
大気汚染から守られた清潔な都市で暮らす人々のあこがれは、日々行われる抽選で選ばれ、最後の楽園アイランドに行くこと。
だが、主人公リンカーン(ユアン・マクレガー)は、その都市がクローン製造工場であり、アイランド行きの当選者は臓器を摘出されるということを知ってしまったため、当選したジョーダン(スカーレット・ヨハンソン)と都市を脱出しようとするのだが、、、。
監督は、「ザ・ロック」「パール・ハーバー」「アルマゲドン」などエンターテイメント性に富んだ作品を撮りつづけているマイケル・ベイ。
今作では、これまでずっとコンビを組んでいたプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは参加していない。
俳優陣もなかなかの豪華さ。ユアン・マクレガー、スカーレット・ヨハンソン、ジャイモン・フンスー、スティーブ・ブシェミ、ショーン・ビーンといった顔ぶれ。
もちろん近未来を舞台にしたこの「アイランド」も、マイケル・ベイの映画らしく、期待通りでアクション満載の誰もが楽しめる作品に仕上がっている。
前半はクローン人間の問題を提起し、うまく観客を彼らに感情移入させることによって、人間の命の尊厳、その存在意義、そして人間たちのエゴについて考えさせられる。これは、手塚治虫の「火の鳥」にもあった話だ。
そして、後半。二人が逃げ出してからの息継ぐひまもないアクションシーンの迫力はすごい。カーアクションは、「バッドボーイズ2バッド」に似ているところはあったが、それでもスピード感溢れるシーンの連続で、手に汗握った。
新しいアイデアが欠乏し、リメーク作品ばかり作っている最近のハリウッド映画だが、いまだこれだけ楽しめるアクション映画が作れるぞというハリウッド映画の底力を見せられました。