漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「央オウ」<まんなか> と 「鴦オウ」「殃オウ」「鞅オウ」「怏オウ」「秧オウ」「英エイ」「映エイ」「霙エイ」「瑛エイ」

2024年10月11日 | 漢字の音符
 改訂しました。
 オウ・なかば  大部 yāng

首枷をつけられた罪人
(「中国と日本:天の帝国と朝日の帝国」所収)
解字 甲骨文は正面を向いた人(大)の首に凵 形の枷(かせ)をはめた形の象形。金文から枷がH形に変化し、さらに篆文での変化をへて現代字の央になった。人の頭が首かせの中央にあることから中央の意を表わす。また、殃オウ(わざわい)の原字でもあることから、尽きる意がある。
意味 (1)なかば(央ば)。真ん中。「中央チュウオウ」「震央シンオウ」(地震の起きた真上の地点)(2)(首かせをはめられ死ぬことから)つきる(央きる)。やむ。「未央ビオウ」(尽きない)

イメージ 
 「まんなか」
(央・鴦)
 「くびかせをはめる」(殃・鞅・怏・秧)
 「形声字」(映・英・霙・瑛)

音の変化  オウ:央・鴦・殃・鞅・怏・秧  エイ:英・霙・瑛・映

まんなか
 オウ・おしどり  鳥部 yāng
 鴛鴦 (左がオス、右がメス)
解字 「鳥(とり)+央(まんなか)」の形声。水鳥の背のまんなかが少しふくれた鳥。「鴛鴦エンオウ・おしどり」に使われる字。背のくぼんだ鴛エンがオス鳥(夗エンに、くぼんで曲がる意がある)、背がふくれた鴦オウがメス鳥をさす。
意味 「鴛鴦おしどり・エンオウ」とは、カモ科の水鳥の一種。おしどり。雄は後方のイチョウ葉形の羽が立つので背がくぼんで見える。逆に雌は、背がくぼまずふっくらとしている。雄雌むつまじく離れないので、夫婦仲のむつまじいことに例える。「鴛鴦夫婦おしどりふうふ」 

くびかせをはめる
 オウ・わざわい  歹部 yāng
解字 「歹(しぬ)+央(くびかせをはめる)」 の会意形声。首かせをはめた人が、それによって死にいたること。
意味 わざわい(殃い)。とがめ。災厄。「殃禍オウカ」(殃も禍も、わざわいの意)「殃咎オウキュウ」(わざわいととがめ)
 オウ・むながい  革部 yāng・yàng

鞅(むながい)(ブログ「 Home Sweet Home 」より)
解字 「革(なめしがわ)+央(くびかせをはめる)」 の会意形声。馬の首につける(首かせをはめたようにみえる)革ひも。
意味 (1)むながい(鞅)。むなかき(胸掛き)の変化した語。馬の首下から鞍にかけわたす革ひも。鞍が移動するのを防ぐ馬具。(2)(むながいを付けて)せわしく働く。「鞅掌オウショウ」(せわしく働いて暇のないこと。背で担い、手にも持つ)(3)人名。「商鞅ショウオウ」(中国・戦国時代の政治家)
 オウ  忄部  yàng
解字 「忄(こころ)+央(くびかせをはめる)」の会意形声。くびかせをはめられ心でうらむこと。
意味 (1)うらむ。「怏怏オウオウ」(心ふさぎうらむ)「怏恨オウコン」(怏も恨も、うらむ意)(2)気がふさぐ。「怏然オウゼン」(心たのしまぬさま)「怏意オウイ」(気がふさぐ)
 オウ・なえ  禾部 yāng
解字 [字通]は秧の説明の前文に「央は人に首枷を加えた正面形で、わずかに頭部のあらわれる意がある」としている。私はこの説を拝借して解字させていただく。 秧は「禾(いね)+央(くびかせから頭部が現れている形)」の会意形声。禾(稲)の芽が地上にわずかに出たさまを、央オウ(わずかに頭部が現れている形)に例えて稲の苗をいう。
意味 (1)なえ(秧)。「秧針オウシン」(稲の苗がはじめて出る)「秧田オウデン」(苗代)「秧苗オウビョウ」(稲の苗)「秧鶏オウケイ」(クイナ。水鶏。水田などに生息することから)(2)なえを植える。「秧歌オウカ」(中国農村の田植え歌。豊年を祈る祭りや、さらに一般娯楽として盛んに行われた。歌と踊りからなる)

