「即ソク」と「既キ」は左辺が同じ字だが、右辺がちがう。即ソクの右辺は「卩セツ」で、既キの右辺は音符となる「旡キ」である。この違いが文字の意味に関わってくる。
卩 セツ <人のひざまずいた形>
卩 セツ 卩部ふしづくり
解字 人のひざまずいた形の象形。甲骨文は人がひざまずき手を膝においた形で、一目でそれと分かるまさに絵文字である。篆文は頭を下げて水平にし、膝をまげた形。現在の字形は卩になった。卩は部首の「ふしづくり」になるが、単独で使われることはない。
意味 ひざまずく。ひざ。
参考 卩は部首「卩ふしづくり」になる。漢字の右辺について人がひざまずく意を表す。
即 ソク <ご馳走の前にひざまずく>
即[卽] ソク・すなわち・つく 卩部ふしづくり
解字 甲骨文と金文はご馳走を盛った器の前に人がひざまずく形。篆文からご馳走の器が変形し、その形が旧字に引き継がれ 「皀キュウ(ご馳走を盛った器)+卩セツ(ひざまずいた人)」(会意)になった。ご馳走を盛った器の前にひざまずく、つまり食事の席に「つく」こと。「すぐに」の意は、即座(席につくとすぐに)からくる。新字体は、旧字の卽⇒即へ変化する。
意味 (1)つく(即く)。地位や位置につく。「即位ソクイ」 (2)すぐに。ただちに。「即興ソッキョウ」(その場ですぐに詩歌などを作る)「即時ソクジ」 (3)すなわち(即ち)。「色即是空シキソクゼクウ」(色とは即ち空なり)
イメージ
ご馳走の前に「ひざまずく」 (即・節)
音の変化 ソク:即 セツ:節
ひざまずく
節 セツ・セチ・ふし 竹部
解字 「竹(たけ)+即(ひざまずく)」 の会意形声。ひざを折って折り目がついたように、竹の茎に出ている折り目のようなふし。
意味 (1)ふし(節)。竹のふし。身体のふし。つなぎめ。「関節カンセツ」 (2)くぎり。「音節オンセツ」(ひとまとまりに発音される最小単位)「文節ブンセツ」(文の最小単位) (3)とき。おり。気候の変わり目「時節ジセツ」「節句セック」「季節キセツ」 (4)ほどよい。ひかえめ。「節制セッセイ」「節度セツド」 (5)しるし。割符。節のある竹の左右に同じ文章を書き、竹を割って双方がもち、後に節を合わせることにより証とする。「符節フセツ」(符も節も割符の意)「使節シセツ」(割符を持って行く使い)
旡 キ <ひざまずいた人が後ろを向いて口をあける>
旡 キ 旡部すでのつくり
解字 ひざまずく人が後ろを向いて口を開いている形の象形。後ろ向きのあくび。後ろを振り返る意を表すが、単独で用いられることはない。欠ケン(前をむいて口をひらいた形)の逆のかたち。
意味 後ろ向きのあくび。後ろを振り返る。
参考 旡キは、部首「旡すでのつくり」になる。この部首の主な字は既キしかない。
既 キ <いっぱいになる>
既[旣] キ・すでに 旡部すでのつくり
解字 甲骨文は、ご馳走を盛った食器の傍らに、後ろ向きに口をひらく人を配したかたちで、ご馳走を食べ終わり、満腹して後ろを向いてあくびをする形。旧字は旣で、「皀キュウ(ご馳走を盛った食器)+旡キ(後ろ向きのあくび)」の会意。食べることが「すでに終わる」意となる。新字体は、旣⇒既に変化。
意味 (1)すでに(既に)。もはや。「既刊キカン」(すでに発行された)「既成キセイ」(すでに出来上がっている) (2)つくす。つきる。「皆既カイキ」(すべてつきる)「皆既日食カイキニッショク」(日光がすべて尽き真っ暗になる日食)
イメージ
ご馳走を食べ終わって「すでにおわる」 (既)
お腹が「いっぱいになる」 (概・慨)
音の変化 キ:既 ガイ:概・慨
いっぱいになる
概 ガイ・おおむね 木部
枡掻き 石垣島のトーカキゥ
解字 「木(とかきの棒)+既(いっぱいにする)」 の会意形声。枡の中に米を山盛りにいれ、とかき棒(斗桝とますの上をならす丸棒)で枡の表面を平らにすること(枡の容量だけの米を入れるため)。全体をならす意味を表わす。
意味 (1)とかき(概)。一斗ますを掻くことから「とかき」という。ますかき。ますかき棒。 (2)全体をならす。「概括ガイカツ」(ひっくるめて)「概観ガイカン」(全体をざっと見る)「概念ガイネン」(全体への受けとめ方) (3)おおむね(概)。「大概タイガイ」 (4)(全体を強制的にならすことから)強いちから。「気概キガイ」(向かってゆく強い意気。気骨。やる気)
慨 ガイ・なげく 忄部
解字 「忄(心)+既(いっぱいになる)」 の会意形声。心がいっぱいになり嘆いたり、深く感動したりする。嘆く意と、深く感じる意の二種類がある。
意味 (1)なげく(慨く)。いきどおる。なげき。「慨嘆ガイタン」(いきどおってなげく)「慨然ガイゼン」(いきどおるさま。心を奮い起こすさま)「慨世ガイセイ」(世の有り様をなげく) (2)心に深く感じる。「感慨カンガイ」「感慨無量カンガイムリョウ」
<紫色は常用漢字>
卩 セツ <人のひざまずいた形>
