅(ケン⇒コウ)」の形声。硬い金属や石のコーンと鳴る音の形容。
意味 (1)金属や石の鳴る音。「鏗鏗コウコウ」(①金属や石の鳴る音。②言葉が明確なさま)「鏗然コウゼン」(甲高い音の形容)「鏗錚コウソウ」(金石または琴などの音)「鏗爾コウジ」(①金石や音の形容。②琴を下に置くときコーンと鳴る音の形容[論語・先進])(2)うつ(鏗つ)。つく。「鏗鐘コウドウ」(鐘をうつ)
<紫色は常用漢字>
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臤 ケン・カン 臣部 qiān・xián

解字 目を縦たてにした臣シンと又(て)から成る。甲骨文と金文の意味は不詳。篆文は[説文解字]が「堅(かたい)也(なり)。又に従い臣聲(声)。古文は以って賢の字と爲す」とし、堅い意味があるが、古文には賢の字があるとしており、堅い意味と賢い意味の両方があるとする。また、宋代の韻書[集韻]は「賢。古は臤に作る」と古くは賢い意味があったとする。しかし何故「臤ケン」の字が賢・堅になるのかが明らかでない。したがって臤ケンを発音をあらわす形声字の音符「臤ケン」として解字することとしたい。
意味 (1)かしこい。(賢と通じ) (2)かたい。(堅と通じ)
イメージ
「形声字」(賢・堅・樫・鰹・慳・竪・緊・腎・鏗)
音の変化 ケン:賢・堅・鰹・慳 キン:緊 コウ:鏗 ジュ:竪 ジン:腎 かし:樫
形声字
賢 ケン・かしこい 貝部 xián

解字 金文は「貝(財貨)+臤(ケン)」の形声。財貨がある有徳(高貴な人格)の人を賢ケンという。転じて、賢(かしこ)い意となる。[説文解字]は「多才也。貝に従い臤声」とする。[簡明金文詞典]は①才能、②徳行、③人名、の意味があるとし、「賢人」「賢才」「賢佐ケンサ」(徳と才能を兼ね備えた補佐(助手)」の熟語を挙げている。
意味 (1)かしこい(賢い)。かしこい人。さかしい(賢しい)。「賢明ケンメイ」「賢人ケンジン」(聖人に次ぐ徳のある人)「用賢ヨウケン」(賢者を用いる)(2)さかしら(賢しら)。利口ぶる。「賢立(かしこだ)て」(利口ぶる)(3)敬意を表す。「賢察ケンサツ」(相手の推察に対する尊敬語。お察し)
堅 ケン・かたい 土部 jiān

解字 篆文は「土(つち)+臤(ケン)」の形声。かたく締まった土を堅ケンという。かたい意となる。[説文解字]は、「剛ゴウ(かたい)也(なり)。臤に従い土に従う。(発音は)古賢(ケン)切」とする。
意味 (1)かたい(堅い)。「堅固ケンゴ」「堅甲ケンコウ」(堅い革製のよろい)(2)しっかりしている。充実している。「堅陣ケンジン」「中堅チュウケン」(3)[国]「堅木かたぎ」(①カシ・クヌギ・ナラなどの薪炭とする木の称。②アカガシの異称)「堅気かたぎ」(地道でまじめ)
樫 <国字> かし 木部 jiān
解字 「木(樹木)+堅(かたい)」 の会意形声。木質の堅い木。
意味 (1)かし(樫)。コナラ属の常緑高木。シラカシ・アラカシなどがあり、材は堅く器具材などに使われる。「赤樫あかがし」(材が堅く赤みを帯びる)「白樫しらかし」(葉の下面は白色を帯びる。材は堅く弾力にとむ)「姥目樫うばめがし」(材は堅く高級品の木炭になる)「樫鳥かしどり」(カケスの別称。鳩より小形。樫の実を好む)(2)地名。「樫原かたぎはら」(京都市右京区にある地名)
鰹 ケン・かつお 魚部 jiān
解字 「魚(さかな)+堅(かたい)」の会意形声。身が堅くしまった魚からとされる。また、堅いかつお節の材料となる魚。なお、中国では鱧(はも)のたぐいの魚の意だったが、現在はカツオの意で用いる。