形声字
 エイ・うつる・うつす・はえる  日部 yìng
解字 「日(ひ)+央(エイ)」 の形声。エイは影エイ(かげ)に通じ、日光によって明暗の境目や形が生じること。
意味 (1)うつる(映る)。光や色が反射する。「反映ハンエイ」(2)うつす(映す)。影を出す。像をうつしだす。「映画エイガ」「上映ジョウエイ」「映像エイゾウ」(3)はえる(映える)。照りはえる。反射する。
 エイ・はな・ひいでる  艸部 yīng
解字 「艸(くさ)+央(オウ⇒エイ)」の形声。花をつけた草を英エイという。花は草の最も華やかな部分であり、人々の注目を集めることから転じて、ひいでる・すぐれる意味となった。
意味 (1)はな(英)。はなぶさ(英)。うつくしい。「英華エイカ」(①美しい花、②すぐれてすばらしいこと)「落英繽紛ラクエイヒンプン」(花びらがはらはらと乱れ散る)(2)ひいでる(英でる)。すぐれている。すぐれた人物。「英断エイダン」「英才エイサイ」「英傑エイケツ」「英雄エイユウ」(3)国名。英吉利yīngjílì・インギリイ(イギリスの旧音訳名)の略。「英国エイコク」「英語エイゴ」「英訳エイヤク
 エイ・みぞれ  雨部 yīng
解字 「雨(あめ)+英(はな)」 の会意形声。雪がとけて、花(英)のような雨となって降るもの。
意味 (1)みぞれ()。雪が空中でとけてふんわりとした雨のようになって降ってくるもの。(2)みぞれ()。かき氷のメニューのひとつ。氷を削って雪のようにして蜜をかけたもの。(3)「みぞれざけ」とは、麹(こうじ)がみぞれのように浮かんでいる酒。
 エイ  王部 yīng
解字 「王(玉)+英(エイ)」の形声。美しい玉を瑛エイという。また映エイ(照りはえる)に通じ、玉の光をいう。
意味 美しい透明な玉。玉の光。「玉瑛ギョクエイ」(水晶の別称)「瑛瑶エイヨウ」(瑛も瑶も、美しい玉の意)
<紫色は常用漢字>

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音符 「舁ヨ」 <みんなで持ち上げる> と 「与ヨ」「誉ヨ」「輿ヨ」「歟ヨ」「挙キョ」「欅キョ」「興コウ」「嶼ショ」「襷たすき」

2024年10月09日 | 漢字の音符
  改訂しました。
 ヨ  臼部  yú            

解字 篆文は上と下に両手を描いて、二人が一緒に両手をかけて持ちあげる形。現代字は、「臼(上の両手)+廾キョウ(下の両手)」 になった。多くの手で持ち上げる意となる。なお正確に言えば、上の両手は𦥑キョクであるが、舁の字では、𦥑⇒臼(うす)に変形している。部首と組み合わさるときは、[ ]内の形に変化する。
意味 かく(舁く)。かつぐ(舁ぐ)。「舁夫ヨフ」(かつぎて)「駕籠舁かごかき」(駕籠を担いで人を運ぶのを職業とする人)
 
イメージ   
 「みんなで持ち上げる」
(舁・興・輿・与・歟・誉・嶼・挙・欅・襷)

音の変化  ヨ:舁・輿・与・歟・誉  キョ:挙・欅  コウ・キョウ:興  ショ:嶼  たすき:襷

みんなで持ち上げる
 コウ・キョウ・おこる  臼部 xīng
解字 「同(酒器)+舁(みんなで持ち上げる)」の会意形声。同はまるい筒型の酒器。(同を参照)これに酒をいれて皆で一斉に持ちあげ乾杯すること。これにより皆で集まって一斉にものごとを始めるきっかけとすることから、おこる・おこす意となる。また、一斉に乾杯して宴を催すことから、キョウの発音で、たのしみ・おもしろみの意味になる。
意味 Ⅰ. コウの発音:(1)おこる(興る)。さかんになる。「勃興ボッコウ」「興亡コウボウ」 (2)おこす。はじまる。「興業コウギョウ」(新たに事業をおこす) Ⅱ. キョウの発音。たのしみ。おもしろみ。「興キョウじる」(おもしろがる)「興味キョウミ」「座興ザキョウ
輿 ヨ・こし  車部 yú
解字 「車(=輦レン。てぐるま)+舁(みんなで持ち上げる)」の会意形声。この車は、みんなで担ぐ「てぐるま」である輦レンの意。輦の下に渡した二本の長柄などで大勢の人がかつぐ乗り物をいう。

網代輿(「山川 日本史小辞典 改訂新版」より)
意味 (1)こし(輿)。人を乗せて担ぐ乗り物。「神輿みこし」「網代輿あじろごし」)(竹や檜ひのきを薄く削って編んだ網代を屋根や両わきに張った輿)(2)輿を担ぐ人。身分の低い者。「輿丁ヨチョウ」(輿を担ぐ人)(3)(輿丁ヨチョウのような身分の低い者からなる)世間一般。「輿論ヨロン」(=世論ヨロン)「輿望ヨボウ」(世間の人々からの期待)(4)万物をのせる大地。「輿図ヨズ」(世界地図)
[與] ヨ・あたえる  一部 yǔ・yù・yú
みんなで持ち上げているのは象牙        


