昨日は、1日で「映画の日」、なのでレイトショーに行きました。
今回見た映画は、「ミリオンダラー・ベイビー」。
アカデミー作品賞をはじめ、主演女優、助演男優、監督賞の計4部門を受賞したクリント・イーストウッド監督・主演のヒューマンドラマ。
ボクシングジムを営む老トレーナー、フランキー。ある日、女性マギーが、彼の元に弟子入り志願する。最初は嫌がっていたフランキーだが、やがて自分のボクサーとして育て始める。彼女は、数々の試合を勝ち抜いていき、ついにタイトルマッチへ、、。
典型的なハリウッド映画なら、その後アメリカンドリームを手にし、ハッピーエンドで終わることだろう。
しかし、この映画は違います。ネタばれになるのであまり書けませんが、その後に彼女を襲う悲劇。そして悩み苦しむ人間たち、この映画は、むちゃくちゃ心の奥底に突き刺さってくる人間ドラマなのです。
娘と絶縁状態のフランキーと、父親を亡くし母親に認めて欲しいものの逆に迷惑に思われているマギー、同じような孤独感を持つその二人の心の交流がうまく描かれている。
そしていぶし銀の演技を見せてくれるのが、モーガン・フリーマン。目立つ役柄ではないものの、その存在感は素晴らしい。劇中のナレーションも彼がしているが、その演技のおかげで、ラストの感動が生きてきていると思います。
確かに、この映画はハッピーエンドじゃないし、恋愛感情や派手なアクションもない。非常にシンプルなストーリーながら、ただその根底には、クリント・イーストウッドの人間に対する愛情が流れている。だからこそ、このエンディングにもかかわらず、心を揺さぶられるような大きな感動がわいてくるのだろう。
「ダーティー・ハリー」以来、僕はクリント・イーストウッドのファンなので、彼の映画はどうしても贔屓目に見てしまうことはあるが、「ミリオンダラー・ベイビー」は、それを除いても非常に素晴らしい映画だと思います。見終わって1日たった今ですら、心に残って離れません。