カツオ(「市場魚貝類図鑑」より)
意味 かつお(鰹)。サバ科の海水魚。「鰹節かつおぶし」(煮た鰹をよく干して堅くしたもの。削って調味料にする)「鰹鳥かつおどり」(カツオの群れにむらがる鳥)
慳 ケン・カン・おしむ 忄部 qiān
解字 「忄(心)+堅(かたい)」の会意形声。心をかたくする。仏教用語で、なさけ心のないこと、ものおしみする意で使われる。日本では、意地悪い意でも使う。
意味 (1)おしむ(慳しむ)。しぶる。けちる。「慳貪ケンドン」(①けちで貪欲。②[国]無愛想。つっけんどん)「慳吝ケンリン」(ものおしみする)(2)[国]意地がわるい。「邪慳ジャケン」(意地わるく冷たい)
緊 キン・しめる 糸部 jǐn
解字 「糸(いと)+臤(ケン⇒キン)」の形声。糸できつく締めることを緊キンという。転じて、さしせまる意ともなる。
意味 (1)かたい。きつい。しまる。「緊張キンチョウ」「緊密キンミツ」(2)すきまやゆとりがない。差し迫っている。「緊迫キンパク」「喫緊キッキン」(さしせまって重要なこと)「緊急キンキュウ」(3)しめる(緊める)。しまる。「緊縮キンシュク」
竪 ジュ・たて 立部 shù
解字 「立(たつ)+臤(ケン⇒ジュ)」の形声。まっすぐに立つことを竪ジュという。また、「たてよこ」の「たて」の意ともなる。儒ジュ(こども)に通じ、子供の意がある。
意味 (1)たつ(竪つ)。たてる。「竪立ジュリツ」(まっすぐ立つ)(2)たて(竪)。「竪穴たてあな」(たてに掘った穴)「竪坑たてこう」(斜坑・横坑に対し、たてに掘った坑道)「竪琴たてごと」(ハープなど、弦をたてに張った楽器)(3)こども。「竪子ジュシ」(こども。童子)「僕竪ボクジュ」(こどもの召使)
腎 ジン 月部にく shèn
解字 「月(にく。内臓の略)+臤(ケン⇒ジン)」の形声。漢方の五臓(心・肝・脾・肺・腎)の一つでジンという内臓をいう。五行説で、水に属し生命エネルギーの根源となる腎精が宿るとされる。現代医学では血液からの老廃物や余分な水分のろ過及び排出(尿)を主な役割とする体の器官。なお、発音のジンは臤を構成する臣シンに由来する。
意味 (1)五臓のひとつ。「腎臓ジンゾウ」(血液を濾過して老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出する器官。腰のあたりに左右対称に2個ある)「腎炎ジンエン」(腎臓の炎症)「副腎フクジン」(腎臓に接する内分泌器官。特定のホルモンを分泌する)(2)かなめ。大切なところ。「肝腎カンジン」(肝臓と腎臓、もっとも大事なこと)「心腎シンジン」(心臓と腎臓)
鏗 コウ・うつ 金部 kēng
解字 「金(金属・硬い)+堅(ケン⇒コウ)」の形声。硬い金属や石のコーンと鳴る音の形容。
意味 (1)金属や石の鳴る音。「鏗鏗コウコウ」(①金属や石の鳴る音。②言葉が明確なさま)「鏗然コウゼン」(甲高い音の形容)「鏗錚コウソウ」(金石または琴などの音)「鏗爾コウジ」(①金石や音の形容。②琴を下に置くときコーンと鳴る音の形容[論語・先進])(2)うつ(鏗つ)。つく。「鏗鐘コウドウ」(鐘をうつ)
<紫色は常用漢字>
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