解字 上図の金文は「牙(象牙)+舁(みんなで持ち上げる)」 の会意形声。みんなで貴重な象牙を持ち上げているさま。下図は牙の変遷図だが、金文の牙と一致する。篆文第1字で牙⇒与の初形に変わった。篆文第2字は与の初形だけの形で、これが第1字の略体として用いられていた。楷書の旧字は与の横線がタテになった形をへて、現代字の与になった。舁の中に牙(象牙)が入っており、貴重な象牙を皆で手に持上げている形。ともにする・関係する・(持上げた物を)あたえる意となる。新字体では、旧字から与のみが抜き出された。
意味 (1)くみする(与する)。仲間になる。ともに。「与党ヨトウ」(なかま。同志。政権を担当する政党) (2)あずかる(与る)。関係する。「関与カンヨ」 (3)あたえる(与える)。「贈与ゾウヨ
 ヨ  欠部 yú
解字 「欠(口をあける)+與(ともにする)」の会意形声。ともにする仲間が口をあけて出すこえ。文末に置いて、推測・反語・感嘆などをあらわす助字として使われる。
意味 ~か。~や。推測・反語・感嘆などの助字。文末につける。「帰歟キヨ」(帰らんか)「格言也歟カクゲンなるや」「猗歟イヨ」(感嘆の「ああ」という声)
[譽] ヨ・ほまれ  言部 yù
解字 旧字はで「言(ことば)+與(みんなで与える)」の会意形声。皆こぞって言葉でほめそやすこと。新字体で、⇒誉に変化。
意味 (1)ほまれ(誉)。よい評判。「栄誉エイヨ」「名誉メイヨ」(2)ほめる(誉める)。ほめたたえる。「称誉ショウヨ」(ほめたたえること)
 ショ・しま  山部 yǔ
解字 「山(やま)+與ヨ⇒ショ(=舁。みんなで持ち上げる)」の会意形声。みんなで山を持ち上げること。人々がかついで持ち上げられそうな小さな山を、海上に浮かんでいる小島に例えている。
意味 しま(嶼)。ちいさな島。「島嶼トウショ」(島とちいさな島。島々)
[擧] キョ・あげる・あがる  手部 jǔ
解字 旧字は擧で「手(て)+與ヨ⇒キョ(=舁。みんなで持ち上げる)」の会意形声。みんなで手をそろえてあげること。手をあげる・皆こぞって行なう意となる。新字体で、擧⇒挙に変化。
意味 (1)あげる(挙げる)。あがる(挙がる)。もちあげる。「挙手キョシュ」(2)物事を起こす。おこなう。「挙行キョコウ」(3)あげて。こぞる(挙る)。こぞって(挙って)。「挙党キョトウ」「挙国キョコク」(4)数え上げる。「列挙レッキョ」(5)とりたてる。「推挙スイキョ
 キョ・けやき  木部 jǔ 
解字 「木(き)+擧キョ(みんなで手をあげる)」の会意形声。枝がみんなで手をあげたように空にひろがって伸びる木。これは私の解字で、実際は「木(き)+擧(キョ)」の形声字。
けやき
意味 けやき(欅)。槻ツキとも書く。ニレ科の落葉高木。高さ20m近くに達し、放射状に枝が伸び、樹冠がまるくなる。古くから建築材、家具材などとして幅広く用いられる。「欅並木けやきなみき」「欅箪笥けやきタンス
<国字> たすき  衣部 jǔ
解字 「衣(ころも)+擧(あげる)」の会意。衣の袖(そで)が邪魔にならないようにたくし上げる為の紐や細長い布地を指す。通常、肩から脇にかけて通し、斜め十字に交差させて使用する。

たすき掛け(和服店のブログから)
意味 たすき(襷)。(1)衣のそでをたくしあげる紐。「襷掛(たすきが)け」(①たすきを掛ける。②縄などを斜め十字にからげること) (2)肩から下方へ斜めに掛ける紐や細い帯。「襷たすきリレー」
<紫色は常用漢字>

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音符「九キュウ」<行きどまって曲がる>と「究キュウ」「仇キュウ」「旭キョク」「軌キ」「馗キ」「鳩ク」「尻コウ」「染セン」「蒅すくも」

