さて、これはなんのためのパイプでしょう。
農業用水です。
ボックスカルバートのなかを通してサイフォン構造で水を供給します。
一般に「サイホン工」という名前で呼ばれる工法ですが、
構造としては逆サイフォンですね。
つまり、
サイフォン
↓↓
に対し、
逆サイフォン
↓↓
ということです。
画像を拝借した九州農政局のホームページにわかりやすい説明がありますので引用します。
【逆サイフォンとは】
図に示すように、管が水面の上にあっても、ある程度の高さまでは入口と出口の水位差で自然と水が流れます。このような管をサイフォンといいます。身近な例では、灯油をストーブに入れるときの灯油ポンプ。これにサイフォンの原理が使われています。
一方、逆サイフォン(伏せ越し)は、サイフォンを逆さにしたものです。水の流れが目に見える開水路(かいすいろ)がつながっていなくても、ある程度の水位差をもたせることで、入口からは水が吸い込まれるように入っていき、出口からは吹き上がるように水が出てきます。
『土地改良事業計画設計基準「水路工」技術書』(平成13年、農林水産省農村振興局、ちょっと古いですがウチにはこれしかありません)にはこう記されています。
サイホンは開水路形式の水路において、エネルギ線以下にある谷間、くぼ地、河川、道路及び鉄道敷等の低位部を通過する場合に設けられる、自然流下の満流管体で、管内に内水圧がかかる水路をいう。(P.403)
こんな感じですね。
『とよはし水と農の資料館』ホームページより
ということで、工法の名前としてはサイホンです。
この現場の場合は、もともと山側を流れる用水路から低地に向かって勾配差を利用して水を流していたのですが、そのルート上に自動車専用道路ができることから、サイホンで流すように計画しました。
田んぼをつくっている地元住民の皆さんにとっては、たいせつな水です。
諸事抜かりがなく完了させて、よろこんでもらいたいですね。
(みやうち)
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