さぁ、いよいよカピトリーニ美術館へ。広場左手のパラッツォ・ヌオヴォ(新宮)と右手のコンセルヴァトーリ宮の二つの建物からなる美術館。
まず切符売り場を探したら、せまい部屋の中に窓口があって、入場券を買う人でごった返していた。忙しいせいか、切符売りのおばちゃんは、えらい無愛想。順番がきたので普通にお金払ったら、小銭を出せ出せとうるさい。「そんなことやってるから、切符を買う客が捌けなくて混んでしまうんやろ、だいたい値段決まってるんやから、お釣りぐらい十分に用意しとけよ」などと思うのだが、それは日本での常識であって、イタリアでは通じない話なんだろう。そういえば、映画館の窓口で、煙草吹かしながら客の応対をしているおばはんもおって、そこまでいくともう笑うしかなかった。
この美術館は、意外と中が複雑なため、見たいものをあらかじめ、ある程度決めておかないと、中でどこにいるか迷子になってしまう。実際、知らないうちに美術館の外に出てしまっていて、2度ほど、入り口から再入場させられる羽目になってしまった。
まずは、新宮(Palazzo Nuovo)から。
「諸皇帝の間」や「哲学者の間」には、数え切れないほどのローマ皇帝や哲学者達の胸像が並んでいる。写真は、カラカラ帝。
ローマ郊外にあるカラカラ浴場のおかげで多くの人に名前を知られている皇帝であるが、母親の目の前で弟のゲタを殺し、一般市民を大量虐殺した極悪非道な人物。この胸像の表情から、残虐性まではわからずとも、その気の強さは十分に伝わってくる気がする。
「瀕死のガリア人」
紀元前3世紀頃のブロンズ彫刻のコピー。深手を負って瀕死の状態のガリアの兵士の姿。
「カピトリーノのヴィーナス」
この像一体だけ、「ヴィーナスの小部屋」という別の小さな部屋に置かれている。確かに魅力のあるこの像の周りには、多くの人が集まっていた。
「円盤投げの戦士」
オリジナルは、紀元前5世紀のもの。「瀕死のガリア人」もそうだが、筋肉の形がリアルで、今にも動き出しそうなほどだ。
中庭にある「マルフォリオ」
もともとカンピドリオの丘の麓にあった、2世紀頃の作品。かつては、法王庁に対する悪口や非難の文がこの像に貼られ、庶民に告発の場を与えていたという。この像の隣のスペースに、「マルクス・アウレリウス帝の騎馬像」があるとのことだったが、見当たらず。修復か何かで見れないのかと思っていたが、今さっきカピトリーニ美術館のHPを見てたら、コンセルヴァトーリ宮に移されているようだ。
コンセルヴァトーリ宮殿へ。
有名な「とげを抜く少年」
これも有名な「カピトリーノの雌狼」
ローマ建国の伝説に基づく有名な雌狼のブロンズ像。二人の赤ん坊は、狼に育てられた双子の兄弟ロムルスとレムス。ロムルスは、互いの領域を侵さないという誓約を破ったレムスを殺し、ローマ初代の王となったといわれている。ローマの名前の由来は、このロムルスからきている。
「コンスタンティヌス帝頭部像」
写真ではわからないが、中庭にあるこの像は、おそろしくばかでかく、壁際に置かれているものの、一際存在感を放っている。破損した体の一部も置かれているが、全身を合わせるとどれぐらいになるかこの状態では想像がつかない。もともとフォロ・ロマーノのマクセンティウス帝のバジリカにあったとのこと。後でフォロ・ロマーノで見たが、確かにこちらもばかでかい建物であり、この像が設置されていたというのもうなずけた。