2024年10月07日 | 漢字の音符
 キュウ・ク・ここの・ここのつ  乙部 jiǔ

解字 甲骨・金文は先が手を表し曲がった部分が肘にあたる。手が穴の奥に届いて曲がったようすを描いた形だが、仮借カシャ(当て字)の用法で数字の九番目として使われている。篆文以降は形が変わり、現代字は「九」となった。九を音符に含む字は、「ここのつ・数が多い」、穴の奥で「行きどまる」、腕が「まがる」イメージをもつ。
意味 (1)ここのつ(九つ)。数の名。九番目。「九州キュウシュウ」「九死キュウシに一生」(ほとんど助からない状態から助かる)(2)数が多いこと。「九重ここのえ」(3)[国]「九十九折つづらおり」(「葛藤つづらふじ」のように折れ曲がっている坂道)

イメージ 
 「ここのつ・数が多い」
(九・馗・染・蒅)
 「行きどまる」(究・尻・仇)
  肘(ひじ)が「まがる」(軌・旭)
 「形声字」(鳩) 
 
音の変化  キュウ:九・究・仇  キョク:旭  キ:馗・軌  ク:鳩  コウ:尻  セン:染  すくも:蒅

ここのつ・数が多い
 キ  首部 kuí
解字 「首(=道の略体)+九(ここのつ)」の会意形声。九方に達する道。道が四方八方に通じていること。
意味 (1)みち。九方に通じる道。「古馗コキ」(昔の街道)「野馗ヤキ」(野外の四方八方路)(2)人名用字。「鍾馗ショウキ」とは中国の民間伝承の道教系の神の名。もとは中国の唐代に実在した人物だとする説話からできた。日本では、鍾馗は魔よけになるとされ、人形や鍾馗を描いた旗・掛け軸などが飾られる。

鍾馗様(「村松虚空蔵尊だより」より)
 セン・そめる・そまる・しみる・しみ  木部 rǎn
解字 「氵(水)+九(多い)+木(草木)」の会意で、多くの種類の草木を水にひたして(加熱し)草木の色素をしみ出させること。草や木を材料として糸を染める草木染を表した字。色を染める意から、色が「しみる・しむ・そまる」意となり、病気がうつる(感染・伝染)、色が染まって、よごれる・けがす(汚染)意味にもなる。「水と九と木」の組合わせだけで、色が染まる意から病気の感染まで表す、すばらしい発想力の字。
意味 (1)そめる(染める)。そまる(染まる)。色をつける。ひたす。「染色センショク」「染料センリョウ」「染織センショク」(染と織おり)(2)うつる。病気にかかる。「感染カンセン」「伝染デンセン」(3)しみる(染みる)。しみ(染み)。「染習センシュウ」(しみ込んだ習慣)(4)よごれる。けがす。「汚染オセン
 <国字> すくも  艸部
解字 「艸(くさ)+染(そめる)」の会意。染色に用いる草の意で、藍染めにつかう草を発酵させたものをいう。

阿波藍の製法・「すくも」ができるまで
意味 すくも(蒅)。藍の葉を発酵・熟成させた染料。藍の葉を約75 - 90日間発酵させてつくる。

行きどまる
 キュウ・きわめる  穴部 jiū
解字 「穴(横穴)+九(行きどまる)」の会意形声。穴の奥の行きどまりの所まで探ること。
意味 きわめる(究める)。つきつめる。「究極キュウキョク」「研究ケンキュウ」「究理キュウリ」(物事の道理・法則を究めること)
 キュウ・あだ・かたき  イ部 chóu・qiú
解字 「イ(人)+九(=究。つきつめる)」の会意形声。探し求めている究極のひと。当初、つれあい・仲間の意だったが、のち、かたきの意味に用いる。
意味 (1)かたき(仇)。あだ(仇)。うらみ。「仇敵キュウテキ」「仇怨キュウオン」(うらみ)「仇富キュウフ」(資本が制御されないため富者が生じ、庶民が富者をかたきとみなしうらむこと)「仇官キュウカン」(官僚の権力が増大し庶民が官僚をかたきとみなしうらむこと)(2)つれあい。なかま。「仇匹キュウヒツ」(つれあい)
 コウ・しり  尸部 kāo

解字 篆文は「尸(からだ)+九(行きどまり)」の会意形声。尸は篆文で、人が座ったかたち。そのからだ(胴体)の行きどまった所にあるしり。
意味 (1)しり(尻)。肛門のある付近。臀部デンブ。「尻しりを下す」「尻坐コウザ」(尻をすえてうずくまって坐る)「尻尾しっぽ」(2)後ろのほう。おわり。「尻馬しりうま」(人の乗った馬の後ろに乗る)「目尻めじり」(目の外側の端)「帳尻チョウジリ」(計算の締めくくり)