卩 セツ 卩部ふしづくり
解字 人のひざまずいた形の象形。甲骨文は人がひざまずき手を膝においた形で、一目でそれと分かるまさに絵文字である。篆文は頭を下げて水平にし、膝をまげた形。現在の字形は卩になった。卩は部首の「ふしづくり」になるが、単独で使われることはない。
意味 ひざまずく。ひざ。
参考 卩は部首「卩ふしづくり」になる。漢字の右辺について人がひざまずく意を表す。
即 ソク <ご馳走の前にひざまずく>
即[卽] ソク・すなわち・つく 卩部ふしづくり
解字 甲骨文と金文はご馳走を盛った器の前に人がひざまずく形。篆文からご馳走の器が変形し、その形が旧字に引き継がれ 「皀キュウ(ご馳走を盛った器)+卩セツ(ひざまずいた人)」(会意)になった。ご馳走を盛った器の前にひざまずく、つまり食事の席に「つく」こと。「すぐに」の意は、即座(席につくとすぐに)からくる。新字体は、旧字の卽⇒即へ変化する。
意味 (1)つく(即く)。地位や位置につく。「即位ソクイ」 (2)すぐに。ただちに。「即興ソッキョウ」(その場ですぐに詩歌などを作る)「即時ソクジ」 (3)すなわち(即ち)。「色即是空シキソクゼクウ」(色とは即ち空なり)
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ご馳走の前に「ひざまずく」 (即・節)
音の変化 ソク:即 セツ:節
ひざまずく
節 セツ・セチ・ふし 竹部
解字 「竹(たけ)+即(ひざまずく)」 の会意形声。ひざを折って折り目がついたように、竹の茎に出ている折り目のようなふし。
意味 (1)ふし(節)。竹のふし。身体のふし。つなぎめ。「関節カンセツ」 (2)くぎり。「音節オンセツ」(ひとまとまりに発音される最小単位)「文節ブンセツ」(文の最小単位) (3)とき。おり。気候の変わり目「時節ジセツ」「節句セック」「季節キセツ」 (4)ほどよい。ひかえめ。「節制セッセイ」「節度セツド」 (5)しるし。割符。節のある竹の左右に同じ文章を書き、竹を割って双方がもち、後に節を合わせることにより証とする。「符節フセツ」(符も節も割符の意)「使節シセツ」(割符を持って行く使い)
旡 キ <ひざまずいた人が後ろを向いて口をあける>
旡 キ 旡部すでのつくり
解字 ひざまずく人が後ろを向いて口を開いている形の象形。後ろ向きのあくび。後ろを振り返る意を表すが、単独で用いられることはない。欠ケン(前をむいて口をひらいた形)の逆のかたち。
意味 後ろ向きのあくび。後ろを振り返る。
参考 旡キは、部首「旡すでのつくり」になる。この部首の主な字は既キしかない。
既 キ <いっぱいになる>
既[旣] キ・すでに 旡部すでのつくり
解字 甲骨文は、ご馳走を盛った食器の傍らに、後ろ向きに口をひらく人を配したかたちで、ご馳走を食べ終わり、満腹して後ろを向いてあくびをする形。旧字は旣で、「皀キュウ(ご馳走を盛った食器)+旡キ(後ろ向きのあくび)」の会意。食べることが「すでに終わる」意となる。新字体は、旣⇒既に変化。
意味 (1)すでに(既に)。もはや。「既刊キカン」(すでに発行された)「既成キセイ」(すでに出来上がっている) (2)つくす。つきる。「皆既カイキ」(すべてつきる)「皆既日食カイキニッショク」(日光がすべて尽き真っ暗になる日食)
イメージ
ご馳走を食べ終わって「すでにおわる」 (既)
お腹が「いっぱいになる」 (概・慨)
音の変化 キ:既 ガイ:概・慨
いっぱいになる
概 ガイ・おおむね 木部
枡掻き 石垣島のトーカキゥ
解字 「木(とかきの棒)+既(いっぱいにする)」 の会意形声。枡の中に米を山盛りにいれ、とかき棒(斗桝とますの上をならす丸棒)で枡の表面を平らにすること(枡の容量だけの米を入れるため)。全体をならす意味を表わす。
意味 (1)とかき(概)。一斗ますを掻くことから「とかき」という。ますかき。ますかき棒。 (2)全体をならす。「概括ガイカツ」(ひっくるめて)「概観ガイカン」(全体をざっと見る)「概念ガイネン」(全体への受けとめ方) (3)おおむね(概)。「大概タイガイ」 (4)(全体を強制的にならすことから)強いちから。「気概キガイ」(向かってゆく強い意気。気骨。やる気)
慨 ガイ・なげく 忄部
解字 「忄(心)+既(いっぱいになる)」 の会意形声。心がいっぱいになり嘆いたり、深く感動したりする。嘆く意と、深く感じる意の二種類がある。
意味 (1)なげく(慨く)。いきどおる。なげき。「慨嘆ガイタン」(いきどおってなげく)「慨然ガイゼン」(いきどおるさま。心を奮い起こすさま)「慨世ガイセイ」(世の有り様をなげく) (2)心に深く感じる。「感慨カンガイ」「感慨無量カンガイムリョウ」
<紫色は常用漢字>
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