まがる
 キ・わだち  車部 guǐ
解字 「車(くるま)+九(まがる)」の会意形声。車が曲がったとき残した車輪のあと。
意味 (1)わだち(軌)。車の通ったあと。「軌跡キセキ」(①わだちのあと。②前人のおこないの跡。③幾何学における、わだちのような図形)「軌道キドウ」(①レールの敷かれた道。②天体の運行する道) (2)車輪の間隔。「広軌コウキ」「狭軌キョウキ」(3)(レールの敷かれることから)すじみち。のり。てほん。「軌範キハン」「常軌ジョウキ
 キョク・あさひ  日部 xù
解字 「日(太陽)+九(まがる)」の会意形声。太陽が昇るとき、太陽の曲線の部分が地上に見える状態をいう。[説文解字]は「日が旦タン(あけがた)に出る皃ボウ(すがた)。日に従い九の聲(声)。一に曰(いわ)く明(あけ)る也(なり)」とする。
意味 あさひ(旭)。朝にのぼってくる太陽。「旭日キョクジツ」(朝の太陽。また、その光)「旭日昇天キョクジツショウテン」(朝日が勢いよく天に昇る。勢いの盛んなこと)「旭光キョッコウ」(朝日のひかり)

形声字 
 キュウ・ク・はと  鳥部 jiū
解字 「鳥(とり)+九(ク)」の形声。クックッと鳴く鳥のハト。ハトは群れをなすので、集まる意味もある。
意味 (1)はと(鳩)。「鳩舎キュウシャ」「鳩笛はとぶえ」(2)あつまる。あつめる。「鳩合キュウゴウ」(あつまる)「鳩首キュウシュ」(相談事などのため人が頭を寄せる)
<紫色は常用漢字>

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音符「西セイ」<ザル・カゴ>と「栖セイ」「茜セン」「晒サイ」「洒サイ」「迺ダイ」

2024年10月05日 | 漢字の音符
西 セイ・サイ・にし  西部 xī

解字 甲骨文字はザル・カゴを描いた象形。第一字は口が開いた形。第二は口を閉じた形とされる。しかし本来の意味でなく仮借カシャ(当て字)されて方角の西の意味で使われた。金文は口を閉じた形が少し変形した。篆文(秦)は第一字が金文を引き継いでいるが全体が角型になった。第二字は[説文解字]に掲載されている字で、第一字の上に鳥がいるさまを描いている。著者の許慎キョシンは、「鳥が巣の上に在るなり。日(太陽)が西に入ると鳥が西(鳥の巣)に入る。故に東西の西と為す」と書いている。つまり、これまでのザルを鳥の巣とし、その上に鳥をくっつけた字にして西を表した。西の意味を突き詰めた字といえる。第三字は第一字の変形で、長方形を六等分した形。この形が隷書レイショ(漢)で右辺の上部が欠けた形(第一字)となり、次いで左辺の上部も欠けたになった。この字形は楷書でも使われたが、現在は西となっている。(字形は落合淳思[漢字字形史小字典]を参照した)
意味 にし(西)。日の沈む方角。「西方セイホウ」「西洋セイヨウ」「西暦セイレキ」「東西トウザイ

イメージ 
 「にし・夕日」
(西・茜) 
 ザルの象形から「ザル」(栖・迺)
 「形声字」(晒・洒)
音の変化  セイ:西・栖  セン:茜  サイ:晒・洒  ダイ:迺

にし・夕日
 セン・あかね  艸部 qiàn・xī
解字 「艸(草)+西(夕日)」の会意形声。根が夕焼け色の染料になる草。後漢の[説文解字]は「茅蒐ボウシュウ(あかね)也(なり)。艸に従い西の聲(声)、(発音は)倉見(セン)切」とする。

茜草とその根(中国のネットから)
https://baike.baidu.com/tashuo/browse/content?id=a642e1fb5b9448392d6f817f
意味 (1)あかね(茜)。あかねぐさ(茜草)。根は赤黄色で染料や薬用となる。(2)あかねいろ。赤色のやや沈んだ色。「茜色あかねいろ」「茜染あかねぞめ」

ザル
 セイ・すむ・すみか  木部 qī・xī
解字 「木(き)+西(ザル)」の会意形声。木の上にあるザル状の鳥の巣。
意味 (1)すみか(栖)。鳥の巣。棲セイとも書く。「栖鴉セイア」(巣にいるカラス)「栖遁セイトン」(隠居する)(2)すむ(栖む)。巣を作り、そこにすむ。「栖息セイソク」(=生息)「隠栖インセイ」(=隠棲)(3)地名。「国栖くず」(①古く大和国吉野郡の山奥にあったと伝えられる村落。②常陸国(今の茨城県)茨城郡に土着の先住民)「国栖舞くずまい」(奈良県吉野町南国栖の浄見原神社で、毎年旧暦1月14日に奉納される歌舞)
迺[廼]ダイ・ナイ・すなわち・なんじ  辶部 nǎi

ニガリふね(「しまねの民具」より)

解字 甲骨文第一字はかご状のものをくぼみに置いた形で、その周りや底に何かが出ている。第二字は鹵(かごに塩が入っている形)が皿状の器の中にあり、底に三点を描く。これは原塩からニガリが出ている形ではないかと思う。意味は、前後関係を表す助辞で「すなわち」の意だという[甲骨文字辞典]。これは仮借カシャ(当て字)の用法とされるが、私は、塩籠を器に入れておくと「すなわち」ニガリが下に出てくる、という前後関係を表すのではないかと思っている。因みに写真は、木をくりぬいた船に塩籠をいれてニガリをとる「苦汁ふね」(しまねの民具)である。
 字形は金文でかごの形と鹵(塩籠)の形の2種類が継続し、篆文を経て、次の隷書(漢)で覀が出現し、また下部の𠃊⇒辶の前段階になった形も出現し、最終的に、迺・廼の2種類に分離した。廼は現在、異体字となっている。意味は、「すなわち」の他、同音の乃ダイ(なんじ・すなわち)に通じ、「なんじ・おまえ」の意で用いる。日本では乃が「の」の意味でも使われるので「の」の意にもなる。
意味 (1)すなわち(迺ち)。乃ダイと同じ。「迺玉迺金ダイギョクダイキン」(玉はすなわち金)(2)なんじ(迺)「迺翁ダイオウ」(なんじがおきな)「迺公ダイコウ」(なんじの父。父が子に対する自称)(3)[国]「の」を表す。「曾我廼家そがのや」(俳優・役者の屋号)

形声字
 サイ・さらす  日部 shài
解字 「日(太陽)+西(サイ)」の形声。日光にあてて干すことを晒サイという。
意味 さらす(晒す)。(1)日にほす。「晒布さらし」(さらして白くした布)(2)広く人々の目に触れる。「人目に晒す」
 サイ・シャ・すすぐ  氵部 xǐ・sǎ
解字 「氵(水)+西(サイ・シャ)」の形声。水ですすぐ(あらう)ことを洒サイという。また、洗ってさっぱりしたさまを洒シャという。
意味 Ⅰ:サイの発音。すすぐ。そそぐ。あらう。「洒掃サイソウ」(水を撒きほうきで掃く)Ⅱ:シャの発音。さっぱりとしているさま。「洒脱シャダツ」(あかぬけしてさっぱりしている)「洒落シャラク」(さっぱりして物事にこだわらないこと)「洒落しゃれ」(機知に富む。美しい装い)
<紫色は常用漢字>

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音符「臤ケン」 と 「賢ケン」「堅ケン」「慳ケン」「緊キン」「鏗コウ」「竪ジュ」「腎ジン」「樫かし」「鰹かつお」

2024年10月03日 | 漢字の音符
  改訂しました。
 ケン・カン  臣部 qiān・xián

解字 目を縦たてにした臣シンと又(て)から成る。甲骨文と金文の意味は不詳。篆文は[説文解字]が「堅(かたい)也(なり)。又に従い臣聲(声)。古文は以って賢の字と爲す」とし、堅い意味があるが、古文には賢の字があるとしており、堅い意味と賢い意味の両方があるとする。また、宋代の韻書[集韻]は「賢。古は臤に作る」と古くは賢い意味があったとする。しかし何故「臤ケン」の字が賢・堅になるのかが明らかでない。したがって臤ケンを発音をあらわす形声字の音符「臤ケン」として解字することとしたい。
意味 (1)かしこい。(賢と通じ) (2)かたい。(堅と通じ)

イメージ
 「形声字」(賢・堅・樫・鰹・慳・竪・緊・腎・鏗)

音の変化  ケン:賢・堅・鰹・慳  キン:緊  コウ:鏗  ジュ:竪  ジン:腎  かし:樫

形声字
 ケン・かしこい  貝部 xián

解字 金文は「貝(財貨)+臤(ケン)」の形声。財貨がある有徳(高貴な人格)の人を賢ケンという。転じて、賢(かしこ)い意となる。[説文解字]は「多才也。貝に従い臤声」とする。[簡明金文詞典]は①才能、②徳行、③人名、の意味があるとし、「賢人」「賢才」「賢佐ケンサ」(徳と才能を兼ね備えた補佐(助手)」の熟語を挙げている。
意味 (1)かしこい(賢い)。かしこい人。さかしい(賢しい)。「賢明ケンメイ」「賢人ケンジン」(聖人に次ぐ徳のある人)「用賢ヨウケン」(賢者を用いる)(2)さかしら(賢しら)。利口ぶる。「賢立(かしこだ)て」(利口ぶる)(3)敬意を表す。「賢察ケンサツ」(相手の推察に対する尊敬語。お察し)
 ケン・かたい  土部 jiān

解字 篆文は「土(つち)+臤(ケン)」の形声。かたく締まった土を堅ケンという。かたい意となる。[説文解字]は、「剛ゴウ(かたい)也(なり)。臤に従い土に従う。(発音は)古賢(ケン)切」とする。
意味 (1)かたい(堅い)。「堅固ケンゴ」「堅甲ケンコウ」(堅い革製のよろい)(2)しっかりしている。充実している。「堅陣ケンジン」「中堅チュウケン」(3)[国]「堅木かたぎ」(①カシ・クヌギ・ナラなどの薪炭とする木の称。②アカガシの異称)「堅気かたぎ」(地道でまじめ)
<国字> かし  木部 jiān
解字 「木(樹木)+堅(かたい)」 の会意形声。木質の堅い木。
意味 (1)かし(樫)。コナラ属の常緑高木。シラカシ・アラカシなどがあり、材は堅く器具材などに使われる。「赤樫あかがし」(材が堅く赤みを帯びる)「白樫しらかし」(葉の下面は白色を帯びる。材は堅く弾力にとむ)「姥目樫うばめがし」(材は堅く高級品の木炭になる)「樫鳥かしどり」(カケスの別称。鳩より小形。樫の実を好む)(2)地名。「樫原かたぎはら」(京都市右京区にある地名)
 ケン・かつお  魚部 jiān
解字 「魚(さかな)+堅(かたい)」の会意形声。身が堅くしまった魚からとされる。また、堅いかつお節の材料となる魚。なお、中国では鱧(はも)のたぐいの魚の意だったが、現在はカツオの意で用いる。

カツオ(「市場魚貝類図鑑」より)
意味 かつお(鰹)。サバ科の海水魚。「鰹節かつおぶし」(煮た鰹をよく干して堅くしたもの。削って調味料にする)「鰹鳥かつおどり」(カツオの群れにむらがる鳥)
 ケン・カン・おしむ  忄部 qiān
解字 「忄(心)+堅(かたい)」の会意形声。心をかたくする。仏教用語で、なさけ心のないこと、ものおしみする意で使われる。日本では、意地悪い意でも使う。
意味 (1)おしむ(慳しむ)。しぶる。けちる。「慳貪ケンドン」(①けちで貪欲。②[国]無愛想。つっけんどん)「慳吝ケンリン」(ものおしみする)(2)[国]意地がわるい。「邪慳ジャケン」(意地わるく冷たい)
 キン・しめる  糸部 jǐn
解字 「糸(いと)+臤(ケン⇒キン)」の形声。糸できつく締めることを緊キンという。転じて、さしせまる意ともなる。
意味 (1)かたい。きつい。しまる。「緊張キンチョウ」「緊密キンミツ」(2)すきまやゆとりがない。差し迫っている。「緊迫キンパク」「喫緊キッキン」(さしせまって重要なこと)「緊急キンキュウ」(3)しめる(緊める)。しまる。「緊縮キンシュク
 ジュ・たて  立部 shù
解字 「立(たつ)+臤(ケン⇒ジュ)」の形声。まっすぐに立つことを竪ジュという。また、「たてよこ」の「たて」の意ともなる。儒ジュ(こども)に通じ、子供の意がある。
意味 (1)たつ(竪つ)。たてる。「竪立ジュリツ」(まっすぐ立つ)(2)たて(竪)。「竪穴たてあな」(たてに掘った穴)「竪坑たてこう」(斜坑・横坑に対し、たてに掘った坑道)「竪琴たてごと」(ハープなど、弦をたてに張った楽器)(3)こども。「竪子ジュシ」(こども。童子)「僕竪ボクジュ」(こどもの召使)
 ジン  月部にく shèn
解字 「月(にく。内臓の略)+臤(ケン⇒ジン)」の形声。漢方の五臓(心・肝・脾・肺・腎)の一つでジンという内臓をいう。五行説で、水に属し生命エネルギーの根源となる腎精が宿るとされる。現代医学では血液からの老廃物や余分な水分のろ過及び排出(尿)を主な役割とする体の器官。なお、発音のジンは臤を構成する臣シンに由来する。
意味 (1)五臓のひとつ。「腎臓ジンゾウ」(血液を濾過して老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出する器官。腰のあたりに左右対称に2個ある)「腎炎ジンエン」(腎臓の炎症)「副腎フクジン」(腎臓に接する内分泌器官。特定のホルモンを分泌する)(2)かなめ。大切なところ。「肝腎カンジン」(肝臓と腎臓、もっとも大事なこと)「心腎シンジン」(心臓と腎臓)
 コウ・うつ  金部 kēng
解字 「金(金属・硬い)+堅(ケン⇒コウ)」の形声。硬い金属や石のコーンと鳴る音の形容。
意味 (1)金属や石の鳴る音。「鏗鏗コウコウ」(①金属や石の鳴る音。②言葉が明確なさま)「鏗然コウゼン」(甲高い音の形容)「鏗錚コウソウ」(金石または琴などの音)「鏗爾コウジ」(①金石や音の形容。②琴を下に置くときコーンと鳴る音の形容[論語・先進])(2)うつ(鏗つ)。つく。「鏗鐘コウドウ」(鐘をうつ)
<紫色は常用漢字>

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音符「如ジョ」<神のお告げをうける> と 「恕ジョ」「茹ジョ」「絮ジョ」「洳ジョ」

2024年10月01日 | 漢字の音符
  <神意にしたがう>
 ジョ・ニョ・ごとし  女部 rú  

解字 甲骨文字は「口(祭器)+女(ジョ)」の会意形声。[甲骨文字辞典]は「口はおそらく祭器の口サイであり、儀礼の様子と思われるが、人名の用例しかなく原義は確実ではない」とする。一方、[字通]は全体の意味について「口サイは祭器、女は巫女(みこ)」で、巫女が祭器(祝祷トウ・神への祈りを収める器)を前に神へ願いをかけ、また、その結果として神のお告げを受ける状態をいう。そこから神意を「はかる」、神意に「したがう」意となる。また、祈祷や神託をうける時に、神がかりとなる動作を伴ったものと思われる。そんな巫女の状態をあらわす「ごとし」の意となる、とする。
意味 (1)いかがか。「如何いかん・いかが」(2)したがう。「如意ニョイ」(意にしたがう。思うようになる)(3)ごとし(如し)。状態を表わす。「如実ニョジツ」「欠如ケツジョ」(欠けていること)「如雨露ジョウロ」(雨露の如し。草木などに水を一面にかける道具。ジョロ。語源は、ポルトガル語のjorroの当て字とする説もある)(4)もし(如し)。仮定。(5)「如月きさらぎ」とは、陰暦2月の別称。

イメージ
 「神意にしたがう」
(如・恕)
 意味(3)の「ごとし」(絮・茹)
 「形声字」(洳)
音の変化  ジョ:如・恕・茹・絮・洳

神意にしたがう
 ジョ・ゆるす  心部 shù
解字 「心(こころ)+如(神意にしたがう)」の会意形声。神意にしたがう心。神の大きな心で相手をおもいやり、ゆるすこと。
意味 (1)おもいやり。いつくしみ。「忠恕チュウジョ」(真心とおもいやりがあること)(2)ゆるす(恕す)。とがめず大目にみる。「寛恕カンジョ」(ひろい心でゆるすこと)「宥恕ユウジョ」(ゆるすこと。宥も恕も、ゆるす意)

ごとし
 ジョ・わた  糸部 xù
解字 「糸(いと)+如(ごとし)」の会意形声。糸のごとしの意で、古くはマユ(繭)から作った真綿(まわた)を言い、のち栽培植物の綿(わた)も言う。

柳絮(「柳のふわふわ柳絮」より)
意味 (1)わた(絮)。まわた(真綿)。のち、綿わた。古いわた。(2)柳のわた毛。柳は楊ヨウ(葉の垂れないヤナギ)も含めて言う。「柳絮リュウジョ」(春に柳の熟した実から綿毛をもった種子が飛び散るさま。また、柳のわた毛)(3)(まわたのように)こんがらかってつながる。「絮説ジョセツ」(くどくどした説明=絮語ジョゴ
 ジョ・くう・ゆでる  艸部 rú
解字 「艸(草)+如(ごとし)」の会意形声。草のごとしの意から、葉物の野菜をいい、また、その野菜を食べる意。日本では、野菜をゆでてやわらかくする意で使われる。
意味 (1)野菜。「茹菽ジョシュク」(野菜と豆)(2)くう(茹う)。野菜をたべる。「茹菜ジョサイ」(野菜をたべる)「茹葷ジョクン」(ニンニクなどのにおいの強い野菜をたべる)(3)[国]ゆでる(茹でる)。ゆでたもの。「茹(ゆ)で卵」(4)[国]うだる(茹だる)。暑さのため体がぐったりする。

形声字
 ジョ・ニョ  氵部 rù
解字 「氵(水)+如(ジョ)」の形声。ジョという名の川をいう。また、水のうるおうさま。ぬかるみをいう。
意味 (1)川の名。「洳河ジョカ」(河北省東部を南流する川)(2)水にうるおう。「沮洳ショジョ」(ぬかるみ。低湿地。沮も洳も、湿気の多い地の意)
<紫色は常用漢字>

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